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はちみつのボツリヌス菌は大人には影響なし!知っておきたい食の安全

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1歳未満の子どもにはちみつを与えないでってよく言われるけど…。

大人は大丈夫なのかしら?

子どもがいらっしゃる方は「乳児ボツリヌス症になる可能性があるので、1歳未満の乳児にはちみつを与えないでください」と言われた経験はありませんか?

でも大人の私たちは日常生活において、ボツリヌス菌なんて気にすることなくはちみつを食べていますよね。

私もヨーグルトにはちみつをかけて食べるのが大好きです!!

大人の場合、1歳未満の乳児と違って腸内がボツリヌス菌を排除する環境に整っているため、はちみつを食べることが出来るのです。

ここでは大人がはちみつを食べられる詳しい理由やはちみつ以外で注意したいボツリヌス菌のことについて解説します。

正しい知識を知り、安全なはちみつのある生活を送りましょう!

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はちみつに含まれるボツリヌス菌は大人には影響なし!

大人が問題なくはちみつを食べることが出来るのは、腸内環境がボツリヌス菌を排除するように仕組みが整っているからです。

大人の大腸には約1000種類、100兆個の細菌が存在し、「腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)」や「腸内フローラ」と呼ばれます。

その腸内細菌は、体にとって良い働きをする「善玉菌」と逆に悪い働きをする「悪玉菌」、どちらにも属さない「日和見菌(ひよりみきん)」の3つのグループがあります。

腸内の善玉菌が優位であると、日和見菌は善玉菌の味方をして発酵活動を活発に行います。

逆に悪玉菌が優位であると悪玉菌になびいて、体にとって悪い働きを手助けしてしまいます。

私は便秘知らずなので、私の腸の中の善玉菌が頑張ってくれているみたいです!

このように3つのグループが日々絶妙なバランスをとり、競争することで、食べたものを消化・吸収したり、免疫を正常に保ったりしています。

ボツリヌス菌もこの腸内細菌たちの働きにより増殖を抑えられ、体から排除されてしまいます。

そのため、大人の場合、はちみつを食べたとしてもボツリヌス菌による健康被害はないのです。

はちみつを食べられるのは私たちの腸内にある細菌たちのおかげと聞くと、本当に人間の体ってよく出来ているな…と実感しますね!

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はちみつは大丈夫でもボツリヌス菌による食中毒に注意

大人ははちみつを食べることによるボツリヌス菌の健康被害はありません。

しかしはちみつ以外の食事が原因となり、ボツリヌス菌が食中毒を引き起こしてしまう場合があります。

 
 

ボツリヌス菌ってはちみつ以外であまり聞いたことないかも…。

ボツリヌス菌は自然界の土壌や河川に存在する細菌で、ボツリヌス菌自体は私たちにとっては無害です。

しかし、ボツリヌス菌が生み出す毒素こそが食中毒の原因であり、私たちにとって有害なのです。

ボツリヌス菌が何らかの経由で私たちの食品に付着し、毒素を生み出して、食品が汚染されます。

その毒素に汚染された食品が私たちの口を経由して体に取り込まれることにより、食中毒を引き起こします。

ボツリヌス食中毒の主な症状は、以下のとおりです。

ボツリヌス食中毒の症状
  • 腹痛、吐き気、嘔吐、下痢、便秘などの消化器症状
  • 食べ物・つばが飲み込みにくくなる
  • まぶたが垂れる
  • 物が二重に見える
  • ろれつが回らなくなる

原因となる食品を食べてから18~48時間後、これらの症状が現れます。

食中毒と聞くと、「お腹が痛い…」「気持ち悪い…」「吐いてしまった…」更に「お腹を下した…」というイメージがありますよね。

ボツリヌス食中毒の場合、症状としては筋肉の麻痺が挙げられ、数日では完治せず、1~3か月程度の入院を経て回復するということが多いようです。

また、症状が悪化すると呼吸をするための筋肉が麻痺して呼吸困難になることがあり、最悪の場合、死亡する例もあります。

ボツリヌス食中毒の内容を聞いただけでも、とても恐ろしい食中毒だと分かりますね。

しかも短期間では治らないなんて聞くと、絶対かかりたくありません!

ボツリヌス食中毒の原因となる食品って何?

ボツリヌス食中毒は、真空状態(缶詰や瓶詰、真空パックされたもの)の食品が原因となる場合が多いです。

ボツリヌス菌は偏性嫌気性細菌(へんせいけんきせいさいきん)、つまり酸素の少ない環境で増殖する細菌で、酸素が少ない環境で毒素を生み出します。

そのため真空状態の食品はボツリヌス菌にとって条件の良い環境のため、増殖し、毒素を生み出してしまうのです。

保存のために真空パックをしているのに、それがボツリヌス菌にとって居心地のいい環境と聞くとゾッとしますよね。

私は食品や料理をフリーザーバックに入れ、空気を抜いて保存することがよくあるので、身近に危険は潜んでいるのだと思いました。

過去のボツリヌス食中毒の報告事例では、飯寿司(いずし)、辛子レンコンなどが原因食品として挙げられています。

飯寿司はご飯と具材を圧迫して作る寿司なので空気が少ない状況が作られてしまったこと、辛子レンコンは真空パックされていたことで食中毒が起こってしまったそうです。

ボツリヌス菌の芽胞は熱に強い厄介者!

ボツリヌス菌は芽胞と呼ばれる熱に強くて硬い殻を作り、通常の加熱では死にません。

芽胞を加熱殺菌しようとすると、食材の中心温度を120℃4分間(または100℃6時間)の温度条件で加熱しなければいけません。

100℃なら加熱出来そうと思いましたが、6時間も加熱しないといけないなんて、私はまずガス代が心配になってしまいます…。

この芽胞は非常にやっかいな存在で、ボツリヌス菌は生きるための栄養素が少なくなったり、増殖できない環境に置かれると芽胞を作ります。

芽胞の状態では増殖は出来ないため、増殖できる環境になるまでじーっと待ち続けます。

そして水分や温度、栄養などのボツリヌス菌が生きていくための条件が揃うと、芽胞は「発芽」をして、増殖が可能な形態に変化し、増殖をしていきます。

普段私たちが行っている消毒・殺菌方法では芽胞を殺すことが出来ないなんて怖いですよね。

また、芽胞は熱に限らず、乾燥や消毒薬にも耐えることが出来ます。

芽胞の状態で殺菌することはなかなか難しいということが分かりますね。

ボツリヌス食中毒の予防方法について解説

ボツリヌス菌は自然界に広く存在する細菌のため、食材に付着しないように防止することはほぼ不可能です。

さらにボツリヌス菌の芽胞の熱に強いという特徴も踏まえると予防のポイントは、ボツリヌス菌の増殖を抑えることと毒素の活性を失わせることが挙げられます。

予防方法のポイントは次の3つです、しっかり見ておきましょうね。

ボツリヌス食中毒の具体的な予防方法3つのポイント
  • 食材をしっかり洗浄する
  • 食材を冷蔵庫に保管し、温度管理をする
  • 食べる前にしっかり加熱する

<食材をしっかり洗浄する>

買ってきた食材はよく洗浄し、ボツリヌス菌の数を物理的に減らすことも有効です。

買ってきた野菜などに土がついていることがありますよね。

その土などにボツリヌス菌が付着している場合があるので、しっかり洗浄することで菌を洗い流すことが重要です。

<食材を冷蔵庫に保管し、温度管理をする>

食材を冷蔵庫に入れ、10℃以下で保管しておくことで、ボツリヌス菌の活動が抑えられます。

特に「要冷蔵」「10℃以下で保存してください」などの表示があれば、冷蔵庫に適切に保存しましょう。

<食べる前にしっかり加熱する>

 
 

あれ?ボツリヌス菌って加熱しても意味ないんじゃなかったっけ?

先ほど「ボツリヌス菌の芽胞」は熱に強く120℃4分間(または100℃6時間)の加熱条件でないと死なないと説明しました。

しかしボツリヌス食中毒はボツリヌス菌が生み出す「毒素」によって引き起こされるものです。

「毒素」は熱に弱く、食材の中心温度を80℃30分(100℃であれば数分以上)の加熱で活性が失われます。

そのため、料理を食べる前の加熱を十分に行うことで、ボツリヌス食中毒のリスクを小さくできます。

私もこの加熱時間であればガス代の心配をせず、しっかり加熱することを心掛けることが出来そうです!

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はちみつによるボツリヌス症はなぜ起こる?

一方、1歳未満の乳児はボツリヌス菌が腸内において増殖しやすいため、はちみつを食べると乳児ボツリヌス症を発症してしまうことがあります。

大人の腸内細菌は善玉菌・悪玉菌・日和見菌といった主に3つのグループが存在し、非常に多種多様な細菌たちがいます。

良い菌も悪い菌もどちらでもない菌も日々複雑なバランスを取り、競争をしながら腸内環境を作っています。

一方、1歳未満の乳児は、大人に比べてまだまだ腸内細菌のバラエティーが富んでおらず未熟です。

そのため、腸内細菌の競争において、はちみつに含まれるボツリヌス菌を排除できず、乳児ボツリヌス症を発症してしまいます。

なぜはちみつが乳児ボツリヌス症の原因になる?

なぜはちみつが乳児ボツリヌス症の原因食品であるかというと、2つの要因があります。

それは、はちみつがミツバチによって自然の中で製造されるものであることと、強い殺菌力があるはちみつの中でもボツリヌス菌の芽胞が生き続けることが挙げられます。

はちみつはミツバチによって自然の環境で作られるため、自然界に存在するボツリヌス菌が芽胞の状態で混入していることがあります。

また、はちみつは強い殺菌作用を持っていますが、ボツリヌス菌の芽胞には効果がありません。

そもそも、なぜはちみつに殺菌作用があるかというと、はちみつは約80%の高い糖度を持っているからです。

糖度がこれだけ高いと、通常の細菌は増殖する環境に適していないので増殖することが出来ません。

また、はちみつには「グルコースオキシダーゼ」と呼ばれる酵素が含まれており、これが空気中の酸素と結びつくと過酸化水素を作り出します。

この過酸化水素こそが強い殺菌作用を持っています。

しかし、高い糖度と過酸化水素の2つの殺菌作用パワーを前にしても、ボツリヌス菌の芽胞ははちみつの中でも耐えて生き続けます。

ボツリヌス菌
ボツリヌス菌

芽胞の状態に変身すればはちみつの中でもへっちゃらだー!!!

したがって、なぜはちみつが乳児ボツリヌス症の原因とされているのかは、はちみつの製造環境や芽胞の生命力の強さが条件として重なっているからということが分かります。

乳児ボツリヌス症の発症経過と症状について

ボツリヌス菌の芽胞を含んだはちみつを1歳未満の乳児が食べてしまうと、以下のような経過で乳児ボツリヌス症を発症してしまいます。

乳児ボツリヌス症の発症の経過
  1. はちみつ製造の過程でボツリヌス菌の芽胞が混入する
  2. ボツリヌス菌の芽胞が混入したはちみつを乳児が食べる
  3. ボツリヌス菌が乳児の腸内にとどまって増殖し、毒素を生み出す
  4. 生み出された毒素が原因で乳児ボツリヌス症を発症する

先ほど申し上げたように、1歳未満の乳児はボツリヌス菌を排除できる腸内環境を持っていません。

そのため、乳児の腸内で「この環境なら増殖できそうだ!」と感じたボツリヌス菌は芽胞から増殖ができる形態に変化し、増殖します。

そして乳児ボツリヌス症の原因となる毒素を生み出してしまうのです。

また、乳児ボツリヌス症は以下の症状が挙げられます。

  • 便秘状態が続く
  • 全身の筋力低下
  • 哺乳力の低下(おっぱいを飲む力が弱くなる)
  • 泣き声が小さくなる
  • 顔面が無表情になる

いずれも筋肉の麻痺による症状で、重症になると呼吸困難になる例もあります。

赤ちゃんに急にこれらの症状が出るととても心配になりますね…。絶対に避けたいものです。

乳児ボツリヌス症の予防策について

とにかく一番の予防策は乳児にはちみつを与えないことです。

はちみつ以外にもはちみつを含んだ飲料やお菓子は絶対に避けましょう。

そして、両親だけでなく、周りの大人が乳児にはちみつやはちみつが入っている食品を与えないように日々注意を払うことが必要です。

また、厚生労働省は「1歳未満の乳児にははちみつを与えないように」と通知を出していますので、乳児に食事をさせる上で非常に重要なポイントであることがよく分かりますね。

はちみつのボツリヌス菌は高齢者でも無害なの?

 
 

高齢者ははちみつを食べても大丈夫なの?

高齢者もはちみつを食べたとしても、ボツリヌス菌による健康被害のリスクはないとされています。

高齢者も、ボツリヌス菌を排除可能な腸内環境を持つと考えるので、はちみつを食べることに問題ありません。

むしろ、ビタミンやミネラル類を含み栄養価が高い食品ですから、積極的にとることで健康にもつながりますよ。

しかし、大人と同様はちみつ以外でのボツリヌス食中毒には気を付けましょうね!

まとめ

  • 大人は腸内細菌のおかげでボツリヌス菌の心配をせず、はちみつを食べれらる
  • 大人ははちみつを食べても大丈夫だが、ボツリヌス菌が出す毒素により食中毒を起こすことがある
  • ボツリヌス食中毒の原因となる食品は、真空状態で保存する食品である
  • ボツリヌス菌の芽胞は熱にとても強い
  • ボツリヌス食中毒の予防法は菌の増殖を抑え、毒素の活性をなくすことである
  • 1歳未満の乳児は大人と比べ腸内環境が発達していないため、はちみつを食べると乳児ボツリヌス症を発症することがある
  • はちみつはミツバチにより自然の中で作られるものなので、ボツリヌス菌が混入してしまう
  • はちみつの強力な殺菌作用でも、ボツリヌス菌の芽胞は死なない
  • 乳児ボツリヌス症の症状は、筋力や哺乳力の低下、鳴き声が小さくなるなどが挙げられる
  • 乳児ボツリヌス症の一番の予防策は、はちみつ、はちみつを含む食品を乳児に与えないこと
  • 高齢者はボツリヌス菌の心配なくはちみつを食べられる

はちみつは自然な甘さで料理にも取り入れやすい食材ですし、砂糖といった甘味料に比べ、ビタミン類・ミネラル類も豊富に含まれる食材ですので、大人は心配なく食べましょう!

しかし、1歳未満の乳児には絶対与えることのないよう、細心の注意が必要です。

「はちみつは大人は大丈夫だけど1歳未満の乳児はダメ」「ボツリヌス菌の芽胞は熱に強いけど、毒素は熱に弱い」など色んなややこしい情報を知ることが出来ましたね。

ボツリヌス菌による食中毒に限らず、食の安全に関わることは、正しい知識を持って正しく恐れることが重要です。

私たちの安心安全な食生活のために、正しい知識を知って実践をしていきましょう!

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