やる気があって元気なあなたは、「何時間でもバイトして時給を稼ごう!」と思ってますよね?
私もバイトをしていた頃、率先して残業をこなし、1日8時間以上働いたことがあります。
ですが、日本の法律では労働時間を原則「1日8時間、週40時間まで」と働く時間が決められてるんですよ。
じゃあ1日8時間以上働いたら違法になるの?
1日8時間以上働いたからといって即違法、罰則というわけではありません。
8時間を超えた場合は残業扱いになりますが、残業するにもルールがあります。
また、バイトであっても正社員と同じように1日8時間以上働くと時給プラス残業手当が付くんですよ!
今回は働き損や違法にならないように、労働時間のルールについて分かりやすく解説していきます。
しっかり知識を身に付けてバイト生活を楽しみましょう。
2-1 バイトを1日8時間以上すると違法になるって本当なの?
「労働基準法」では、休憩時間を除いた労働時間は原則、1日8時間、週40時間までと決められています。
しかし、バイトを1日8時間以上したからといってすぐに違法と決めつけるわけにはいきません。
この場合、1日8時間を超えた時間を残業として、労働基準法で決められたルールを守れば違法ではないのです。
「労働基準法」とは、労働時間や休日、休憩時間、災害補償など労働に関することをルール付けしたものです。
そして労働時間の原則を「法定労働時間」といいます。会社やお店など、雇い主がバイトや社員を働かせてもいい時間の長さことです。
つまり原則として雇い主は、バイトや社員を1日8時間以上そして1週間40時間以上働かせてはいけないということです。
そしてこの「法定労働時間」を超えた場合は「法定時間外労働」といい、残業扱いになります。
ここでよく耳にするのが、サービス残業という言葉です。これは1日8時間以上働いているのに残業手当がないということです。
サービス残業は確実に雇用主側の違法となりますので断っても大丈夫ですし、支払い請求をすることもできますよ!
2-1-1 バイトの休憩時間と休息時間は時給に換算される?
休憩時間はバイトに労働義務はありませんので時給は発生しませんが、休息時間は時給が発生します。
バイトの休憩時間は「労働基準法」で決められています。
雇い主はバイトに1日6時間を超える労働には最低45分の、8時間を超える労働には最低1時間の休憩を与えなければいけません。
そしてバイトもこの休憩時間を守らなければ、雇い主が罰則を受けてしまいますので守る義務があるんですよ。
勤務時間が6時間ちょうどの場合、休憩を入れる必要がないんだよ。
逆に休息時間とは雇い主が決めた休み時間で法律上の規定はありません。
基本的に10分ほどの短い休み時間で、主に業務効率化を図る目的で設定されていることが多いようです。
基本的には労働時間の一部扱いになり時給が発生します。
休息時間は雇い主が自由に設定できるため、6時間以下のバイトには与えられないこともあります。
お互いにあとで齟齬(そご)を来さないように面接のときに質問して採用前に確認しましょう。
2-1-2 8時間未満のシフトは効率よく6時間がおすすめ
拘束時間を短縮して効率よくバイトしたい方には6時間ちょうどの勤務がおすすめです。
6時間を超えて8時間までの労働時間だと45分の休憩をとることは絶対です。以下を参考にしてください。
時給¥1,000 | |||
労働時間 | 休憩時間 | 実働労働時間 | 給料 |
6時間 | 0分 | 6時間 | ¥6,000 |
6時間30分 | 45分 | 5時間45分 | ¥5,750 |
7時間 | 45分 | 6時間15分 | ¥6,250 |
7時間30分 | 45分 | 6時間45分 | ¥6,750 |
8時間 | 45分 | 7時間15分 | ¥7,250 |
6時間30分の勤務は、労働時間が6時間を切り、6時間働いた場合よりも給料が少なくなってしまいますね。
7時間勤務も拘束時間が長い割には給与が¥250しか変わりません。7時間30分働くのであれば、8時間働いた方が効率は良いですね。
シフト制でも勤務時間固定でも、6時間以上働く場合は45分の休憩をとる必要がありますので、効率の良い労働時間を見極めるようにしましょう。
2-1-3 バイトも条件さえ満たせば有給休暇がもらえる!
「有給休暇は正社員の特権!」と思っているかもしれませんが、バイトでも条件さえ満たせば有給休暇が発生しますよ。
有給休暇とは「年次有給休暇」といって、休みを取っても、その日の分の日給が支払われる制度のことです。
「労働基準法」によって、勤務条件が一定の基準を満たしていれば、雇い主はバイトであっても正社員と同じように有給休暇を与えなくてはいけません。勤務条件は以下の2つです。
- 6か月以上の継続勤務
- 出勤率が8割を超えている
1つ目の条件は、入社日から継続的に働き始めて6か月上経っていることです。
もう1つは雇用契約書などで交わした所定労働日の8割以上を出勤していることです。
有給休暇の有効期限は2年間で、翌年に繰り越すことができるから覚えておこう!
下記の表は2つの勤務条件を満たした場合、有給休暇を取得できる日数を表したものです。
1週間のバイト日数 | 1年間の労働日数 | 入社6か月後 | 入社1年半後 | 入社2年半後 | |
1日 | 48~72 | 1日 | 2日 | 2日 | |
2日 | 73~120 | 3日 | 4日 | 4日 | |
3日 | 121~168 | 5日 | 6日 | 6日 | |
4日 | 169~216 | 7日 | 8日 | 9日 |
取得できる有給休暇の日数や時間は、契約した労働日数や時間で変わります。
週1シフトのバイトでも半年を過ぎると、1日分の有給休暇を取得する権利がもらえるんですよ。下記の例は1日分の有給休暇の金額です。
<(例)時給¥1,000 週1日の6時間勤務 入社1年半後 >
【¥1,000×6時間×1日=¥6,000】
入社1年半経った方は年に2回申請ができますので合計【¥6,000×2日=¥12,000】を受け取ることができます。
有給休暇を取得するには、雇い主や職場の上司に申請をする必要があります。原則あなたが有給休暇を申請したら、雇い主や職場の上司は承認しなければいけません。
ただお互いに気持ちよくスムーズに手続きするためには、あなたも職場に対して配慮が必要ですよね。
私は、有給休暇の申請を考える時、1か月前ぐらいから職場の上司や同僚に打診していました。
私がいないことで人手不足にならずに済み、前もって代わりの人を割り当てることができるからです。
特に、シフト制のバイトは、責任者がシフトを組む前に伝えておきましょう。
休みたい理由は「私用のため」で問題ないですよ。
また、冠婚葬祭の慶弔休暇、生理休暇が有給休暇になるかは会社によるので、申請方法も含め、事前に確認しておくのがベストですね。
2-1-4 困ったことがあれば総合労働相談コーナーへ相談しよう
バイトには待遇や権利がたくさんありますが、それでも立場的に弱気になってしまうこともあるでしょう。
そんな時は思い切って総合労働相談コーナーへ相談しに行きましょう。
相談だけではなく問題解決のサポートも行っていますのであなたの強力な味方になってくれますね。
バイトを始めると様々な問題が立ちはだかります。そのために総合労働相談コーナーでは以下のようなことを行っています。
- 解雇、雇止め、配置転換、賃金の引下げ、募集・採用、いじめ・嫌がらせ、多様なハラスメント問題
- 性に関連する労働問題
- 学生、就活生からの相談
- 外国人労働者のために多様な言語に対する相談
- 専門の相談員が面談もしくは電話対応の「労働条件相談ほっとライン」
- 予約は不要、相談は無料
- プライバシーの厳守
- 労働相談のほか、「助言や指導」「斡旋」の案内
- ご希望の場合は、裁判所、地方公共団体(都道府県労働委員会など)、法テラスなどの情報提供
総合労働相談コーナーは各都道府県労働局、全国の労働基準監督署内などの379か所に設置されています。
プライバシーは厳守されます。一人で悩む前に、1歩前に踏み出す勇気を出すことも必要ですよ。
2-2 バイトでも1日8時間以上働けば残業手当がもらえるって本当?
バイトであっても1日8時間以上働けば、残業手当が支給されます。また雇い主もバイトに残業代を支払う義務が発生します。
残業手当という言葉が一般的ですが、「労働基準法」では割増賃金としてルール付けされています。
このルール付けに、残業は原則1ヶ月45時間、1年で360時間を超えないことがきめられていますので違法とならないようあなた自身でも管理しましょうね。
下記のように残業の割増賃金は2つに分類されます。
- 時間外労働は割増率25%以上(1.25倍)
- 深夜労働は割増率25%以上(1.25倍)
「1日8時間、週40時間」ルール以上働いた場合は残業代が支払われているかチェックしましょう。
以下分かりやすいように時給を¥1,000として残業手当の割増賃金をご説明しますね。
2-2-1 時間外労働は割増率25%以上の計算方法
時間外労働は1日9時間の労働だったとします。この場合1日8時間以上の残業が1時間になりますので、残業代は以下のようになります。
【¥1,000×1時間×割増率25%(1.25倍)=¥1,250】となり、通常の時給より¥250プラスになります。
しかし、バイト時間が「所定労働時間」の4時間だった場合、1時間残業して合計5時間の労働となります。
「所定労働時間」とは休憩時間を除く始業から終業までの時間を指します。そしてバイトと雇い主との間で契約された労働時間のことです。
この場合は「法定労働時間」内ということで1日8時間以上の労働にはならず、割増賃金は発生しないので覚えておきましょうね。
2-2-2 深夜労働は割増率25%以上の計算方法
深夜労働とは、午後10時以降、翌朝午前5時までの間に働くことです。この場合も割増率が25%になります。
さらに、午後10時以降の深夜残業は、深夜労働の割増率25%と時間外労働の割増率25%の合計50%の割増賃金が支払われます。
午後10時以降の残業時間が1時間あったとします。
この場合は【¥1,000×1時間×深夜労働の割増率25%と時間外労働の割増率25%の合計50%(1.5倍)=¥1,500】が残業代として支払われます。
2-2-3 残業代の計算方法を例を使って分かりやすく解説!
では実際の例を用いて1週間の残業代を計算をしてみたいと思います。
- 時給¥1,000
- 所定労働時間は週35時間 (月~金 1日7時間×5日)
- 月~金は1日9時間の労働
- 月曜日のみ午後2時から11時まで労働
- 火~金は正午から午後9時まで労働
<法定内残業の残業代>
【¥1,000×1時間×5日=¥5,000】
<時間外労働(火~金)の残業代>
【¥1,000×1時間×4日×割増率25%(1.25倍)=¥5,000】
<時間外労働と深夜労働(月)の残業代>
【¥1,000×1時間×(時間外労働の割増率25%(1.25倍)+深夜労働の割増率25%(1.25倍))=¥1,500】
<残業代の合計>
【¥5,000+¥5,000+¥1,500=¥11,500】
残業代の計算や割増率を知っていれば働き損もなくなりますね!
2-3 バイトが1日8時間以上でも高校生は働いてもOKって本当?
高校生でも1日8時間以上のバイトはできます。ただし、18歳以上のみになります。
つまり、高校3年生で18歳の誕生日を迎えた人のみ大人と同じように1日8時間以上の労働もOkです。
「労働基準法」で定められているのは、高校生とかだからではなく、年齢で色々な制限を設けています。この場合の年齢とは18歳未満と18歳以上です。
18歳未満の高校生は、原則1日のバイトは8時間、1週間で40時間までと決められているんですね。
1日8時間以上バイトできるのは18歳になった高校生のみです。この場合1日8時間過ぎた分は残業代として支払われますよ。残業代の割増賃金も大人と同じです。
18歳未満の高校生は1日8時間しか働けないからそもそも「残業手当」がないんだね。
休憩時間は18歳未満の高校生も18歳以上の高校生でも大人と同じです。
人手不足だからと1日8時間以上の労働をお願いされたり、稼ぎたいからと過剰にシフトを入れるのは法律違反となってしまうため注意してくださいね。
2-3-1 高校生がバイトできない時間帯は深夜!
「労働基準法」で18歳未満の高校生がバイトできない時間帯を「原則として午後10時~午前5時までの深夜時間帯」と定められています。
つまり、朝5時~午後10時までであれば働くことができますね。
18歳未満の高校生が年齢を誤魔化して働いてもすぐばれますよ。発覚した際はあなたも解雇になるうえ、バイト先にも多大な迷惑をかけてしまいます。
学校生活に支障が出たり、ご両親にも心配をかけてしまいますので深夜バイトをするのは厳禁です!
2-4 バイトが1日8時間以上の掛け持ちは通算労働時間と考える
1つの会社で働いて、1日8時間以上の労働になれば、その8時間を超えた分は残業手当が支給されますよね。
同じように、1日に2社以上の会社やお店で働いて、実働労働が1日8時間を超えたとします。この場合職場が異なる場合であっても労働時間は通算され、残業代が発生します。
例を挙げて通算労働の残業代をご説明しましょう。
オフィス勤務7時間と居酒屋勤務4時間ではそれぞれ残業代は付かないと思われがちです。
ですがこの場合、2社合わせた労働時間が通算になりますので【オフィス勤務7時間+居酒屋勤務3時間=10時間】になります。
そして8時間を超えた2時間分が割増賃金に当たり、【¥1,000×2時間×割増賃金25%(1.25倍)=\2,500】と計算されます。
つまり【¥1,000×10時間=¥10,000】ではなく【(¥1,000×8時)+(¥1,000×2時間×割増賃金25%(1.25倍)=¥10,500】になります。
2-4-2 バイトの掛け持ちで残業代を支払うルールの問題点
バイトの掛け持ちをして1日通算8時間以上働くとその超過した分は残業手当が付きますよね?では誰がその分を払うのでしょうか?
実はこの点における法整備はまだ確立しておらず、不明瞭な点が多いのです。
実際バイトの掛け持ちをして1日通算8時間以上働いたけれど、給与明細には残業手当が付いていませんでした。
それって違法じゃないの?
通算残業手当の一般的な認識は以下の通りです。
- 2番目にバイトを雇った雇用主が超過分の残業代を支払う
- 雇用主同士で話し合いどちらが残業代を負担するかを決める
ですがあくまでも認識でしかありません。バイトの掛け持ちにおける労働時間の管理など、雇い主側の理解や「労働基準法」の解釈が追い付いていないのが現状です。
また判断できるような裁判事例も出ていません。しかも掛け持ちしている本人が告発しなければバレることがありません。
あなたもバイトの掛け持ちや、副業を検討しているなら、必ず雇い主に労働時間の通算や残業代の支払いについて理解しているか確認することをおすすめします。
2-5 バイトを1日8時間以上するとバレる理由は住民税!
バイトを1日8時間以上、週40時間以上働いていると給料は年収100万円を超えてしまいます。すると住民税が課税されますので職場にはバレてしまいます。
私も以前本業のほかにバイトを週3日程度していたことがあります。本業は1日8時間勤務でしたので、バイトした日は1日8時間以上になってますよね。
会社には内緒にしていたのですが、2か月後ぐらいにバレてしまいました。
なぜバレたかは教えてくれなかったのですが、住民税からだったのですね。納得です。
バイトをしている人の中には、複数の会社やお店を掛け持ちしたり、本業のほかに副業としてバイトしている人など様々だと思います。
また、バイトや副業で収入を増やしたい人は少なからずいますよね。
職場にバイトの掛け持ちや副業を申告しないといけないのかな?
職場が掛け持ちOkであれば事前に申告することをおすすめします。
中には「バイト・副業の禁止」している会社がありますが、法律的には禁止ではありません。ただの「社内規定(会社のルール)」です。
この場合はトラブルを避けるためにも事前に相談しましょう。どうせバレてしまいますよ。
ではなぜ住民税からバレてしまうのでしょうか?流れをご説明しましょう。
- 雇い主が従業員に支払った給料を市区役所・町村役場に申告
- 市区役所・町村役場が住民税を計算して雇い主に請求
- 市区役所・町村役場の請求金額をもとに雇い主が給料から天引き
住民税は各市区役所・町村役場によって変わりますが、だいたい年収100万前後になると課税対象になります。そして収入により住民税の金額が変わります。
時給¥800でも、1日8時間以上のバイトを最低3日すれば年収100万ぐらいにはなってしまいますね。
バイトの掛け持ちや副業するということは収入が増えるということですよね。収入が多ければ多いほど支払わなければいけない住民税は高くなりますよ。
本業やメインのバイト先の給料が変わっていないのに住民税の支払いが増えるということは、他にも収入があることを示しています。なのでここでバレちゃうんですよね。
なぜなら住民税の請求は本業やメインの会社だけにいくんだよ!
後からバレると、雇い主としてはあなたのことを好ましくないと思ってしまいますね。なので事前に相談、報告をしておきましょう。
まとめ
- バイトの1日8時間以上の労働は違法にはならず、残業手当が発生する
- バイトの休憩時間は時給の発生はなく、休息時間は時給が発生する
- シフト勤務は休憩時間を考えて効率よく6時間勤務がおすすめ
- バイトも6か月以上の継続勤務と出勤率が8割を超えている場合は有給休暇がもらえる
- バイトで困ったことがあれば無料で予約不要・無料の総合労働相談コーナーに行こう
- バイトでも時間外労働は割増率25%以上、深夜労働は割増率25%以上の残業手当がつく
- 高校生は18歳未満であれば「1日8時間以上、週40時間以上」の労働、「深夜労働」は違法になる
- バイトの掛け持ちは職場が違っても1日の労働時間は通算で計算され、残業代もでるがバイト本人の申告による
- 掛け持ちのバイトや副業をしても住民税の請求で職場にはバレてしまう
バイトとしての働き方は様々ですが、決められた休憩時間を取れば1日8時間以上の労働は違法ではありません。そして残業手当も出ます。
私も1日12時間以上働いたことがありますが、その頃はルールも知らず、ただ日給を稼ぐことしか頭にありませんでした。休憩時間も1時間ないときもありましたので今考えると違法ですね。
あなたもバイトをするときには働く時の条件や待遇をきちんと雇い主に質問することをおすすめします。
事前に知識を仕入れることで働き損のない楽しいバイト生活がおくれますよ!
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