高校は小学・中学校とは違い、義務教育ではありません。そのため、出席日数が足りないと卒業・進級ができず、留年してしまいます。
私の弟は一時期不登校になってしまったことがあります。たった1週間しか休みませんでしたが、「もしこのまま休み続けたら留年してしまうのでは。」とヒヤヒヤしました。
公立高校の出席日数は、「年間の総出席日数から3分の2」であり、最低でも127日~139日は出席しなくてはなりません。
ただし、私立高校の場合は出席日数の割合が異なります。最低出席日数の方が多いため、欠席してもいい日数が少なくなります。
出席日数が足りていなくても、何日かなら補習してもらって留年を回避したり、中退になっても高認資格を得れば大学進学への夢もかないますよ!
公立高校の出席日数は最低でも127~139日
小学校や中学校などの義務教育では、たとえ出席日数が少なかったとしても進級・卒業はできます。しかし高校は義務教育ではないため、成績や出席日数が足りなければ留年してしまいます。
進級・卒業するための最低日数は学校にて異なりますが、多くの公立高校は「年間の総出席日数から3分の2」としています。
年間の総出席日数は、公立高校ならだいたい190〜209日くらいです。そのため、最低出席日数は127〜139日となります。
例えば、総出席日数が200日でしたら、最低出席日数は【200日÷3×2₌133日】で、欠席日数は67日までとなります。
私が高校生の頃は、クラスメイトが最低出席日数をきちんと計算していました。
「あと○日休んでもいいんだ♪」と誇らしげに語っていて、私は遠くから「ちゃんと計算してるんだ、頭いいなぁ。」と感心していました。
また、「遅刻・早退◯回につき欠席1回」とカウントしている高校もあります。
そのため、「朝は出席できたから、授業は出なくていいや~。」と何度も早退していると、いつの間にか出席日数が減ってしまいます。
最低出席日数の割合や総授業日数は高校によって異なるため、生徒手帳をめくって探してみましょう。
私立の場合は割合が厳しくなる
私立高校だと、また話が少し変わります。最低出席日数の割合が「~4分の3」「~5分の4」のように、少し厳しくなります。
そして、場合によっては土曜日に授業がある高校もあるため、総授業日数も増えてきます。
例えば、土曜日に授業があるとして総授業日数が230日、最低出席日数の割合が「5分の4」だとします。
すると、最低出席日数は【230日÷5×4₌184日】となり、46日しか休めなくなるのです。
高校3年生の場合は総授業日数が少なくなる
高校3年の総授業日数は、高校1・2年の総授業日数よりも少ないです。
なぜなら、卒業式の1か月前でもある2月は自由登校となり、授業がなくなるからです。そのため、高校1・2年のころよりも総授業日数が20日分くらい減ります。
例えば、2年のころは総授業日数が200日だったとしましょう。しかし高3だと2月分の授業がまるっとなくなるため、だいたい20日分くらい減って180日くらいになります。
すると、最低出席日数は【180日÷3×2₌120日】となります。そして欠席できるのは60日までとなり、2年のころよりも7日減ります。
「去年は67日休んでギリギリだったから、3年生でも同じくらい休んじゃお♪」と過信してしまうと卒業できなくなり、もう一度3年生をやり直しになってしまいます。
休校があると総授業日数も短くなる
クラス内または学校内でインフルエンザが流行るなど、病欠する人が増えると「学級閉鎖」「学年閉鎖」などで授業はお休みになりますね。
また、全国的に流行り病が起きると、全国一斉に自粛要請が出ることもあります。
この場合は当然授業ができなくなるため、総授業日数も減ります。数日なら大して変わりませんが、休校が長引くと最低出席日数にもかかわってきます。
例えば、総授業日数が200日だったのに10日休校したとします。すると総授業日数も190日に減ります。
その場合、最低出席日数も【190日÷3×2₌127日】と変動します。欠席日数は63日までとなり、休校前と比べると4日分減るのです。
必修科目の授業がある日ばかり休むと留年になる!?
高校で留年するかどうかは、「最低出席日数」「成績」のほかにも、「欠課時数」も関わってきます。「欠課時数」とは、各科目の授業を欠席しているかどうかを加味します。
先ほど私は、「最低出席日数₌総出席日数の3分の2」とお話ししましたよね。
「欠課時数」も同様に、各科目の総授業時間から3分の2ほどの授業を受けていなければ、単位を落とし、留年となります。
授業はほとんど「必修科目」となっています。英語などの主要5教科でしたら授業が週に数回あるため、1学期に欠席が重なっても2学期以降に休まなければ単位を取るチャンスはあります。
ただし、「家庭科」「情報」など、週1回のみの授業も必須科目です。
もし家庭科がある木曜日をよく休んでいると、たとえ最低出席日数を確保して他の単位は取れているのに、家庭科のみ「単位不足」となり、留年してしまいます。
また、「商業高校」「工業高校」「農業高校」または「総合学科」のような専門学科の高校に通っていれば、普通科よりも専門的な科目が多くなります。これらも、ひとつでも落とすと留年です。
たとえたまたまだとしても、特定の曜日を欠席していると先生から「このままだと進級できないよ」と呼び出しを受けてしまいます。
高校の出席日数が足りないなら補習してもらう
出席日数が足りない理由はサボりや不登校のみならず、病気や長期入院など人それぞれです。しかし、先生や高校側も、留年者を出さないために補習してくれます。
補習は、中間試験や期末試験が赤点になってしまった授業とテストを再度行います。出席日数が足りない場合でも、先生が再度授業をしてくれます。
しかし、補修をするかどうかは学校側が決めるため、必ずしも行ってくれるわけではありません。
夏休みや冬休みの補習は、ドラマのワンシーンで出てきたことがありますね。
出席日数が数時間くらい足りないくらいでしたら、先生が特別授業をしてくれるかもしれません。
不登校なら教育支援センターを利用してみる
不登校でなかなか学校へ行けないなら「教育支援センター」を活用してみましょう。
教育支援センターでは、いじめや不登校、引きこもりなどに直面している児童・生徒の悩みを解決するための相談や支援を行っています。
生徒が通っている学校と連携しているので、センターへの出席が在籍校の出席と扱われることがあります。
例えば不登校ですでに1カ月以上休んでおり、今後も学校へ通う目途が立たないのでしたら、学期末でなくても最低出席日数をクリアできないと予想できますね。
もしこのまま学校へ行くのが難しければ、代わりに教育支援センターへ通い、在籍校の出席と同じ扱いにしてもらうのです。
ずっと学校へ行けず、そのままズルズルと留年してしまうよりは、出席日数は少しでも稼げます。
教育支援センターがある地域は限られていることと、地域によっては出席と認めにくいところもあります。最寄りの教育支援センターへ問い合わせてみましょう。
通信制高校へ転入という方法もある
出席日数が足りない場合は先生から通達されますが、もし学期末までに出席日数がどうしても確保できなければ、あえなく留年となってしまいます。
ただし、もし留年をどうしても避けるのでしたら通信制高校へ編入しましょう!
全日制高校から通信制高校へ編入した場合、在籍中に履修した単位がそのまま引き継げます。
通信制高校には「学年」や「留年」の概念がありません。高校在籍中に74単位を取れば、最低3年で卒業できます。
例えば、全日制高校で3年生のときに出席日数が足りず卒業できなかった場合、4年目に通信制高校へ編入するとします。
通信制高校で決められた日程のスクーリングに通ったり、全日制高校で落としてしまった単位を取ったりすれば、編入した年度で卒業できますよ。
また、通信制高校ではスクーリング(登校日)が決められています。一般的には週1日ですが、一番少ないところではたった年4日しかなく、3泊4日のお泊り登校もありますよ。
また入学試験も書類選考や作文、面接が一般的です。そのため、国語や数学といった学力を問うようなものがないので、比較的簡単に入学できます!
全日制高校の授業スピードについていけず不登校になってしまったあなたでも、編入しやすいですよ。
高卒認定を取れば大学受験もできる!
留年もできず、通信制高校への編入も難しいのでしたら、高校を中退するしかありません。
ただし、高校を中退してしまっても大学進学ができないわけではありません。
高卒認定(高認)を取得すれば高卒の人と同等以上の学力があると認められるため、満18歳になったとき大学受験も受けられますし、「高卒以上」の求人に応募もできます。
ちなみに、高校2年以上で中退してしまった場合は、高校1年の時にしっかり通って単位をほとんど取得できていれば、ほとんどの科目が免除になります。
出願時には、在籍した高校に「単位修得証明書」を出してもらいましょう。ただし、全科目が免除対象だとしても1科目は必ず受験しなければなりません。
ちなみに、試験は毎年8月と11月に実施されます。一度でも合格した科目は次回以降の試験で免除されるため、落としてしまった科目をおさらいして何度も挑戦できます。
また、「英語検定(英検)」「数学検定(数研)」など、教科に関わる高度な技能検定や能力検定を持っていれば、その試験科目が免除されます。各検定の合格証明書を取り寄せて出願しましょう。
高校の出席日数によっては診断書も必要?
病気やケガなどの長期入院により欠席した場合も、普通の欠席と同じ扱いです。
ケガは治って復帰できればいいのですが、病気はすぐに治るとは限りません。回復のめどが立たなければ進級も怪しくなってきますよね。
もし今の段階で出席日数が足りないのでしたら、診断書を提出すれば先生たちも大目に見てくれるかもしれません。
高校の先生たちは、学年末が近づいてくると「進級会議」を行います。
ここでは、出席日数が足りない、または単位や成績が取れていない生徒たちを卒業・進級させるかどうかを話し合います。
そして病院が発行する診断書には、「病気の症状」「治療内容」「回復の見通し」などが書かれています。そして『出席できない正当な理由』を証明づけるものでもあります。
例えば長期入院をしていれば学校にも通えませんし、入退院を繰り返していると出席日数も減りますよね。
つまり、病院の診断書は、「どんな病気なのか」「高校へ出席が難しいこと」を理解してもらうためのツールなのです。
ただし、すべての病気が「診断書があるから大目に見てくれる」というわけではありません。
近年増えている「自律神経失調症」「うつ病」をはじめとした心の病気は、特に判別が難しいです。
本人がどれだけつらくても、診断書が出ていても、理解がない人にとっては「甘えてる」「ただのサボり」と見えてしまいやすいのです。
そのため、『心の病気=正当な理由』と結び付けられない人もいます。
また、特別支援クラスに通っていたり、特別支援学校への編入を考えている場合は「病気療養児」と認識してもらいやすいです。そのため、学校側からも大目に見てもらえる可能性は高いです。
まとめ
- 各校の規則にもよるが、公立高校の最低出席日数は127~139日くらい
- 私立高校の場合は、最低出席日数の割合が多いため、休みにくくなる
- 高校3年生の場合は、翌年2月は自由登校となるため総授業日数が少ない
- 学級閉鎖などで休校があると、総授業日数も減り最低出席日数も変わってくる
- 「最低出席日数」や「成績」だけでなく「欠課時数」も落とすと留年になるため、全科目の授業時間は3分の2以上を受けるべき
- 出席日数が足りないなら、先生から補習を受ける
- 不登校で高校へ通えないなら、教育支援センターに通うと出席日数としてカウントしてもらえるかも
- 留年をどうしても回避したいなら、通信制高校へ編入するのもアリ
- あえなく中退してしまっても、その後大学へ進学したいなら高卒認定を取るといい
- 長期入院や入退院の繰り返しで、出席できない正当な理由がある場合は、診断書を提出すれば進級会議で話し合ってくれるかもしれない
卒業・進級するには、最低出席日数だけでなく欠課時数も関わってくるのですね。科目の先生から呼び出されたら、今後休まないようにしなくてはなりません。
また、長期入院などで高校へ通えず最低出席日数を下回ってしまう人にも、朗報ですね。
欠席を繰り返して、留年となり1年を無駄にしないためにも、「出席日数がヤバい!」と思ったら早めに手を打ちましょう。
もし、あなたがバイトをしていて学校に行けていないのなら一旦バイトの日時を減らしてもらうのもいいかもしれません。
高校生の本業は、本来なら「勉強」です。もし年齢を偽って22時以降も働いていて高校へ行けないのなら、自分にもバイト先にも迷惑がかかるので改めましょう。
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