先日姪っ子と遊んでいたとき、壁のコンセントを指さして「ここ、どうして何か書いてあるの?」と聞かれました。
よく見ると、左側に「N」とだけ書いてあります。それまで私はまったく気にも留めなかったので、「なんだろうね?」と2人で考え込んでしまいました。
姪っ子が帰った後も気になったので調べてみると、「N」と書いてあるコンセント穴は接地していることがわかりました!
感電防止のために接地していること、「N」はどんなときに気にすればいいのかも分かってきたので、解説していきます。
コンセントを正しい向きで差せば、電磁波や感電リスクが減り、オーディオ機器などは細かいノイズを軽減もできますよ♪
コンセントのNは電気を地面に流す役割がある!
コンセントの穴はだいたい2つですが、ひとつは電柱の送電線とつなげて電気を送る役割を、もうひとつは地面と配線をつなげて流れてきた電気を地面に逃がす役割をしています。
地面と配線をつなげることを、「接地」といいます。この「N」と書かれている左側の穴は、後者の地面とつながっている方です。
このように、コンセントの片方を接地しておくと、万が一感電してしまったときに素早く電気を地面に逃がします。すると、人体への感電ダメージを最小限に抑えられるのです。
どちらが接地されているか区別がつきやすいよう、JIS規格に義務付けられています。
そのため、コンセント穴付近には「ニュートラル(neutral)」の頭文字を取って「N」と表記されています。これは、「中立」「相対するどちらにも属さない」などの意味を持っています。
また、コンセントやプラグには「W」と書かれている場合もあります。これは「WHITE(白)」の頭文字で、コンセント内部の白い線を指したものです。
このほかにも、N側は「マイナス」「コールド」「GND」など呼ばれます。
N側は電気が流れていく側で「通り道」でもあるため、電圧は0Vです。穴の大きさは9mmで、右と比べると少し細長いです。
コンセントのNとLの役割は?違いは?
コンセントの左側は接地側の「N」ですが、右側の非接地側は「ライブ(live)」の頭文字を取って「L」と呼びます。これは「電圧が生きる・生きている」という意味でもあります。
他には「プラス」「ホット」「非接地側」と呼ばれます。
L側は電圧が100vで流れていて、N側とL側の間に流れる電圧(電気エネルギー)は「AC100v(変動あり)」です。穴の大きさは7mmです。
スイッチング電源はNとLを正しく差して直流へ変換する
コンセントの穴ってどっちも同じだと思っていたよ!
じゃあこれからは向きを正しく差さないといけないの?
ほとんどの電化製品は、「N」「L」の向きがあっていなくても使えます。ただし、「スイッチング電源」のように「N」「L」の配線を指定されている機器は、正しく差しましょう。
「スイッチング電源」とは簡単に言うと、「直流電流(DC)」に対応している電化製品を複数使うとき、電気の流れを「交流電流(AC)」から「直流電流(DC)」へまとめて変換する電源装置です。
簡単に説明すると、「交流(AC)」は電流と電圧の向きや大きさが周期的に変化するのに対し、「直流(DC)」は電気の流れる向きが決まっています。
発電所から流れてくる電気は「交流」で、ほとんどの電化製品は交流に対応しています。
ただし、直流に対応している車のバッテリー、パソコンやスマホ、演奏時に使うエフェクターなどは、「ACアダプター」などを使って電気の流れを「交流」から「直流」へ変換して使います。
ノートパソコンにも、充電コンセントに黒い「ACアダプター」がついていますね。
ただし、電子機器をたくさん使う会社、お店、またはギターなどを演奏するときにACアダプターをたくさん使うと、コードがたくさん絡まりますね。私なら足に引っかけそうです(汗)
ここで、スイッチング電源の出番です!コンセントとスイッチング電源の「N」と「L」同士をつなげれば交流が直流に変換できます。
そのため、自宅にパソコンをたくさん設置しているプログラマーやエンジニア、ギターやベースなどの演奏家によく使われています。
もしNとLが入れ替わると、電気の流れ方が「直流」に変換できていないため、もちろんこれらの電子機器は使えません。
それだけではありません。万が一漏電したときは「L」側に内蔵されているヒューズが切れて感電を防ぐのですが、向きが入れ替わっていると電気が上手く遮断されません。
普段あまり気にしていなかったコンセントの向きひとつですが、電子機器をたくさん使う人たちにとってはありがたいマークなのですね。私も、またひとつ賢くなれました(笑)
他の電化製品も正しく差せばノイズ軽減できる
ほとんどの電化製品は、コンセントの向きを気にしなくても使えます。ただし、ノイズや電化製品の寿命を気にするならN側とL側は正しく差した方がいいですね。
音が出る電子機器は、N側とL側を正しく差すことで他の人が聞こえないような細かいノイズを軽減できます。
また、N側とL側を逆にしたままだと、小さな電気が逆方向から流れ続けることになります。
微々たるものですが、使い続けるとコンセントや電化製品の小さな異変が徐々に大きな異変になってきます。
電気代がちょっとだけかさんだり、電化製品の寿命が短くなったりします。
また、電子機器から発される「電磁波」は、人体に睡眠障害や頭痛、倦怠感、肩こりなどの症状を与えます。コンセントのNとLを正しく差すことで、この電磁波を抑えられるのです。
見分けがつかなければ検電ドライバー
家屋や建物を設計するとき、電気工事士は壁のコンセント穴を左側だけ9mmにしてくれています。ただし、まれに業者さんが間違えて取り付けてしまい、NとLが入れ替わっているケースもあります。
そして、先ほど私は「家庭用の電気は交流で、NやLを気にせずどちらに差しても使える」とお話ししました。
取り付けるコンセントの向きほとんどの人が気にしていないため、近年の電源タップはどちらも7mmになっています。なかには何も書いていない電源タップもあります。
見分けがつかずどっちがNなのかを知りたい場合は、検電ドライバーを使いましょう。
検電ドライバーの細い方を電気が流れている右側(L側)に差して、ランプが付けば正常です。N側は0vのためランプはつきません。
ランプがついているとき、検電ドライバーを持っている人の身体にも電気は流れていますが、微弱な電流なので感電の心配はありません。
もしコンセント穴の左側だとランプがつき、右側でランプがつかなければ、コンセント内部の配線が入れ替わっています。
そのときは、電気工事士の業者さんにお願いして戻してもらいましょう。きちんと正しい位置に直してもらえば、感電の恐れもなく安全に電気を使えます。
コンセントプラグのN部分が刺さらないときは?
せっかくスマートコンセントを買ったのに、片方のプラグが長くて使いたい電源タップには刺さらないよ~。
近年では海外製の便利な電化製品がたくさん出回っていますよね。
なかでも、本体内部にWi-Fiが内蔵されていて家電やスマホなどを遠隔操作できる「スマートコンセント」を使う家庭も増えてきました。
このような電化製品は、「N極対応のコンセントに差す」よう指示されています。壁側のコンセントに差すなら問題ないですが、左右同じ長さの電源タップなら刺さらないですよね。
一番おすすめなのは、「極性対応」の電源タップや延長コードです。店頭やネットで購入する場合は、左側が少し長めかどうかをよく見て購入しましょう。
またN側など気にせず使いたいなら、プラグを左右同じ長さに付け替えることも可能です。
電気工事士の資格がなくても、刺さらないプラグを交換できます。電気配線に慣れていればチャレンジできますね。
個人的には、差したい場所に電源タップをつけるのがおすすめです。プラグを付け替える勇気は私にはないので(笑)
家電量販店でも販売されていますし、amazonや楽天でも販売しています。こちらは延長コードですが、長すぎないのでひっかかる恐れもないですよ。
まとめ
- コンセントのNは接地されている方で、電磁を地面に逃がす役割をしている
- Nは「ニュートラル」の意味で、電気が通っていないため電圧も0Vである
- Nの反対側はL「ライブ」で、100Vくらいの電圧がある
- コンセントの穴は、左側のNが縦穴9mm、右側のLが縦穴7mmである
- コンセントに「スイッチング電源」を使用する場合は、必ず「N」と「L」の向きを合わせる
- 通常の電化製品は発電所から流れるのと同様に「交流電流」なため、コンセントの向きが違っていても問題なく使える
- ただし、オーディオ機器のような音が出る機器は、NとLをそろえると細かいノイズを軽減できる
- 検電ドライバーは、細くなった方をコンセントの穴に差し込むだけでNとLが正しい位置にあるかを確認できる
- コンセントプラグが電源タップなどに刺さらない場合、N側が少し長い「極性対応」の電源タップや電源コードを取り付けたほうがいい
コンセントを正しい向きで差すことで、電磁波や感電リスクを減らすことができます。
そして電子機器が持っている性能を最大限発揮させることもできるため、オーディオ機器やテレビの音もよくなりますよ。
そして、コンセントの穴が時々三つ穴になっていることもありますよね。これにも意味がちゃんとあるのです!
それに関する記事も、一緒に紹介しておきますね♪
コンセントの三つ穴には意味がある!アースをつなげて安全に使おう!
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