革ジャン・レザージャケットは、長年着続けることで味わいが出て、シワやツヤの具合がなんとも魅力的になっていきます。
しかし、革製品はとてもデリケートです。汗や匂いが残ったままだと次に着たとき臭く感じますし、水分や湿気が残ったまま保管するとカビ臭くもなります。
革ジャンに匂いが残ったら、重曹を使った取り方があります。また、陰干し、新聞紙を使った匂いの取り方も効果的です。
しかし、新品の革ジャンでしたら長い日数をかけて匂いを軽減させていくしかありません。
今回は、匂いの取り方だけでなく、匂いの付き方、なめし剤についても解説していきます。
革ジャンについた匂いの取り方を大公開!
革ジャンの表面についた匂いで主な原因は、湿気によるカビ、たばこや香水などです。
布製品は繊維からできているため匂いが内部に染み付きますが、革製品に匂いが付く場合は、内部ではなく表面に匂いの元となる粒子がまとわりついていることが多いです。
そのため、革ジャンの表面についた匂いの元となる「粒子」を取り除いていきましょう!
カビ・外部からの匂い・裏地の匂いに一番おすすめするのは重曹です。粉のまま使う方法と、スプレーの方法と2パターン紹介します。
まずは、革ジャン表面に染み付いたカビ・外部からの匂いに最適な取り方を紹介します。
小さめの布袋がなければ、ハンカチにくるむ、または靴下に入れてもOKです。しっかり匂いを取りたければ、布袋を増やして革ジャンの内側に入れてもいいですね。
2~3日くらいで一度様子をみて、変化がなければ重曹の量を増やしてみましょう。
私も、いつも使っているお気に入りのレザーバッグがあるので、もし匂いが付いた時はやってみようと思います。
裏地についた匂いなら重曹スプレーで!
革ジャンは、裏地に別の素材が使用されています。革ジャンの匂いには、表面だけでなく裏地の布部分が匂うパターンもあります。
温かい日にTシャツの上から革ジャンを羽織っていると、汗が染みついて匂いに変わり、染みついてしまうのです。
このように裏地の布へ染みついた匂いは、重曹スプレーを使った取り方が効果的です。
一度のスプレーでたくさん吹き付けてビシャビシャにするのではなく、2と3の工程を数回繰り返します。
あまりビシャビシャになるほどスプレーしすぎると革が水分を吸いすぎてしまいますが、軽く吹き付けたくらいなら1時間程度で乾きます。
数回に分けて軽くスプレーすれば、革へのダメージが最小限に抑えられるのです。
革ジャンではないのですが、私もこの重曹水に助けられたことがあります。
バスケ部に入った息子の靴下が臭すぎて、手洗いしても匂いが取れず、最後の手段と思いつつ重曹水に浸けたことがあります。
30分くらい浸けてからもう一度洗うと匂いがすっきり取れて、私の鼻と心もすっきりしました(笑)
革ジャンの場合は革が傷むためつけ置きは難しいですが、水分がしみこまない程度にスプレーすれば消臭できますよ♪
陰干しをすると紫外線効果も得られる!
匂いを取るなら、「陰干し」も効果的です。日光が直接あたらず風通しがいい場所で、匂いが気にならなくなるまで干します。
紫外線を当てすぎると革が色あせてしまいますが、ほんのり当てることでカビ予防や消臭が望めます。
ただし、陰干しだけで匂いを取ろうとするなら数日~1週間はかかります。これは重曹の時と変わらないですね。
重曹で匂いをしっかり取った後で陰干しをすると、匂いだけでなく湿気やカビ予防もできますね。
また、日光の紫外線効果を得るための方法なので、曇りや雨の日には向きません。
週間天気予報などをチェックして、天気がいい期間を狙って行いましょう。
新聞紙は匂いと湿気をダブルで取ってくれる!
新聞紙は、空気中の水分や湿気を吸い取る性質を持っており、一緒に匂いも吸着してくれます。まさに一石二鳥のアイテムですね!
ビニール袋がなければ、箱に新聞紙を敷き詰めて入れてもいいですよ。
数日たっても匂いが取れなければ、新聞紙を交換してさらに2~3日保管してみましょう。
へえ、新聞紙に匂いを吸い取る力があるの?
インク内に含まれるタールなどの物質が空気を引き寄せ、キメの粗い新聞紙の紙が空気中から水分を吸収していきます。
このとき湿気にまとわりついているイヤな匂いも一緒にキャッチしてくれるのです。インクと紙のチームワークは意外にも強力なのですね!
また、汗も水分のひとつです。汗をかいた後の革ジャンも、新聞紙に包んで保管しておくと、汗の水分と匂いを吸収してくれますよ。
ただし、すでに染みついた匂いを取りたい場合は、革ジャンと新聞紙は乾いた状態で行いましょう。
湿気のある状態で数日間も密閉していると、カビが発生することがあります。
その日についた匂いは乾拭きするだけでOK!
もし焼肉を食べてきた後や、夏のツーリングを終えた後など、帰宅後に革ジャンに焼肉や汗の匂いが染みついている気がしたら、その日のうちにメンテナンスしておきましょう。
帰宅後すぐ匂いを取りたいのでしたら、乾拭きや乾燥させるだけで匂いを軽減できますよ。革ジャンの表側と裏地側でメンテナンス方法を解説します。
たった1日では匂いがまだこびりついてはいないため、乾拭きで簡単に匂いが取り除けますよ。
よく衣類や空間の匂い対策で、消臭スプレーを使いますよね。裏地に布が使われていれば、消臭スプレーを吹きかけても大丈夫です。
ただし、表側に吹きかけたり、裏地側から革部分に消臭スプレーがしみ込んでしまうと、革部分にダメージがかかります。
本来、消臭スプレーは布などの繊維製品用に作られています。
そのため、革製品に使用すると革の表面に薬品が残り、それが色落ちや変色の原因になってしまうのです。
それに、もとの匂いと消臭スプレーの匂いが混ざって、よけいに悪臭が倍増・・・なんてこともあり得ます。まさに負の相乗効果・・・私なら絶対に嫌ですね。
ちなみに私は洗剤・柔軟剤などの匂いが苦手なので、布製品にも消臭スプレーは使ったことがないです(汗)
革ジャンの裏地が布でしたら使用してもかまいませんが、表側の革部分にまで染みない程度に吹き付けましょう。
匂い対策は水分や湿気を寄せ付けないこと!
革製品にとって、湿気は大敵です。湿気がこもったり、濡れたまま保管したりぬれたまま放置すると、変色やカビが発生してしまいます。
カビを発生させないためには、水分や湿気から革ジャンを守りましょう。
濡れたらなるべく早くしっかりと乾かし、使った後は風通しの良い場所で陰干しをします。
シーズンオフにクローゼットへしまう時は、湿気対策もしておきましょう。市販の衣類用乾燥剤や炭も一緒に入れておくと、革ジャンや他の衣類ケアにもなりますよ♪
さらに、濡れないよう専用の防水スプレーをかけるのも有効です。雨の日や梅雨時期には、お出かけの30分~1時間ほど前に吹きかけると良いですね。
ただし、レザークリーム・レザークリーナーを使っているならある程度の湿気対策はできるため、防水スプレーは不要です。
防水スプレーは革製品の表面にバリアを作るため、そのあとのレザークリーム・レザークリーナーが浸透しにくくなるのです。
それから、革の種類によっては防水スプレーが使えない場合もあります。
使用する前に商品の表示をよく読み、心配な場合は目立たない場所に少しつけて、色が変わらないことを確かめてから使いましょう。
お気に入りの品や、大切な品を長く使うためには、日ごろからのケアが大事ですね。
古着についた匂い取りにはクリーニングもおすすめ
古着の匂い取りを試したけど匂いがなくならない場合は、プロのクリーニング業者に依頼しましょう。
家の近くにあるクリーニング屋さんが古着や革製品も取り扱っていれば良いのですが、取り扱っていない場合は宅配クリーニングがおすすめです。
革製品も取り扱っている宅配クリーニング業者は、「リネット」「リナビス」「ワードローブトリートメント」などがあります。価格と受け取りまでの期間をまとめました。
業者名 | 価格 | 受取期間 |
リネット | レザージャケット 8,800円~ | 3週間~ |
リナビス | 皮革衣類コース 16,000円~ | 1カ月程度 |
ワードローブ トリートメント | レザージャケット 13,600円~ | 2~3週間 |
リネットは、補修サービスなどのオプションがない代わりに、比較的リーズナブルな料金です。再仕上げサービスや、初回割引サービスもあるので、他の衣類と一緒に依頼できます。
リナビスの「皮革衣類コース」は、洗浄から仕上げまで、全ての工程を熟練の職人による手作業で行っています。無料のオンライン相談では、注文前に匂い取りの相談もできます。
ワードローブトリートメントは、預かった衣類を細かく点検し、一着ごとに最も適した洗い方でクリーニングする「一客オーダーメイドクリーニング」を行っています。
プロに頼めば、縮んだり型崩れしたりすることなく洗ってもらえるね。
1点物の革ジャンでも安心して頼めるよ!
私は冬物をまとめて宅配クリーニングに出しているのですが、次のシーズンまで保管してくれるサービスもあって、とても便利で助かっています。
宅配なら、自宅にいながらクリーニングを利用できるので、かさばる衣類を持ち運ぶ手間が省けますよ。
自分で洗濯するなら専用洗剤を使う
クリーニング業者に出しているとシーズンまで間に合わない場合は、「レザーウォッシュ」や「革るん」など、革製品専用の洗剤を使って自分で洗濯もできますよ。
革製品専用洗剤は他の洗剤と比べると安くはありませんが、クリーニングに出すよりは安価で済みます。
高価な品や大切な品を自分で洗うのは、ちょっと勇気がいりますね。
「最終手段」「自己責任」とはなりますが、洗剤の説明書きにしたがって正しく洗えば、ガンコな匂いもしっかり取れますよ。
新品な革ジャンの匂いはすぐに取れない
革ジャンを含め、革製品を購入したばかりで新品の状態だと、独特な匂いがします。
店員さんが「新しいものをお出ししますね」と販売してくれた場合や、ネット注文をした場合は商品の匂いが確認できないため、家で開封すると匂いにビックリしてしまいますね。
たしかに使い始める時には気になりますし、1日で匂いは取れにくいです。しかし、数週間~数か月かけて使っていくたびに、匂いが軽減されて気にならなくなります。
1日でも早く匂いを軽減させたいなら、天気がいい日に陰干し、レザークリームやレザークリーナーでお手入れをして、エイジング(経年劣化)を加速させましょう。
革製品専用のクリームやクリーナーは乾燥やひび割れを防ぐためのお手入れ品ですが、匂いを緩和させる効果も期待できます。
専用ブラシで表面のホコリを取って、柔らかい布にクリームやクリーナーを付けて、塗っていきます。
革の種類によっては使えないこともありますので、必ず確認して購入しましょう。
革製品は匂いだけでなく、ひび割れも気になりますよね。
こちらのレザークリームは、革の表面が乾燥して起こるひび割れが防げて、防カビ効果も期待できます。
表面を保護することで、柔らかく着心地の良い革を保つことができますよ。
鼻にツンとくる匂いはクロムなめし剤かも
これは、革製品を加工するにあたって使用する「なめし剤」の匂いで、「クロム」「タンニン」の2種類があります。
鼻につくようなにおいだったら、「クロムなめし」の場合が多いです。
クロムは金属成分の一種で、この金属自体はさびにくいため、メッキ加工などにも使われています。
革製品に使うときは、クロムや他の化学薬品を混ぜて「なめし剤」を作り、加工していきます。
クロムのなめし剤を使うと一度に大量の革を加工・量産があできるため、コストや時間を短縮して1枚あたりの価格も抑えられます。
そのため、革製品のなめし加工では「クロム」が主流となっているのです。
クロムは工業製品に使われるから、ちょっと独特な匂いなのかな。
じゃあタンニンはどんな成分?
もう1つの成分「タンニン」は植物から採れるポリフェノール化合物の一種で、どちらかというと革製品の匂いもやわらかいです。
タンニンとは、植物の種が動物や虫、気候や水質から身を守るための成分でもあり、身近なものだとお茶や柿、ワイン、コーヒーなどに含まれています。
このタンニンを抽出して動物の革を浸すことで、脂肪や不純物を取り除き、革を加工しやすくなるのです。
クロムのときほど大量加工はできないのですが、天然の成分を使った環境にやさしい加工でもあります。
ちなみに、なめし剤の匂いが残っているということは、逆に言えば「加工されて間もない」「加工後、大切に保管されていた」という『新品』な証拠でもあります。
匂いが少しづつ取れていけば、革ジャンを自分の体形になじませていき、エイジングの風合いを楽しめますよ。
まとめ
- 革ジャンに汗や外部から匂いが付いたら、重曹を入れた布袋と一緒にビニール袋で密閉し、1週間くらい保管する
- 天気がいい日に陰干しして、紫外線を適度に当てるのも匂い取りに効果的である
- 新聞紙に包みビニール袋で密閉すると、匂いだけでなく湿気も吸い取ってくれる
- 汗や臭いがその日についたのなら、乾拭きや水拭きだけでもOK
- 匂いが付かないように対策するなら、革ジャンを水や湿気からしっかり守ること
- 革ジャンをクリーニングに出すなら、革製品を扱っている専門業者がいい
- 革製品専用の洗剤を使えば、家庭の洗濯機でも洗える
- 新品の革ジャン特有の匂いは1日だけでは取れないため、数日~数週間かけて使用していく
- 1日でも早く匂いを軽減させたいなら、早くエイジングさせるしかない
- 革ジャンの鼻につく匂いは、なめし剤の「クロムなめし」であることが多い
革ジャンそのものが臭いと「臭いが革にしみ込んだ?」と思ってしまいますが、実際は革の表面に匂いの粒子がこびりついただけだったのですね。
重曹は匂い取りの定番ですが、革ジャンの革にダメージを与えにくい万能アイテムでもあったのですね!
使えば使うほど味わいの出る革製品は、長く愛用したいアイテムですよね。
レザークリームで表面を保護すれば、匂いや小さな傷がつきにくくなって、カビの発生も防げます。
こまめなケアで、大切な品を匂いや傷から守りましょう♪
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