小学校に入学するなら、ランドセルを買うのは当たり前だと思っていたけど、ランドセルを使わない地域があるって聞いたわ…!
小学校入学前、ご両親や祖父母からランドセルをプレゼントされましたよね。
私も赤いランドセルを祖母に買ってもらい「ピカピカの一年生」だった時期があり、懐かしく感じます。
実は皆さん使ったであろうランドセルですが、使わないといけない義務は特にありません。
そんな中、地元の小学生がランドセルを使わない代わりに、他の通学カバンを使用している地域があるんです!
例えば、鳥取県西部の小学生は「ランドナップ」という、ランドセルよりも安くて軽い通学カバンを使用しています。
低価格で、使い勝手の良い通学カバンだと、家計の負担を軽くできますし、小学生も荷物を楽に背負えますね!
ただし、どちらにしてもリュック型であることに変わりはありません。リュックって、つい床にポーンと置いちゃうから雑に扱ってしまいがちなんですよね。
そんなあなたのお子様には、リュック用のハンガーがおすすめです。あなたのリュックもかけられるので、親子で使えます。
ランドセルを使わない地域は全国各地に存在する!
ランドセルを使わない地域には、独自のデザインや機能性を持った通学カバンがあります。
ランドセルを使わない地域と、使用している通学カバンを、以下にまとめてみました。
- 鳥取県西部:「ランドナップ」
- 京都府一部地域:「ランリック(ランリュック)」
- 北海道小樽市:「ナップランド」
- 島根県出雲市:「ランバッグ」
意外とランドセルを使わないという地域が、全国に点在していて驚きました!
ランドセルといえば、3万円以上の高価なものが多く、家計の大きな負担になりますし、重量も小さな子供にとっては大変な重さです。
しかし、これらの通学カバンは、デザインなどは違うものの「安価であること」「重量が軽い」という共通点があります。
価格は1万円以下のものが多く、重量はランドセルの重さが約1~1.5kgに対し、上記の通学カバンの重さは約700~800gです。
通学カバンがランドセルよりも安い値段で買えると、入学前の家計負担が軽くなりますし、浮いたお金で服や文房具などが揃えられますね!
また、ランドセルよりも軽く、楽に背負えるので、体の負担や姿勢悪化が軽減できます。
経済的・身体的に優しい通学用のカバンが、地域で愛されているんですね!
鳥取県西部(米子市や境港市)の「ランドナップ」
鳥取県西部地域の小学生は「ランドナップ」と呼ばれる通学カバンを使用しています。
米子市や境港市にあるほとんどの小学校で使われ、地域の小学生に愛用されています。
ランドナップは「ランドセル」と「ナップサック」を掛け合わせたものとして、学用品を扱う「エビスヤ」によって1960年代に誕生しました。
商品の情報を以下にまとめました。
- 色展開…赤色・紺色・黄色
- 重さ…800g
- 価格…黄色:4,700円、赤・紺色:4,800円
ランドナップの誕生背景としては、市場に高価なランドセルが出回ったことが挙げられます。
そこで、米子市が「経済的にランドセルが買えない家庭でも買える通学カバンを」とエビスヤに依頼し、改良を重ね、ランドナップが誕生しました。
経済状況に関わらず、お友達と一緒のカバンを使えることは嬉しいですよね!
また、「もう少し大きいサイズのランドナップがほしい」という声から、ランドナップより大きい「ナップランラン」も現在発売されています。
ナップランランはA4サイズ対応でたっぷり収納が出来るので、人気があるそうですよ。
京都府の一部地域では「ランリック」
京都府の南丹地域や山城地域では「ランリック」という通学カバンが使用されています。
京都府以外でも滋賀県や大阪、福岡県や埼玉県の各一部地域でも使用されているそうですよ。
「ランドセル」と「リュックサック」二つの機能性を持った商品として、1968年(昭和43年)、学生用品販売会社の「マルヤス」(京都府向日市)によって誕生しました。
- 色展開…黄色・赤色・紺色
- 重さ…約700g
- 価格…10,000円前後
「健康と安全」をコンセプトに、子どもを交通事故から守りたいという願いから、道路標識をモチーフにした黄色いデザインになっています。
色は黄色だけではなく、赤色や紺色もあります。
ランリック誕生のきっかけは、当時の京都府長岡京市にある小学校の校長先生に、保護者からの相談があったことです。
ランドセルを買うお金がなく、子どもに豚皮のランドセルを買ったら「お前のランドセルは豚だといじめられる」と子どもが言うんです。
それは良くない!
私から学生用品を扱う会社に、ランドセルよりも安いカバンがないか相談してみよう。
このようなやりとりがあり、校長先生がマルヤスに「安くて軽くて安全な新しい通学カバン」について相談しました。
試行錯誤の末、ついに「ランリック(ランリュック)」が誕生します。
当時の商品に対する評価は高く「入学時の教科書代や洋服にお金がかかるので助かる」「軽いから体の負担も小さくなる」という声が多かったそうです。
ランリックを使うと、親は経済的負担が軽くなって助かりますし、小学生の子どもは楽に背負えて、軽快に通学が出来ますね!
校長先生の「子どもや保護者の悩みを解決したい」という想いに心を打たれますし、それが今もランリックが愛される理由なんだと思いました!
雪がよく降る北海道小樽市の「ナップランド」
北海道小樽市の小学生は「ナップランド」という通学カバンが主流です。
小樽市の小学校に通う小学生の7割が使用していると言われています。
「軽くて丈夫で使いやすい」をコンセプトに、はっ水加工されたナイロン素材から作られています。
- 色展開…単色・ツートン合わせて12色展開
- 重さ…約770g
- 価格…7,700円
北海道小樽市は雪が多く降る地域であり、坂が多いです。
その環境のもとで「重いランドセルを背負って通学するのは可哀そう」と思った小学校の校長先生が「バッグのムラタ」(北海道小樽市)に相談、1970年にナップランドが誕生しました。
特長としては、手袋をはめていてもリュックの留め具を閉めやすい構造になっていることです。
冬だと、手袋が必須である寒い地域ならではの配慮がされていて、さすがとしか言いようがありませんね。
また、A4サイズ対応サイズなので、教科書・ノートなどがたっぷり入りますよ。
島根県出雲市(旧平田地域)の「ランバッグ」
島根県出雲市内の旧平田地域では「ランバッグ」と呼ばれる通学カバンが使用されています。
「ランドセルは高価で、重い」という理由で、当時の平田小学校長による判断で、1971年にランバッグが導入されました。
ランバッグは、ナイロン製の黄色い生地でできた、四角いデザインのリュックです。
- 色展開…黄色
- 価格…8,000円
重さの情報は、残念ながら見つかりませんでした…。
しかし、ナイロン素材の生地が使われていることから、ランバッグも約700~800gほどの重さと推定できます。
1971年の導入から約3年の月日をかけて、当時の平田地域の小学校に広がりました。
出雲市と合併した後も、ランバッグを使う風習は絶えることはなく、地元の小学生に愛されている通学用カバンです。
ランドセル使わない派は神奈川県では少数である!
先ほど、ランドセルの代わりに通学用のカバンを地域レベルで使っているということをお話ししました。
鳥取県や北海道など、主に地方のあたりで地域独自の通学カバンを使っている傾向がありますが、都市部などもランドセルを使わない地域があるのか気になりますよね。
例えば神奈川県ですと、ランドセルを使用している小学生が大多数で、指定ではないリュックを使用している小学生も、少なからずいるそうですよ。
また、小学校1年生は全員ランドセルを使っているという声もあります。
学校指定の通学用カバンがある場合を除いて、神奈川県にある小学校ではランドセルを使うことが主流のようですね!
私は関西の都市部に住んでいるのですが、近所の小学校では、小学校低学年ではランドセル、高学年ではリュックの子どもがちらほら…という印象です。
地域によってランドセルを使う、使わないという風習があるって面白いですね!
神奈川県内におけるランドセル寄付の活動
まだまだ未来のお話ですが「ランドセルからリュックに変える」「小学校卒業するからランドセルを処分する」ということがあると思います。
ごみとして処分するのも1つの方法ではありますが、ここでNPO法人によるランドセルに関する取り組みをご紹介したいと思います。
神奈川県において、使わないランドセルを寄付してもらい、次の持ち主に届けるという取り組みがあります。
この活動は「NPO法人グッドライフ」による数ある活動の1つで「神奈川県の家庭で使用される雑貨のリユース」です。
家庭で使用される雑貨に含まれるものは、ランドセルのほか、おもちゃや人形、絵本やベビーカーなどがあります。
また、神奈川県川崎市でも使わなくなったランドセルの寄付に取り組んでいるそうですよ。
神奈川県内の使わないランドセルを寄付してもらうことで、ランドセルを気持ちよく手放すことが出来ます。
私はランドセルは使わなくなった後、思い入れがあったせいか、なかなか捨てられずにいました。
寄付という形なら、次の持ち主がまた使ってくれるので、罪悪感なく手放せますね。
「途中でリュックに変えた」「卒業して不要になった」などの理由で使わないランドセルは、寄付すると、ごみが出ないので環境に優しく、処分に困ることもありません!
ランドセルを使わない通学が熱中症対策になる!
夏の暑い期間に、ランドセルを使わない通学「ノーランドセル通学」を実施している小学校があります。
この「ノーランドセル通学」は、ランドセルの代わりにリュックを使用することで、熱中症のリスクを下げる効果を見込まれています。
ランドセルは皮でできていて丈夫ですし、質感が高級感を感じますよね。
ただ夏の暑い日だと、ランドセルに通気性がないため、背中の間に熱がこもり、熱中症のリスクが高くなってしまいます。
私も小学校の頃、ランドセルの形に合わせて汗ジミができていた記憶がありますね。
そこで、「ノーランドセル通学」ではランドセルの代わりにリュックを使用し、背中の熱を逃がしやすくしているのです。
「ノーランドセル通学」を実施する小学校に通う小学生も「リュックの方が、背中が蒸れないし、軽く感じるから嬉しい」と言っているそうですよ。
ランドセルを使わないことで、熱中症になるリスクを小さくできれば、ご両親は我が子が熱中症になる心配を減らせて、通学を見送ることができます!
ノーランドセル通学とともに置き勉も推奨されている
ランドセルに荷物を入れると、かなりの重さにより、後ろにひっくり返ってしまいそうで、ヒヤヒヤしますよね。
私もランドセルを背負った状態で、しゃがむ姿勢をとった時、よくお尻が地面についてしまっていました。
そこで、重すぎるランドセルによる体の負担を減らすため、ノーランドセル通学とともに「置き勉」を推奨する動きが広がっています。
置き勉とは「置き勉強道具」の略語で、自宅に持ち帰る必要のない教科書などを、持ち帰らず学校のロッカーに保管しておくことです。
2018年、文部科学省から教育委員会あてに、置き勉を勧めるよう通達がされました。
置き勉を勧める理由は、重いランドセルを背負い続けると、肩こり・腰痛などの不調につながるからです。
ランドセル自体が1㎏くらいの重さになるので、そこに教科書などを入れると、5㎏以上になるという例もあります。
文部科学省が置き勉を推奨するほどですから、重すぎるランドセルは、小学生の小さな体に良くないということですね。
置き勉をして荷物が減らせると、体の負担軽減や体力温存にもつながり、体調が良好になったり、思わぬ事故を防げたりしますね!
まとめ
- ランドセルを使わない地域は各地にあり、安価で軽くて丈夫なものが地域レベルで使われている
- 鳥取県西部で使われる「ランドナップ」は「経済的にランドセルを買えない家庭にも通学カバンを」という想いから開発された
- 京都府一部地域で使われている「ランリック(ランリュック)」は保護者の相談により誕生した
- 北海道小樽市の「ナップランド」は寒い地域ならではのデザインである
- 島根県出雲市の「ランバッグ」はナイロン製で黄色の通学バッグである
- 神奈川県などの都市部ではランドセルを使う小学生が多いが、リュックも使っている小学生もいる
- 神奈川県では、使わないランドセルを寄付する取り組みがある
- ランドセルの代わりにリュックで登校する「ノーランドセル通学」は熱中症対策として有効である
- 置き勉の推奨が、重すぎるランドセルの問題を解決する
ランドセルを使わない地域では「子どもたちや親のために」という想いから、地域独自の通学カバンが開発されました。
デザインや機能性も充実していますし、私も使いたかったなと思いました。
ただ、ベストなのは、小学生のお子様自身が使いたい通学用カバンを使うことだと私は思います。
ランドセルを使う使わないは関係なく、好きな通学カバンを自由に使える環境になれば、小学校へ行くことが楽しいと思ってくれますよ!
リュックなどのカバンを、大切に長持ちさせるためには、置き場作りが重要です。ハンガーのように引っかけておけば、前の日の準備もやりやすくなりますね!
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