室内で飼ううさぎって、ふわふわしていてとってもかわいいですよね。
しかし走ることが大好きなうさぎにとって、足の爪のケアはとても大切です。
飼い主さんが爪切りの方法がわからない状態でいると、うさぎはケガや歩行困難を起こし、やがて病気になってしまいます。それはとても悲しいですよね。
また、うさぎの爪切りは、1~2か月に1度の頻度で行います。
動物病院が遠いと、毎月爪切りのためだけに出かけるのもちょっとためらってしまいますよね。
そんなあなたは、家でうさぎの爪切りをしましょう!今回は正しい爪切りの方法やコツ、爪切りをしなかったらどうなるのかも解説します。
必要なものを用意して爪切りの方法をマスターできれば、病院代も節約できますね♪
うさぎの爪切りは方法とコツを覚えれば簡単にできる!
うさぎにとって、爪切りは大切なお手入れです。しかし毎回動物病院や専門店を利用するのはお金や時間等がかかります。
ですが、都合や地域によっては病院や専門店へ連れていけないこともあります。そんな時は自宅で爪切りをするしかありません。
少しでもコストを下げたい、出かけるのが難しい、うさぎとふれ合いたいといった理由があるのなら、自宅で爪切りにチャレンジしてみましょう!
うさぎの骨はとても華奢で、少しの力や衝撃で折れてしまいます。爪切りをするために頑張ったのに、それでケガや骨折をさせてしまっては本末転倒です。
うさぎの爪切り方法をしっかりと理解して、可能であれば、家族や友人など二人体制でできる日にやってみましょう。
うさぎの爪切りは、人間や他の動物とは方法が違います。それでは方法を解説します。
- うさぎを抱っこして座る
- 血管から少し離れた箇所で爪を切る
- 尖っている部分をカットして整える
- うさぎを褒める
まずは、自宅で爪切りをする上で、「抱っこができるか」が重要になります。
優しく膝の上に乗せて、ゆっくりと撫でてうさぎを落ち着かせましょう。
その後、両足のももでうさぎの身体を挟む・お座り抱っこの状態で人間とうさぎの身体を密着させ、お尻を支えるなどの姿勢で優しくホールド(保定)します。
急に向きを変えられたりすると驚いて抵抗するので、ゆっくり優しく、声をかけながら体勢を変えてください。
床やケージに腹這いの状態だったり、ましてや動き回っている状態のうさぎの爪を切ることは至難の技です。
しっかり抱っこができるよう、日頃から慣らしておきましょう。
慣れていれば椅子でも構いませんが、初めのうちは安全面を考慮して床に座ってやるのがいいですね。
うさぎの爪周りにある血管を傷つけないように、爪を切っていくよ。
利き手に爪切りを持ち、反対の手で対象の足を持ちます。この時、変な方向に引っ張らないように気をつけてください。
血管の位置を確認したら、血管から2~3㎜離れた箇所に爪切りを当ててカットします。慣れてきたら、1~2㎜程までの位置でも大丈夫です。
爪が毛に隠れてしまって見えない時は、みかんや玉ねぎが入っている伸縮性のあるネットを使うと爪の場所を確認しやすくなります。
うさぎの爪には血管が通っています。伸びているからといって、根本まで切るのは絶対NGです。
また、切るときの衝撃でうさぎが暴れだすことがあります。もしうさぎが暴れてしまったときは爪切りを一旦中止し、撫でたりして落ち着かせることが大事です。
この時に保定(暴れないように支えること)が緩むと逃げようとして落下、あるいは逆にきつく締めてしまうと骨折や人間に噛み付くこともあります。
床に柔らかなマットを敷いたり、タオルでカバーするのも予期せぬケガの防止になりますよ。
爪切りが終わったら、先端の角をやすりで落としておこう。
爪切りをした直後は、先端がまだ角があり尖っています。
この角の部分を落とすと引っ掛かりや引っ掻き予防になるので安心です。
仕上げにやすりを使って形を整えてあげると、爪の尖りが無くなり、足を痛めにくくなります。
最後は我慢してくれたうさぎを褒めてあげよう♪
爪切り後は、大好物のおやつなどをあげて、たくさん労ってください。
うさぎにとって、爪切りはとてもストレスがかかります。
これから先も爪切りは必要ですが、ただただ苦痛を味わうだけの時間と認識されてしまうとどんどん嫌がってしまいます。
「爪切りが終わったあとはご褒美がある」と認識させることで、今後の爪切りに対するハードルが下がり、爪切りの時間を我慢できるようになっていきます。
人間も同じで、何か頑張った後は褒めてほしいものです。爪切りを頑張ったうさぎをいっぱい褒めてあげましょう!
自宅で爪切りをする時の準備物の中に、うさぎのおやつを入れておくのもいいかもしれません。
特別感を出すために、普段のおやつとは分けておくと効果倍増になるかもしれませんよ?
うさぎ専用の爪切り道具は2種類ある!
爪切りを行うためには、うさぎ専用の爪切りを準備します。人用、犬猫用でもできますが、うさぎ・モルモットなどの小動物専用の爪切りが安心です。
うつ伏せの姿勢で後ろから切る場合はハサミタイプ、暴れやすいうさぎの爪を切るならギロチンタイプがおすすめです。仰向けの姿勢で切るなら、どちらでもOKです。
それでは、爪切りのタイプごとに特徴を紹介します。まずはハサミタイプの特徴です。
- うさぎの爪形に合わせて、刃がカーブ状になっている
- 安全性に優れており、カットしやすい構造になっている
- 後ろから切るとき、仰向けの姿勢で前から切るときにおすすめ
次に、ギロチンタイプの特徴も見ておきましょう。
- ニッパーのように手で握り込むタイプ
- 爪を切る時に音が出にくく、うさぎがビックリしにくい
- 仰向けの状態で前から切るとき、早く切りたいときにおすすめ
あなたが握りやすいかどうかも考慮して購入しましょう。
他に準備するものは?
爪切りのほかに準備するものを確認しましょう。
- 小型懐中電灯
- ガーゼ、止血剤
- やすり
- バスタオル
まずは懐中電灯を用意します。スマートフォンのライト機能でも代用できます。
うさぎの爪には血管があり、そのすぐそばまで神経が通っています。
爪の色が白く、血管の場所が分かるのであれば必要ありませんが、黒い爪の場合分かりにくいです。
誤って切ってしまわないように懐中電灯の光を充てて、血管の位置を把握する必要があります。
また、誤って切りすぎてしまい、出血してしまった時に使います。止血剤はペット用のものを用意してください。
ちゃんとうさぎ専用の止血剤がありました。他のペットがいなければ、この1本で良いでしょう。
そして、やすりで磨いてあげると仕上がりが綺麗になり、断面のザラザラ感を防止できます。
人間が使っているようなタイプの爪やすりもあれば、電動のやすりまであります。
電動は音が出ますので、音に敏感な子は少しずつ慣らしていく必要がありそうです。
やすりがけは最後の仕上げですが、角を丸くすることでケガの予防にもなりますよ。
さらにバスタオルは、うさぎの保定や、突然のおしっこの対策になります。
また、暗いとおとなしくなる習性を利用し、うさぎの目を覆って落ち着かせるのにも使えます。
爪切りのコツはうさぎを安心させること
うさぎも飼い主も、爪切りは早く終わらせたいことのひとつです。ですが、慣れないうちは時間がかかり、抵抗されます。
爪切りをスムーズに行うコツは、主にうさぎをおとなしくさせることです。そのためのコツをまとめておきます。
- リラックスしているときに切る
- 2人がかりで切る
- タオルで目隠しをして、おとなしくさせる
- うさぎのテリトリーとは別の場所で爪切りをする
- 床で爪を切る
- 爪切りの頻度は、3~4週間に1回
1日1本ずつ進めたり、リラックスしている時にこっそり切ったり、2人係りで切ったりと工夫する必要があります。
また、うさぎの習性を利用するのも手です。暗い所ではおとなしくなるので、タオルで目隠しをしてもいいですね。
テリトリーから離れるとおとなしくなるうさぎも多いので、行動範囲から外れた所で試してみるのもアリです。
暴れる子の爪切りは椅子に座ってやらず、床でやる方が落ちる高さが無いので骨折などの心配を減らせます。
生後2、3ヶ月を過ぎた辺りから少しずつ慣らしていきましょう。目安は3~4週に1回です。
心配のタネを少しでも減らし、工夫して乗りきりましょう。
自宅で爪切りをするメリットとデメリットは?
自宅で爪切りをするメリットは、なんといってもあなたの都合に合わせられることです。そしてデメリットは、慣れていないと難しいという点ですね。
まずは自宅で行うメリットを解説しましょう。
- 都合に合わせてできる
- 準備物の購入後、あまりお金がかからない
- 家族の協力があればスムーズに進むことも
次に、自宅で爪切りを行うデメリットはこちらです。
- 暴れたり抵抗されると難しい
- 保定がうまくできないとケガや骨折などに繋がりやすい
- 1人の場合、慣れていないと切りにくい部位がある
確かに最初は難しいですが、病院で爪切りをしてもらう時にコツを聞くのもいいですね。
うさぎは警戒心が強いため、信頼関係を築いておこう
うさぎの爪は、それぞれ前足に5本、後ろ足に4本、計18本生えているのですが、この爪を切るのがまた大変です。
うさぎは、慣れない人や物、環境に対し、強い警戒心を持っています。爪切りをさせてもらうためには、飼い主であるあなたと信頼関係が築けていることが大切です。
よく「うさぎが暴れて自宅で爪切りできない」と言われるのは、抱えられて身動きが取れない状態にされ、何をされるかわからない、もしくは痛いことをされるという恐怖心から全力で抵抗しているのだと考えられます。
飼い始めてすぐの頃は、ペットというより『動物』としての本能が強い時期でもあります。
突然の環境の変化も加わり暴れる、齧るといった抵抗は仕方のないことだと割り切って、うさぎとの信頼関係を築いていくことが先決です。
もし自宅での爪切りが難しく、病院や専門店にお願いすることになったとしても、飼い主が抱っこをする可能性があります。
その時にすんなり抱っこさせてくれるかどうかは、うさぎの警戒心をどれだけ解くことができているかにかかっています。
外部に頼ろうと思ってもずっと暴れっぱなしでは、人もうさぎも疲れてしまいますよね。爪切りの他、病気のサインなどを見逃してしまうこともあり得ます。
そうならないためにもしっかりと信頼関係を築き、爪切りの方法を覚えて病気や肥満を予防し、うさぎとの楽しい生活を過ごしてほしいと思います。
うさぎの生態についても知っておこう!
もふもふでふわふわの毛、くりくりした丸い目、特徴的な長い耳。童話でもゲームでもモチーフとしても人気が高い動物の1つがうさぎです。
うさぎは世界中に暮らしていて、野生のうさぎは走ることが大好きです。土に穴を掘ったりするのもお手のものです。
また、常に外敵から狙われているため警戒心が強く、天敵から身を守る為に高い瞬発力を使って全力で逃げます。
その時速は、一般的に知られているアナウサギで40km/hです。。1秒に約11メートル進む速度で、人間ではとても追いつくことはできません。
ペットとして飼育されているうさぎも、このくらいのスピードで走れるんだって!
そんなうさぎは、高い瞬発力に対して骨が華奢ですぐに骨折してしまいます。穴を掘るのは得意ですが、木に登ったりすることは苦手です。
猫のように着地が上手というわけでもありません。ストレスも感じやすく、慣れない環境に戸惑って体調を崩すことも多いです。
現在は外敵に狙われることは少なくなりましたが、自然界でできていた爪のお手入れをする機会も減ってしまったのですね。
うさぎの爪切り中に血が出てしまったら病院へ!
爪切りのとき、爪を切りすぎて出血してしまった場合、ガーゼで出血部位を止血し、止血剤を塗布します。
数分で止まることがほとんどですが、それでも出血が止まらなかったり、うさぎが痛がっている場合は動物病院へ連れていきましょう。
爪切りが原因で、何かに引っ掛かりうさぎの爪が抜けてしまった場合は、清潔なガーゼやタオルで出血部位を抑え、すぐに動物病院に行きましょう。
その後は、自宅の環境を清潔に整え、爪切りの傷が化膿しないように留意して過ごします。
自宅で全て治療するには限界があります。うさぎのケガなどで気になることがあれば、悩まず獣医さんへ相談してください。
うさぎの爪切りは病院なら安心して任せられる!
もしあなたがどうしても自分で爪切りができない場合、動物病院で切ってもらいましょう。
うさぎの爪切りに慣れていない、あるいは不安が残っているなら、その道のプロに頼る方が安心です。 なお、病院では必ず初診料もしくは再診料が加算されます。
動物病院で爪切りをしてもらうメリットは、以下の通りです。
- 切る上で危険な所や安心させる術を熟知している
- ケガの処置などに対応してもらえる
- 専門医へ相談ができる
そして、デメリットは以下に書いています。
- 診療時間内に行く必要がある
- 診察料がかかる(初診料約1,000~2,000円+爪切り約500円)
- うさぎ等小動物が専門外になっている病院もあるので注意が必要
プロにやってもらえれば、うさぎも安心ですね!
うさぎの爪切りはお店でもやってくれる!
また、うさぎの爪切りは動物の専門店でもやってくれますよ!
動物の専門店で行う時のメリットは、以下の通りです。
- うさぎのグルーミング(毛繕い)と一緒にできることが多い
- 買い物のついでにできる
逆に、専門店で行う時のデメリットも見ておきましょう。
- グルーミングとセットになっている場合が多い為、料金がかさむ(爪切り約500円+グルーミング代約1,500~3,000円)
- 爪切りの間、待ち時間がかかる
自宅で爪切りができるのであれば、自分の都合に合わせてでき、お金の心配も少ないでしょう。
専門店でのグルーミングも、うさぎが長毛種か短毛種かで料金が変わってくるようです。
うさぎの爪切りをしないとどうなる?
爪切りをしないと、伸びすぎた爪は、ケージの金網や毛足の長いカーペットに引っ掛かりやすくなります。すると、爪が抜けたり足を骨折することがあります。
野生のうさぎは、野山を駆け回ったり土を掘ったりして自然と爪がちょうど良い長さに削られていきます。わざわざ「爪切りをする」ということはありません。
なので、普段から野生に近い環境で飼われているうさぎも爪切りの必要は、ほぼ無いでしょう。
ですが、室内で飼われているうさぎは駆け回ることも土を掘ることもありません。柔らかなカーペットの上やケージで暮らしている為、爪は削られず伸びてしまいます。
そのため、爪は削られることがないままどんどん伸びていき、引っかかりやすくなってしまうのです。
爪切りをしないとソアホックという病気にもなりやすい
また、爪切りをしないと歩きにくくなり踵に負担がかかることで「ソアホック」という足裏の皮膚炎を引き起こすこともあります。
「ソア」は痛む、「ホック」は後ろ足(踵)という意味の、うさぎが多く発症する足裏に起こる皮膚炎です。専門的な言い方として「足底皮膚炎」「飛節(ひせつ)びらん」とも呼ばれています。
すぐさま命に関わる病気ではありませんが、足裏の痛みによる歩行困難が起こったり、進行すると炎症による皮下膿瘍、骨髄炎や骨膜炎といった二次的な病気も引き起こします。
痛みによって歩きたがらなくなるので、運動不足や食欲不振になるうさぎもいるようです。
発症の原因は様々(ストレスや肥満など)ありますが、爪切りを怠ることもその1つです。
この病気は全てのうさぎにかかる可能性があり、治療に数ヶ月かかることがあります。
更にそのまま放置してしまうと、爪の中を通る血管も伸びてきてしまい、爪切りの難易度はどんどん上がってしまうのです。
定期的な爪切りはソアホックの予防のみならず、運動不足の解消、ストレス解消、肥満予防等に繋がるので、とても大切なお手入れと言えます。
うさぎが快適な生活を送る為に、定期的な爪切りがとても大事なことが分かります。
まとめ
- うさぎの爪切り方法は、うさぎを抱っこした状態で座り、血管から離れた爪の場所を切っていく
- 爪切りが終わったらやすりをかけ、最後は我慢してくれたうさぎを褒め、ご褒美を与える
- 爪切りのタイプはハサミタイプとギロチンタイプがあり、抱っこの方法や暴れやすいかによって使い分ける
- 懐中電灯、ガーゼや止血剤、やすり、バスタオルも準備する
- 爪切りのコツは、うさぎが暴れないように安心させること
- 野生のうさぎは野山を駆け回っているうちに自然と爪が削れていくため、爪切りをしなくてもいい
- 爪切り中に血が出たらすぐ止血し、血が止まらないなら病院へ行く
- 爪切りは、動物病院や専門店でもやってくれる
- 爪切りをしないと爪が引っかかりやすくなり、爪が抜ける、または骨折の恐れもある
- 爪切りをしないと、ソアホックという病気にもなる
うさぎの健康を守る為にも、爪切りはとても大切なお手入れです。
つまり、ペットのうさぎの爪は、飼い主さんを始め、人間がしっかり爪切りをしなければ延々と伸び続けてしまいます。管理を怠って病気になることも、切りすぎて出血してしまうことも避けたいところ。
ですが、うさぎにとっては爪切りはストレスがかかるし、飼い主さんも慣れないうちは怖いもの。
頑張って自宅でやってみたけれど、嫌がって暴れる時は無理せず病院や専門店などを頼ってみてください。相談してみると、意外な攻略法やためになる話を教えてくれるかもしれません。
せっかくお家にお迎えした可愛いうさぎさん。正しい爪切りの方法を覚えてお手入れをすることで健康管理にもなり、長生きに繋がります。この記事を読んだ皆さんが、もっとうさぎと仲良く過ごせますように。
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