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天然石の鑑別は個人依頼もできる!さまざまな検査で調べてもらおう♪

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私は、天然石を扱うお店で数年ほど働いていました。初めて鑑別書付きのブレスレットが入荷したときは、「一級品」に見えたのを覚えています。

また後ほどお話ししますが、お客様から鑑別依頼を受けたこともあります。このとき、鑑別は天然石の販売元ではなく、鑑別機関に依頼するのだと知りました。

退職してからしばらくたち、その時のお客様をふと思い出しました。気になって天然石の鑑別機関について調べると、個人でも依頼を受け付けているのです。

今回は、天然石の鑑別依頼を受け付けている機関や料金、検査内容についても紹介します。

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天然石の鑑別依頼を受けてくれる機関を紹介

天然石とは、研磨やカットを施した宝石をはじめ、丸く加工されたビーズ、岩石など、すべてを総称しています。

個人でも天然石の鑑別依頼ができる機関を紹介します。

  • 日独宝石研究所
  • 中央宝石研究所(略称CGL)
  • 有限会社 日本彩珠宝石研究所

「日独宝石研究所」は、世界でも宝石の分析技術が最も高い「ドイツ宝石学協会」と提携を結んでいる機関です。

創立者の古屋庄司氏は、1972年にドイツ宝石学協会の宝石鑑定・鑑別資格(D.Gem.G)を日本人で初めて取得した人物で、「宝石の町ドイツ」と日本の架け橋を築きました。

現所長の古屋正貴氏もまた、2000年にヨーロッパ宝石鑑定・鑑別資格を日本人で初めて取得しています。現在も、宝石の魅力を発信し続けています。

そして「中央宝石研究所」は、高度経済成長とともに流通され始めた宝石の健全な取引や流通に向けて、1970年に設立されました。

また「日本彩珠宝石研究所」は、日本らしい宝石文化や宝石観を大切にしている機関です。

日独宝石研究所

「ドイツ宝石学協会」と提携を結んでいる日独宝石研究所は、個人の鑑別も受け付けています。

研究所がある山梨県甲府市では、過去には金峰山付近で良質な水晶が採掘されていました。

現在は採掘や採取が禁止となっていますが、甲府市は現在も「宝石の町」と呼ばれていて、宝石関係の会社が集っています。

鑑別書 A4サイズ3,500円(税抜)
ミニ鑑別書 A5サイズ2,500円(税抜)
年会費10,000円(税抜)
納期到着日より2日後くらい

石の種類によっては追加検査を要するため、別途料金がかかります。料金が変わるときには検査前に連絡をしてくれますよ。

鑑別依頼のお問い合わせで、先に考えられる石の種類をあらかじめ伝えておくと、鑑別がスムーズに進みます。

定期的に利用するなら、年会費10,000円をお支払いして会員になるとお得です。鑑別料金や別途検査料金、送料などのサービスや、会報の送付などをしてもらえます。

ただ、利用頻度が少ない場合は非会員として鑑別依頼をお願いできますし、初回割引も受けられます。詳しくは、鑑別依頼前に問い合わせてみましょう。

中央宝石研究所(CGL)

中央宝石研究所(CGL)は、東京本社だけでなく、名古屋、大阪、博多に支店を構えています。

鑑別依頼の基本料金はこちらです。

色石鑑別書3,600円(税抜)
ダイヤモンド鑑別書3,300円(税抜)
コランダムを含む場合+500円(税抜)

ダイヤモンド鑑別書の料金も調べましたが、価値やグレードを知りたい場合は「グレーディングレポート」を依頼したほうがいいです。

有限会社 日本彩珠宝石研究所

有限会社 日本彩珠宝石研究所」は、私が天然石ショップに勤めていた時にもお世話になった機関です。

こちらの鑑別書には、3タイプの鑑別書を扱っています。

HPには鑑別書のサンプル料金はあるものの、料金が記載されていません。料金や遠方からの依頼については、電話にて問い合わせしてみましょう。

特によく見かけたのは、一番小さいミニ鑑別書(Fタイプ)です。

定期的に天然石のイベントを開催するとき、鑑別書付きの一連ブレスレットが必ず1本は入荷していました。

鑑別書が付いているだけで、他のブレスレットよりも価値が高く見えるのです。常連様と「すごいですよね~!」と眺めていました。

石ころに見えるならフォッサマグナミュージアムへ

 
 

孫が海岸で石を拾ってきたんだけど、「何の石か知りたい」って言っているの。
私には「ただの石ころ」にしか見えないんだけど…。

海岸や川で拾った石も、天然石のひとつです。このような石に強みがあるのは、「フォッサマグナミュージアム」です。

ここでは、土日の不定期日に「石の鑑定」という無料サービスを行っています。学芸員が肉眼で見て、石の名前を教えてくれます。

新潟県糸魚川市といえば、良質な翡翠がたくさん採取されていた産地です。ここは翡翠が海岸によく転がっていたため、このような施設があるのも納得です。

当日、または当日までに鑑定券を抽選で配布しており、指定された時間帯に鑑定を受けます。

先頭に並んでいても抽選に外れると鑑定券をゲットできません。まさに運頼みです。

また、鑑定対象の石についても確認しておきましょう。

  • 手のひらサイズよりも小さいもの(長さが15cm以下)
  • 乾いた石
  • 個人で使用する石(営利目的の石は不可)
  • ビーズやルース、宝石などに加工されていない石

「石の鑑定」は加工された天然石や宝石のような宝飾品は対象外です。逆に、他の機関では鑑別が難しいような未加工の石には強いのです。

私が勤めていた天然石ショップでも、親御さんから「子供が大事にしている石なんだけど、『何の石か教えて欲しい』と言われている。」との相談をよく受けます。

私たちもすべての鉱物を知っているわけではないので、回答に困りました(笑)

宝石の鑑別なら宝石に詳しい機関がいい

その他にも、宝石を扱っている機関がたくさんあります。天然石全般の鑑別は難しいですが、一般からの宝石鑑別も引き受けてくれます。

  • ジャパンジェムグレーディングセンター(GGC)
  • 有限会社 日本宝石特許鑑定協会
  • 米国宝石学会(略称GIA)
  • AGTジェムラボラトリー
  • ジュエルトレーディングラボラトリー(略称JTL)
  • ダイヤモンドグレードラボラトリー(略称DGL)

特に、宝石の取引が盛んだった東京の御徒町(東京都台東区上野周辺)は、現在も宝石関係の会社が多いです。

基本は天然石を持ち込んで鑑別してもらいますが、機関によっては遠方からの鑑別も受け付けています。評価額の査定をしてくれるところもあります。

またこれらの機関は、ダイヤモンドの鑑定にも強いです。「鑑定」については後ほど説明します。

ただし、鑑別機関によっては考え方や検査器具が異なるため、石種は同じでも色味の結果が微妙に違うこともあります。

そのため、複数の機関に依頼して、様々な意見を取り入れる人もいます。

実際に複数社へ依頼を出して結果が違った人は、「同じダイヤモンドであることには変わりない」「機関によって考え方が違うのか。」と割り切って捉えていました。

私も天然石を扱っていましたが、近年新しく発見された石種もあります。まだまだ自然界から発見されていない天然石もあることでしょうし、奥が深いのです。

石種はダイヤモンドだと明確にしたうえで、それをどう解釈するかはあなた次第なのです。

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天然石の鑑別にはどんな検査をするのか

天然石の鑑別でわかることは、石の名前です。天然石にどんな加工処理をしているかも、わかる範囲で記載してくれます。

鑑別には、石の大きさや重量をはじめ、光学検査、拡大検査、比重検査など、あらゆる検査にかけます。そこからデータを出して、石の名前や種類、成分が判明します。

そしてカットや研磨以外に、色を付ける着色処理、オイルや樹脂に浸してキズを目立たなくさせる含侵処理など、人工的な加工をしているかも調べます。

それらを総合的に判断して、石の名前を特定するのです。

ただし、石の名前を特定するためには赤外線や紫外線、蛍光X線にあてたほうがより明確になりやすいです。

このような特殊な検査をする場合には、別途料金がかかります。鑑別機関によっては、鑑別書とは別に分析報告書をつけてくれます。

  • 赤外分光検査(FT-IR)…水晶、ヒスイなど
  • 紫外‐可視分光検査(UV-Vis)…コバルト鉱物など
  • 蛍光X線成分分析(EDXRF)…ターコイズ、ガーネットなど
  • 産地の特定…エメラルド、パライバ・トルマリンなど
  • 非加熱検査…ルビーやサファイアなどのコランダム種
  • ノンオイル分析…エメラルド

鑑別機関によっては、「本当にこの産地で間違いないのか?」と産地を特定したい場合にも、別途料金をお支払いして鑑別してもらえます。

たとえば「パライバ・トルマリン」は、ブラジルのパライバ州で産出されたトルマリンにしか命名されません。

天然石の価値を証明するためにも、このような産地特定の鑑別も可能です。

また、天然石とは少し違うのですが、真珠も鑑別してくれます。真珠の場合、真珠層の厚みや母貝判定、黒蝶貝・白蝶貝判定、無核調査などを行います。

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天然石の鑑別と鑑定の違いとは?

先ほど、「ダイヤモンドの鑑定」が出てきましたよね。「鑑別」「鑑定」は言葉が似ていてよく混同されますが、石の種類が違います。

天然石の業界では、ダイヤモンドについては「鑑定」、それ以外の天然石は「鑑別」を行います。またダイヤモンドの鑑定では、等級(グレード・クラス)も明確になります。

それ以外の天然石は、石の価値を判断する手段の一つとして、「鑑別」にて石の名前や成分、加工処理について明確にしてもらうのです。

たとえば、人工的な着色加工をしている石と、未加工で自然の力で色味を発している天然石を比べたところ、後者の方が価値は高いです。

また、鑑別には「本物」「偽物」の概念がありません。もし偽物だったら、聞いたことのない石の名前が鑑別書に記載されます。

ただし、天然石の等級は「透明感」「色味の濃さ」「内包物の美しさ」などを基準に販売側が決めるため、鑑別では天然石の等級までは記載されません。

グレードが違う天然石を鑑別に出しても、石の名前が同じだったら結果は同じなのです。

販売店によっては鑑別依頼を受け付けてくれる

ここからは、実際に私がお店で働いていた時の話を含めます。

購入したときの石の名前がどうしても疑わしい場合、個人で鑑別依頼も出せます。販売店によっては、鑑別機関に代理で受け付けてくれるところもあります。

私が過去に働いていたお店で、本社の商品課を通して実際に鑑別依頼したときのお話をしましょう。

ラリマーの一連ブレスレットを購入予定のお客様から、「せっかくだから鑑別書を付けてほしい。」とお願いされました。

お客様には「鑑別書は石の種類を特定するものであり、石の価値が決まるものではない」としっかり説明したうえで、商品課の人が手配してくれました。

鑑別書が届いてからブレスレットとともにお渡ししたときには、大満足のご様子でした。

それからも来店されるたびに「友達から『ステキ!』と褒めてくれるの。」「あのとき買ってよかった。」と何度もお礼を言ってくださいました。

正直なところ、石の名前や等級は仕入れ先や販売側の判断で決まります。そのため、石の名前や産地をあやふやにして、価値を不明確にしている業者がいるのも事実です。

私も販売する側でしたが、販売するからには商品に責任を持っています。「これ本当にこの名前であってる?」と疑わしい天然石は本社に送り返すくらいです。

販売側の主観を含めず、第三者の機関で客観的に調べていただいたほうが、天然石への愛着も深まりますよ。

まとめ

  • 個人から天然石の鑑別を依頼したいときは、宝石に詳しい鑑別機関がいい
  • 日独宝石研究所は、ドイツ宝石学協会と提携しているだけでなく、会員特典も受けられる
  • 中央宝石研究所(GGL)は、天然石の鑑別だけでなく、ダイヤモンドの鑑定にも詳しい
  • 有限会社 日本彩珠宝石研究所に鑑別依頼をする場合は、電話で直接問い合わせる
  • 海岸や川で拾った石は、フォッサマグナミュージアムの「石の鑑定」で石の名前を教えてもらえる
  • 天然石の中でも、宝石の鑑別は専門機関に依頼したほうが安心できる
  • 鑑別には、石の大きさや比重、光学検査、拡大検査、比重検査などにかけて、天然石についての様々なデータを集める
  • ダイヤモンドの場合は等級を含めて「鑑定」で、それ以外の天然石は「鑑別」でデータを明確にして、そこから石の価値を判断する

店舗やオンラインショップをはじめ、流通している天然石のほとんどは鑑別書が付いていません。

天然石は奥が深いあまり、私も肉眼だけではすべての天然石をハッキリ判別できないのです。

天然石業界が今後も盛り上がり、正しく取引されることを願っています。

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