何でもできてしまうスマホのバッテリーは、できるだけ長持ちしてくれたら、ありがたいですよね。
私はスマホのアプリを家の鍵として使っています。外出中にバッテリーが切れかけると「家に入れなくなる~!!」って気が気じゃなくなります。
バッテリー切れを起こさないよう、私はバッテリーが残っている状態から充電を始める「継ぎ足し充電」を行っています。
「バッテリーは使い切って充電したほうがいい」と周囲から言われましたが、多くのスマホに使われているリチウムイオン電池は、継ぎ足し充電をした方が逆にバッテリーの寿命を長持ちできるのです!
リチウムイオン電池はどうして継ぎ足し充電で長持ちできるのかを解説します。
バッテリーの寿命が長持ちできると、外出先での動画やゲームもバッテリーの残量を気にすることなく楽しめますよ。
リチウムイオン電池は継ぎ足し充電は問題ない!
動画を観たりゲームをしたりしていると、スマホのバッテリーはどんどん減っていきますよね。
バッテリーがまだ残っている状態で充電する、いわゆる『「継ぎ足し充電」はバッテリーに負荷をかけて劣化を速める』という話を聞いたことはありませんか?
今ではほとんどのスマホでバッテリーとして使われているリチウムイオン電池は、継ぎ足し充電してもまったく問題がありません。
なぜなら、リチウムイオン電池には「メモリ効果」がないからです。
残量が0%になるまでバッテリーを完全に使い切ってから充電したほうがよかったのは、リチウムイオン電池が一般的に使われるようになる前のことです。
「メモリ効果」ってなに?
「メモリ効果」とは簡単に言うと、バッテリー容量が残っている状態で充電したときに、電池本体が「前回まで残っていた容量が自分の限界だ」と記憶(メモリ)してしまう現象です。
たとえば、電池残量が20%の状態で新たに100%まで充電をした場合、電池本体は「自分の限界は20%残った状態だから、80%までの力しか出せないんだ」と記憶してしまいます。
そして、次に残り20%まで残量が減ってしまうと、「自分はここまでだ」と記憶されているため、電池切れの状態を起こしてしまいます。
リチウム電池にはこの「メモリ効果」は備わっていないため、継ぎ足し充電しても性能が下がることはありません。
そもそもリチウムイオン電池にはどんな特徴がある?
リチウムイオン電池には、以下の特徴があります。
- 同じ容量に保存できるエネルギーが高い
- メモリ効果がまったくない
リチウムイオン電池は、小さくて軽くてパワフルな性能の高さが注目され、用途が広がっている充電池です。
従来の、使ったあとに充電して繰り返し使える「二次電池」と比較して、発明当時には画期的だと言われました。
繰り返しの充電に強く長期間使い続けることができるため、スマホやノートパソコンなどのモバイル機器でよく使われています。
ちなみに、このリチウムイオン電池の発明には、大手化学メーカー「旭化成」の名誉研究員でもある、吉野彰さんも関わっています。
2019年にはノーベル化学賞を受賞したんだって。
他の2人の研究者との共同開発に貢献したことが評価されたんだね!
あなたが今使っているスマホやパソコンは、リチウムイオン電池がなかったらこんなに小さくならなかったかもしれません。
最近では、ドローン、電気自動車、人工衛星や国際宇宙ステーションなど、用途がどんどん開発されています。
iPhoneをはじめ、ほとんどのスマホに使われているのはリチウムイオン電池です。
ほとんどの機械に使われているリチウムイオン電池にはこのメモリ効果が発生しないため、スマホを含めた端末も継ぎ足し充電が可能なのです。
継ぎ足し充電がよくないのはニカド電池!
リチウムイオン電池は、充電して繰り返し使える「二次電池」のひとつです。
リチウムイオン電池が普及する前は、携帯電話には同じ二次電池である「ニッケルカドミウム電池(以下ニカド電池)」が主に使われていました。
ニカド電池には、「メモリ効果」と呼ばれる特徴がありました。携帯電話で継ぎ足し充電がNGだったのは昔の話で、このニカド電池が使われていた頃のことです。
このニカド電池は、なかでも充電池として早い時期から利用されています。
大出力放電が可能なパワフルさと、最大約500回程度の充電に耐えられる強さが特徴です。
過去の携帯電話、ハンディ掃除機、電動工具やシェーバーなど、一時的に大きなパワーを必要とする機器に使われます。
デメリットは、自己放電が大きいため、使用するたびに頻繁に充電が必要なこと、継ぎ足し充電を繰り返すことで、使える電池の量が減ってしまう「メモリ効果」が顕著なことです。
「継ぎ足し充電はしないほうがいい」というイメージは、このニカド電池から来たんだね。
また、有害物質のカドミニウムが使われていることなどから、あまり使われなくなりました。
乾電池型の二次電池ならニッケル水素電池!
ちなみにリチウムイオン電池やニカド電池のほかに、最近急速に普及している二次電池といえばニッケル水素電池です。
ほとんどの乾電池型二次電池には、ニッケル水素電池が使われています。
よく「充電して使う電池」として家電量販店などで販売されているね。
乾電池の形をしているからよく使うよ!
ニカド電池より容量が高く、持続時間は1.5~2倍長く持ちます。
充電した状態で長期間放置しても放電せず、すぐに使うことができます。
リモコン、ライト、時計、ドライブレコーダーなど、普通の乾電池と同じように様々な電気機器に使えます。
2. リチウムイオン電池は継ぎ足しすると長持ちする!
リチウムイオン電池の寿命を長持ちさせるには、20%以上残っているうちに継ぎ足し充電するのがコツです。
スマホでは、バッテリー残量が十分に残っているときの充電はゆっくりと、少ない場合は急速に充電するように設定されています。
残量が20%を切って低電力モードに急速に充電する際にはバッテリーに負荷がかかって消耗が進みます。
充電の残りが0%にならないうちに継ぎ足し充電をすれば、リチウムイオン電池の劣化を防ぐことができるため、寿命も長持ちします。
私、なぜか他の人よりスマホの電池残量が溜まらなくなるのよね。だから1年に一度はスマホを買い替えているの。
電池残量が長持ちすれば端末を買い替える頻度も少なくなります。
端末も安いものではないため、毎回買い替えしていたらお財布から札束がどんどん飛んで行ってしまいます。
継ぎ足し充電によりリチウムイオン電池の寿命が長持ちできれば、端末を買い替える頻度も少なくなります。今まで毎年払っていた端末代も減るため、お財布の中身も潤いますね!
3. リチウムイオン電池の継ぎ足しはこまめにしてもいい!
リチウムイオン電池をさらに長持ちさせるには、継ぎ足し充電をこまめにおこないましょう。
バッテリー残量が0%や100%など極端な状態を避けるのが、リチウム電池の優しい使い方です。
バッテリー残量が一気に0%になるような揺れ幅の大きな使い方をしていると、バッテリーに負担をかけ性能が落ちてしまいます。
また、0%の状態を放置していると、「過放電」と言って、充電できない状態になってしまうことがあります。
そして、バッテリー容量が100%になることも避けた方がいいです。
リチウムイオン電池は、バッテリー100%の状態になることを1回として、その回数が増えることで劣化します。満杯にならない充電は、1回には数えられません。
できるだけバッテリー容量が100%にならないよう、その手前で充電をやめるのがリチウム電池を長持ちされるコツです。
バッテリー容量が20%から80%の間におさまるように意識して、こまめに継ぎ足し充電するのが、リチウム電池にとって優しい、ベストな使い方です。
バッテリーに優しい使い方ができると、バッテリーの劣化を防ぐことができるため、一つの端末をより長く大切に使えますね。
まとめ
- リチウムイオン電池には、過去に普及したニッケルカドミウム電池のような「メモリ機能」が備わっていないため、継ぎ足し充電はしてもいい
- 「メモリ機能」とは、バッテリーを充電したときに残量が残っていたとしても、「現在0%である」と機械が錯覚して覚えてしまう機能である
- リチウムイオン電池が普及する前に使われていたニッケルカドミウム電池には、「メモリ機能」が備わっていた
- 現在ニッケルカドミウム電池はほとんど使われていないが、「継ぎ足し充電はよくない」という知識だけ残ってしまい、勘違いされている
- むしろ、リチウムイオン電池は継ぎ足し充電するとバッテリーの寿命が長持ちする
- バッテリーの寿命を縮ませないためのベストな使い方は、残量が20~80%の間でこまめに継ぎ足し充電をすること
普段の生活の中で充電するときに、ぜひ意識してみてください。
バッテリーを上手に使って、安心・安全にスマホライフを楽しみましょう♪
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