赤ちゃんを慣れない姿勢で抱っこしていると、知らないうちに変な力が入りますよね。
私も「赤ちゃんの抱っこってどうしたらいいのー?!」と緊張しながら我が子を抱っこしていたことがあります。1〜2ヶ月ほどすると急に背中が痛くなり、治療院に通い始めました。
赤ちゃんを連れて通える治療院は意外と少ないため、探すのも苦労しましたし、何カ月も通うのも大変でした。
実は、背骨が痛くなるのも、肩甲骨に負担がかかっている証拠です。
肩甲骨というのは背骨を中心に両側に「菱形筋(りょうけいきん)」という筋肉でつながっています。片手抱っこにより菱形筋も痛み、「背骨が痛い」と感じるのです。
また、「赤ちゃんを連れて治療に通えない」というあなたなら、痛みはストレッチで和らげることができますよ!
つらい痛みから解放されて可愛い我が子との生活を楽しみましょう!
背骨につながる菱形筋が片手抱っこによるものなら、そのサポートが必要ですね。また、抱っこ紐をうまくつけられていないことも原因のひとつです。
この抱っこ紐なら、赤ちゃんを上手に包み込めます。布製のコンパクト仕様で、家での長時間抱っこにも役立ちますよ。
抱っこで背骨が痛いのは菱形筋のダメージによるもの!
産後、お母さんが悩まされる背骨の痛みの特徴としては、「抱っこ時や授乳時に背中や肩甲骨の間が痛い」などがあります。
育児をしていると、片手で抱っこしながらの家事や授乳なども生活する上で必要になってくるでしょう。
片手抱っこをしていると身体の左右のバランスが崩れ、背骨から肩甲骨の内側につながる菱形筋(りょうけいきん)が伸びてしまい、肩甲骨の内側や背中が痛いと感じます。
産後は寝不足で疲れも回復しない中、慣れない長時間の抱っこや授乳で今までしないような姿勢が続くため、背中の筋肉にコリや痛みがでます。
また、妊娠中の体形の変化により猫背になりやすく、背骨や背中の筋肉への負担が増え、産後もその影響で肩甲骨の内側や背骨が痛いと感じるのでしょう。
そういえば、私はすぐにおなかが空いてしまうので、片手で赤ちゃんを抱っこし、反対の手でおにぎりやらなにかしら食べていることが多かったです(笑)
だから片手抱っこの頻度が多くなってしまい、背中が痛くなり、治療院へ通うことになったのですね。
菱形筋の負担は、正しい抱っこの仕方で軽減することができます。
また、私は「腕の筋肉を使いすぎると、筋肉痛かのように胸が痛くなる」と以前お話をしたことがあります。詳しくは、こちらに書いてあります。
抱っこによる筋肉痛で胸も痛くなるのはなぜ?原因と対処法を解説
背骨の痛みに対するストレッチを紹介!
慣れるまでは腕のみで赤ちゃんを支えようと抱っこするため、肩に力が入って肩の左右位置がズレると、背骨の歪みにつながり、痛みを感じます。
抱っこによる痛みは、悪化してしまうと改善するのに時間がかかります。特に育児中のお母さんは、病院や治療院へ行くための時間もゆっくり取れないですよね。
「痛い」と感じる前に解消するのが1番ベストですが、すでに痛みを感じている場合にはストレッチをしましょう。肩甲骨周りをほぐすストレッチ法を紹介します。
肘の位置は下がらないように水平に動かしましょう!肘を引く時にゆっくりと息を吐くとさらに効果がアップしますよ♪
さらに、「菱形筋」のストレッチもしておきましょう。
キープしている間も、息は止めずにゆっくりと呼吸をしましょう。
背中や肩甲骨のコリが進行して動きに制限が出ると、ストレッチが効きにくくなってしまいます。
そんな時は焦らず深く呼吸をしながら、ゆっくりと時間をかけて行いましょう。
ストレッチをすることで肩甲骨周りがほぐれ、痛みが和らぎますよ!
背骨と、首や腰は一直線につながっている!
人の身体は、首と腰が背中を通して背骨でつながっています。そのため、首や腰に異常があらわれると背中の痛みや背骨の痛みにも現れやすくなります。
両手での抱っこは赤ちゃんの重さによって自然と猫背の姿勢になるため、「ストレートネック」になりやすいです。
「ストレートネック」は頭の重さ約4Kg〜6Kgの負荷が首にかかり、後頭部の下から首の後ろにかけて痛みが発生します。
また女性は筋力が少ないため、腰を前に突き出して赤ちゃんをお腹で支えて抱っこする人が多く、反り腰になってしまい背骨の本来の形であるS字カーブが崩れてしまいます。
そうすると背骨の腰の部分に負担がかかり腰痛が起きやすくなります。
「ストレートネック」には首のストレッチを、腰痛の対策は筋力アップが重要です。
これは首の前側の胸鎖乳突筋と斜角筋、後ろ側の僧帽筋のストレッチです。
このストレッチを行った後は、姿勢をまっすぐに保ちやすくなり首がうごかしやすくなりますよ!
戻す時は背骨の上から順にゆっくりと下ろしていきましょう。他のストレッチと同様、呼吸は忘れずにしましょうね。
注意点として、腰周りの運動は、産後1ヵ月または悪露が出ている間は控えます。
産後はかなりのダメージが身体にかかっていますので、無理のない範囲で行いましょうね。
正しい抱っこの姿勢がお母さんの負担も減らす
赤ちゃんを正しい姿勢で抱っこしてあげると、抱っこをする側のお母さんの負担も減らすことができます。では正しい抱っこの方法を、解説しますね。
「赤ちゃんの口や鼻を塞いでいないか」「赤ちゃんの首がグラグラしないようにしっかりと支えているか」「背中はゆるやかなCカーブになっているか」を確認しましょう。
こうすることで体重が軽く感じるだけでなく、赤ちゃんも背中のCカーブが保たれて、寝つきがよくなります。
また、お尻を支えている手で反対側のヒジを持つと、赤ちゃんの体重が反対側の手にも分散されるため、片手抱っこになりにくく、肩甲骨や菱形筋へのダメージも軽減できます。
抱っこをするときの注意点も、お伝えしておきますね。
- 猫背や反り腰にならないように、くるぶし・膝・肩・耳が一直線になるように立つ
- 赤ちゃんを抱く腕は、脇を締めて赤ちゃんと密着させる
猫背や反り腰になると、赤ちゃんとの間に隙間ができてしまい負荷がかかるため、お尻の穴を締めるように意識して姿勢を正すと良いです。
また、脇があいていると肩や背中に負担がかかるだけでなく、隙間ができて赤ちゃんの体が曲がるので不安定になります。
この2点を気をつけるだけで、抱っこの負担がぐんと減りますよ!
抱っこ紐の付け方を正しくすれば身体への負担も減る
抱っこの方法のひとつとして普段から抱っこ紐も利用する人も多いと思います。
ただし抱っこ紐も正しくつけなければ、体に負担がかかるだけでなく、腰や背中を痛める原因になってしまいます。では、正しい抱っこ紐の付け方を解説しますね!
- 左右の肩ストラップは、赤ちゃんがお母さんにピッタリくっつくように調整する
- 背中のバックルは「H」になるように、肩甲骨の真ん中でとめる
- 腰ベルトはくびれの位置で、赤ちゃんのお尻がお母さんのおへそより上にくるようにつける
「抱っこ紐の付け方」でよくある悪い例として、「左右の肩ストラップが緩い」「背中のバックルの位置が高い」「腰ベルトの位置が低い」などがあげられます。
また、左右の肩ストラップが緩いと、お母さんと赤ちゃんの間に隙間ができてしまい不安定になり手で支えなくてはなりません。
また赤ちゃんの位置が下がり、テコの原理で余計に重く感じるでしょう。
背中のバックルの位置が高いと、背骨の首の部分に当たって圧迫してしまい首を痛める原因になります。
そして腰ベルトの位置が低いと、骨盤へダイレクトに負荷がかかり、腰を痛めやすくなります。赤ちゃんの位置も下がり、テコの原理で余計に重く感じてしまいます。
私は産後に地域の赤ちゃん教室に参加した際、に抱っこ紐の正しい受け方を助産師さんにアドバイスしてもらいました。
近くでそういったイベントや教室がやっていない場合は、オンラインの抱っこ紐の正しい付け方教室もありますよ!
抱っこは赤ちゃんの背骨をCカーブで支えるといい!
背骨の成長に合わせて、抱っこや赤ちゃんの姿勢も変化させましょう。赤ちゃんにとって1番良い姿勢とは、背中を丸めた「C」の姿勢です。
赤ちゃんの時にCカーブの状態だった背骨は、1〜2年くらいの時間をかけて徐々に大人と同じようなSカーブへと成長していきます。
赤ちゃんの脚は大人と違い真っ直ぐ伸びているのではなく、「M」のような形になっています。
抱っこ時に脚の「M」を意識して抱っこすると、自然と背骨は丸まり背中のCカーブを作ることができますよ!
そして、背骨の成長には赤ちゃん自身が体幹を使って過ごすこと大切です。
成長に合わせた正しい姿勢をとることで、身体の軸が整えられ筋肉のバランスが良くなり体幹も安定してきますよ!
しかし、赤ちゃんの丸みを支えられる抱っこ紐は限られていますそこで、赤ちゃんを布ですっぽり包み込める抱っこ紐をおすすめします。
布で包み込むタイプは、赤ちゃんのCカーブをそのままキープしながら、抱っこを支えます。背骨のサポートをしつつ、赤ちゃんにとって安心できる体制を作れます。
なによりも、赤ちゃんはお腹の中にいたころと同じ体制でいる方が安心します。お母さんやお父さんの腕の中で安心して、すやすや眠ってくれますよ。
赤ちゃんの背骨が成長するカギは姿勢!
無理な姿勢で過ごすと赤ちゃんの背骨の成長に影響するため、背骨の成長には姿勢が重要になってきます。
「その時期にとって正しい抱っこの仕方や姿勢をとらせてあげる」のが赤ちゃんの背骨成長を促してくれるのです。CカーブからSカーブへ背骨は、このように変化していきます。
- 生まれてから首がすわるまで…Cカーブのまま
(お母さんのおなかの中と同じ状態) - 首が座るころ…首に前カーブができ始める
- ハイハイが始まるころ…背中にSカーブができ始める
- 歩き始めるころ…腰の骨に前カーブができ始める
- 小学校を卒業するころ…大人のような背骨のSカーブができあがる
まだ首が座っていないころは、Cカーブを意識した姿勢の抱っこを行い背骨をまっすぐにしないよう気をつけましょう。ベッドは硬いものがおすすめです。
首が座るころの抱っこはまだ腰を支える筋力は発達していないため、胸から下を支え、Cカーブを意識しましょう。背骨をまっすぐにして過ごすと、首の前カーブが弱くなってしまいます。
そして、この頃からうつ伏せにしてたくさん遊ばせてあげるのが重要です。頭を持ち上げることで首の前カーブが作られやすくなったり、体幹が鍛えられます。
ハイハイが始まったら、ハイハイを長くさせてあげましょう。手で支えて立たせたり、つかまり立ちをさせたり、というような次の動作はもう少し後にしましょう。
ハイハイすることによって手足の筋肉を使い始めると、肩甲骨の周りやおしりの筋肉が強くなるので、ひとり歩きを始めた時に転びにくくなります。
私の子供はほとんどハイハイをせず早い段階からつかまり立ちと伝い歩きをしてしまったので、体幹が弱くなってしまいました。
走り方が変だったり、椅子にまっすぐ座っていられないので集中力も続かないようなのです。
赤ちゃんも大人と同じで体幹の鍛えることが大事!
「赤ちゃんの体幹を鍛える」と聞いてびっくりしちゃいますよね。大人のようにトレーニングをするわけではないですよ(笑)
赤ちゃんの体幹の鍛え方は、「タミータイム」と呼ばれるうつ伏せ遊びです。
「タミータイム」とは、大人が見守っている中で赤ちゃんがうつ伏せで遊ぶことです。
タミータイムには、頭を持ち上げようと背筋を使うため体幹を鍛えられる、運動神経が発達する効果があります。
また、うつ伏せになると肺が広がり呼吸がしやすくなり呼吸器が発達する、とも言われています。
注意点としては、窒息事故のリスクが高いため、必ず目を離さないことです。
また、必ず平らな場所で行い、布団や毛布などふかふかしているところは避けましょう。
目を離すときや赤ちゃんが眠ってしまった時には、必ず仰向けに戻してあげてくださいね。
生後1ヵ月半を過ぎたくらいから、積極的に「タミータイム」を取り入れてみましょう!うつ伏せの時間や回数に決まりや制限はありません。
はじめは筋肉が未発達のためすぐに頭が床についたり、グズったりうまくいきませんが、徐々に回数や時間を増やして積極的にチャレンジさせましょう!
抱っこの仕方で背骨が曲がることはない!
「首が座らないうちから縦抱きをすると、背骨が曲がる」と聞いたことはありませんか?
よく、「よこ抱きをメインにしたいけど、なぜかよこ抱きを嫌がるから立て抱きをしている、姿勢に問題はないの?」と疑問をよく聞きます。
結論から言うと、縦抱きでは背骨が曲がることはありません。
赤ちゃんは、お母さんのおなかの中にいるころは丸まって過ごしていますよね。そのため、背中を丸めた状態の方が落ち着きやすいのです。
また、「立て抱きをすると首が座りやすくなる」と提唱する育児書や助産師さんもいます。
首が座るまでは、首がだらーんと後ろに曲がるため心配になりますが、抱っこのときに首を支えながら、背中を丸めて抱っこをしてあげましょう。
「普段は横抱き、泣き止んでくれないときは立て抱き」のように使い分けると、赤ちゃんもどちらの抱っこでも慣れてくれますね。
抱っこの姿勢が将来の歯並びに影響する!
抱っこの姿勢が悪いと将来的に虫歯になりやすい、歯並びが悪くなるリスクがあると言われています。
歯並びが悪くなる原因は遺伝的要素もありますが、抱っこの仕方や離乳食のあげ方など後天的要素も大きく関わってきます。
正しい姿勢で抱っこをしていないと、赤ちゃんの首が後ろに倒れてしまい、口が開いた状態になります。
口が開いた状態になると口呼吸になり、唾液が乾燥して虫歯になりやすくなります。
また、赤ちゃんのうちに口を閉じることで舌が上顎にあたり圧がかかり、上顎が広がり歯並びがキレイになります。
しかし、口が開いた状態だと上顎に圧がかからないので、乳歯の時はキレイに見えた歯並びが生え変わるとガタガタになってしまいます。
さらに、口が開いた状態は口周りの筋肉である「口輪筋」が十全に発達せず、滑舌にも関わってくる可能性があります。
まとめ
- 産後の背骨が痛いと感じる原因は菱形筋によるもの
- 慣れない抱っこの姿勢で負担がかかり筋肉のこりや背骨が痛いと感じる
- 片手抱っこをすると菱形筋が伸びて肩甲骨が痛いと感じる
- 産後の背骨の痛みはストレッチや筋トレで軽減できる
- 正しい姿勢で抱っこするとが、赤ちゃんにもお母さんにも負担の軽減になる
- 抱っこ紐は正しくつけることで負担のに軽減になる
- 赤ちゃんはCカーブの姿勢が良い
- 背骨が成長するカギは、赤ちゃんの姿勢にある
- 赤ちゃんも体幹を鍛えることが重要
- 抱っこの姿勢が悪いと将来の歯並びに影響する
赤ちゃんは正しい姿勢で抱っこされることにより安心感を得ることができ、背骨の発達も促されます。
さらに抱っこする側のお母さんの負担も軽減することができます。
もしストレッチなどで痛みが改善しない場合は、可能であれば誰かに頼って抱っこを代わってもらったり、病院の受診も考えてみてくださいね。
生後間もない赤ちゃんは、首がまだ座っていないですよね。そのため、片手で首を支えつつもう片方の手で赤ちゃんを支えることで片手抱っこになりやすく、菱形筋が痛みます。
この抱っこ紐なら、赤ちゃんの首部分を支えるパッドもついています。これなら、片手で首をずっと支えなくてもいいのです。
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