海外移住することになったんだけど、ペットの猫も一緒に行くにはどうしたらいいの?
大切な家族の一員である猫ちゃん、海外移住へも一緒に行きたいですよね。
海外移住にペットの猫も一緒に連れて行くためには、必要な準備や手続きがたくさんあります。
とくに、狂犬病の予防接種を受ける場合は、出発の40日以上前に接種を始めなければいけません。
その他の手続きも確実に済ませるためには、日程に余裕をもって、しっかりと準備を進めましょう。
この記事では、ペットの猫を連れて海外移住をするために必要な手続きを、実際にペットとの移住を経験した方の声とともに解説します。
しっかりと準備をすれば、出国も入国もスムーズに行うことができ、海外移住をしても、大切な家族である猫ちゃんと一緒に暮らせますよ♪
海外移住にペットの猫と一緒に行くための準備を知ろう
大事な猫ちゃんと海外でも一緒に暮らすために、まずはどんな手続きが必要かを知りましょう。
ペットの猫が海外移住するためには、「日本からの出国条件」と「相手国への入国条件」の2つをクリアする必要があります。
出国と入国、それぞれに必要な手続きについてご説明しますね。出国の条件は以下のとおりです。
動物検疫所のホームページを調べてみると、日本を出国するための条件としてこの3つが記載されていました。
相手国に入国するための条件は、国や地域によって異なるので、動物検疫所も確認を取るよう、以下のとおり記載しています。
相手国に入国するための条件(入国条件)が決められていることがあります。入国条件は、日本にある相手国大使館(外部リンク)又は相手国の動物検疫機関に、直接ご確認ください。
犬、猫を輸出するには:動物検疫所
相手国の大使館や動物検疫機関に確認のうえ、入国条件を調べておきましょう。
一例として以下の入国条件をご紹介します。
これらの手続きや準備を確実に進め、猫ちゃんと一緒に海外移住するには、準備のための期間は十分に余裕をもって、しっかりと進めましょう。
ちなみにペット連れでの海外移住を経験した方のブログなどを読むと、4カ月前や、早い方では6カ月も前から準備をしている方もいましたよ。
それぞれの手続きや書類がどのようなものか、順番に説明していきますね。
狂犬病の予防接種は出発の40日以上前に受けよう
日本国内では、猫への狂犬病予防接種は義務ではありませんが、海外へ行く場合は接種をしなければなりません。
相手国によって接種の条件は変わりますが、注意しなければならないのは、2回以上の接種と、抗体値の証明が必要な場合です。
2回の接種を済ませ、抗体の結果を確認するまで、最短でも40日近くかかります。
1回目の予防接種は生後91日以降から受けられますが、2回目は1回目の接種から「30日以上」の間隔を空けなければなりません。
狂犬病の2回目の予防接種は、1回目の接種日から30日以降でないと抗体ができないからです。
せっかく2回接種したのに抗体ができなかったら、抗体検査の証明が必要な国へ入国できなくなってしまいます。
そうならないために、まずは1回目の接種を出発の40日以上前に済ませましょう。
抗体検査の結果が出るまで、検査機関に検体が到着してから1週間ほどかかります。
1回目の接種を0日目として数えると、抗体検査証明書の取得まで、最短スケジュールでも以下の日数が必要です。
1回目接種(0日目)
↓
2回目接種(30日目)
抗体検査
↓
抗体検査結果(37日目)
具体的な日数を見ると、準備に時間のかかることがよくわかりますね!
それに、あなたや猫ちゃんの具合が悪くなって、予定通りのスケジュールで接種ができないことも考えられます。
海外移住に向けた準備の中でも、とくに狂犬病の予防接種は、日数に余裕をもって進めましょう。
マイクロチップ装着も義務づけている国がある
ペットが入国するための条件として、マイクロチップの装着を義務付けている国があります。
ちなみに日本も、指定地域以外からペットを入国させるには、マイクロチップの装着が必要です。
指定地域とは以下6地域のことで、それ以外はすべて「指定地域以外」です。
- アイスランド
- オーストラリア
- ニュージーランド
- フィジー諸島
- ハワイ
- グアム
令和4年6月1日から、日本では、ブリーダーやペットショップなどで販売される犬や猫への、マイクロチップ装着が義務付けられています。
それ以前に購入した猫ちゃんや、友人や施設から譲り受けた猫ちゃんは、動物病院などでマイクロチップを装着してもらいましょう。
予防接種の記録を残すために、マイクロチップは予防接種を受ける前に装着しようね。
と、海外移住の先輩から大事なアドバイスもありました!
相手国の条件に合った書類をそろえよう
狂犬病予防接種やマイクロチップ装着のほか、ペットの猫が入国するために必要な書類や条件は、入国する国や地域によって違います。
こここでは、必要となる書類の例をお伝えします。
- 輸入許可証
- 狂犬病予防接種注射証
- 狂犬病抗体検査証明書
- 猫インフルエンザ、猫腸炎などの予防接種証明書
- 健康診断書
- 在住(期間)証明書
- 輸入検疫証明書
実際にどの書類が必要かは、日本にある相手国の大使館か、相手国の動物検疫機関に確認しましょう。
また、これらの証明書類は英文で用意する必要がありますので、動物病院などに発行を依頼する際は気を付けてくださいね。
輸出検疫証明書が発行されると出国できる
相手国が必要としている書類をそろえて、輸出検疫を受けると、輸出検疫証明書(英文)が発行されます。
輸出検疫は、出発前に、動物検疫所で受けなければいけません。
検査は出発当日に受けられますが、入国条件の内容によっては検査場所が限られたり、検査に日数がかかったりすることがあります。
そのため、出発の予定が決まったらなるべく早めに、遅くとも10日前までに動物検疫所へ連絡し、輸出検査申請書を提出しておきましょう。
ちなみに、申請書の提出は「NACCS(動物検疫関連業務)」へのオンライン申請も可能です。
それから、オーストラリアやEUの一部では、この輸出検疫証明書に獣医師のサインが必要です。
その場合は、獣医師による検査が可能な輸出検疫の日時を、事前に確認してください。
また、輸出検疫の際、書類に不備があると、出国できなくなってしまうこともあります。
そのような事態を防ぐため、出発する空港の動物検疫所に、準備した書類、またはその下書きをFAXやメールなどで事前に送付し、内容を確認しておいてもらうと安心です。
飛行機の搭乗手続きは、自分のことだけでも時間や手間がかかります。
さらに猫ちゃんの手続きまで必要となると、これは確かに大変ですね。
輸入検疫の厳しさは国や地域によって違う
相手国における入国審査の際に輸入検疫を受け、この検疫をパスすると、ようやく入国できます。
輸入検疫の内容や厳しさは、国や地域によってさまざまなようです。
簡単な質問をされただけですんなり通れて、拍子抜けしちゃった。
こちらはオランダへ海外移住した方の、輸入検疫に対する感想です。動物に寛容な国では、ペットの輸入検疫もそれほど厳しくないのかもしれませんね。
反対に、オーストラリアや日本は検疫が厳しいそうです。これは固有の動植物の保護や環境維持のためという、島国ならではの事情もあるようです。
ただし、どの国や地域であっても必ず必要なのが、出国時に発行された輸出検疫証明書です。輸出検疫時には手元に用意しておきましょう。
手続きは代行業者に依頼することもできる
予防接種から入国までの盛り沢山な手続きを、自分の仕事や、移住準備と同時進行するのはとても大変ですよね。
それに、相手国への問い合わせや提出書類が全て英語、という場合もあります。
もし、自分で準備を進める時間や自信がない場合は、代行業者に依頼できますよ。
ペットの海外移住に必要な手続きを、代行業者に依頼するメリットは次の2点です。
- 手間を減らせる
- ミスを避けられる
代行業者を利用することで、出入国の条件を自分で調べる必要がなくなります。
それから、条件に合った書類の作成・申請や、各種証明書・診断書発行などの業務を一括で依頼できます。
猫ちゃんに必要な手続きを業者に依頼して手間を減らせば、自分たちの準備に専念できますね♪
また、業者に依頼することで、プロが確実に手続きを進めてくれます。
日本での輸出検疫を無事に通ったとしても、現地に到着して手続き漏れが見つかったら、猫ちゃんが空港から出られなくなってしまいます。
日本に返送されるだけならまだしも、最悪の場合は「殺処分」という可能性もあります。
業者に任せれば手続きのミスを心配することなく、猫ちゃんと一緒に海外移住ができますね♪
全ての手続きを業者に任せるか、健康診断や予防接種などの実働は自分で行い、その他の準備は業者にやってもらうなど、依頼する内容も業者と相談して決めると良いでしょう。
海外移住でペットを飛行機にのせる方法は2つ
海外移住でペットを飛行機に乗せる方法は、「手荷物として持ち込む」「貨物扱いで送る」のいずれかです。
手荷物として機内へ持ち込めるかどうかは、航空会社によって異なります。
日本国内の航空会社はほぼ全て、機内への持ち込みを禁止しているので、貨物室へ預けなくてはなりません。
大切な猫ちゃんと一緒に飛行機へ乗るためには、機内持ち込みが認められている航空会社を選びましょう。
ただし、以下にあげる国は狂犬病の流入リスクを避けるなどの理由から、手荷物扱いでの持ち込みを認めていません。
- オーストラリア
- ニュージーランド
- イギリス
- 香港
- アラブ首長国連邦(UAE)
これらの国へ海外移住する場合は、貨物扱いで送ることになります。
また、航空会社ごとに、機内持ち込みが認められている動物の種類や、持ち込むキャリーのサイズなどが決められているので、利用する航空会社へ問い合わせるなどして調べましょう。
搭乗までにペットはキャリーに慣らしておこう
ペットにとって、慣れない飛行機のエンジン音や振動はもちろんですが、キャリーに閉じ込められるだけでも相当なストレスがかかります。
飛行機内で使うキャリーに普段から慣らしておくと、移動中のストレスを軽減できます。
貨物でも手荷物でも、移動中はペットをキャリーから出してあげられません。
キャリーに入れて、自動車や電車での移動を経験させることで、多少の振動や音に慣れさせておくのも良いでしょう。
また、飛行機への搭乗時に、いつも遊んでいるおもちゃをキャリーに入れてあげるというアイデアもあります。
長時間のフライトは、人間でもストレスがかかりますよね!
小さな猫ちゃんの負担を考えると、できる限りの準備をして、なるべく快適な環境を整えてあげたいです。
アイリスオーヤマのケージは持ち運びがしやすく、おうちの中でも使えるので、猫ちゃんをケージに慣らすのにも最適ですよ。
海外移住でペットにかかる費用は10~50万円
ペットの海外移住にかかる費用をネットで調べてみると、10~50万円と、かなり幅広い金額が出てきました。
これは、入国する国や日程による違いもありますが、一番大きいのは、手続きをすべて自分で行った場合と、代行業者に頼んだ場合との違いです。
まず、ペットの猫を海外移住に連れて行くために最低限かかる費用を、品目ごとに見てみましょう。
品目 | 費用 |
マイクロチップ装着 | 4,000~6,000円 |
狂犬病予防接種 | 3,000円~5,000円 |
キャリー(ケージ) | 10,000円前後 |
飛行機代 | 15,000円前後 |
合計 | 32,000~37,000円 |
これが必要最低限の品目です。このほかにも必要な品目として、以下のものがあげられます。
- 狂犬病以外の予防接種
- 健康診断
- 各種証明書
- 空港までの移動費
- フード
- おむつ・トイレ用品
- 入国時の検疫
- ペットホテル
- ペットシッター
入国条件の厳しい国だと、狂犬病以外の予防接種や健康診断も受ける場合があり、それらの証明書を発行するにも別途費用がかかります。
そのほか、ペットシッターやペットホテルも利用すると、合計で10万円前後はかかるようです。
そしてこれは、全ての手続きを自分で行った場合の費用です。
手続きを代行業者に依頼した場合の料金は、ペットの種類や渡航先によって異なるため、見積もりをとっておきましょう。
私がネットで経験者のブログなどを見た限りでは、50万円前後はかかるようでした。
ペットの海外移住の手続きは費用を含め、自分でやっても、業者に依頼しても、どちらも大変なんですね。
私は語学に自信がないので、海外への問い合わせや英文での書類準備と聞いただけで、高くても業者に頼みそうです。
でも、もし英語がペラペラだったら、まずは自分で調べてみて、難しい部分だけ業者に頼む、という選択もあるかもしれません。
自分でやるか業者に頼むかは、お金と、時間や手間のバランスを考えて選びたいですね。
海外移住の手続きは業者に依頼できても、必要な品物は自分でそろえないといけませんよね。
飛行機で移動する海外移住では、ペットを入れるキャリーが必須です。
アイリスオーヤマのエアトラベルキャリーで、猫ちゃんと一緒に空の旅へ出発しましょう!
まとめ
- 海外移住にペットの猫を連れて行くための準備はたくさんあって手間がかかる
- 狂犬病予防接種は出発の40日以上前に受けるようにする
- マイクロチップの装着も義務付けている国がある
- 猫の入国条件や検疫の厳しさは国によって違う
- 海外移住にペットの猫を連れて行くための手続きは業者に依頼もできる
- 猫を飛行機にのせる方法は「貨物扱いで送る」「手荷物として持ち込む」のいずれかである
- 普段から移動用のキャリーに慣れさせておくと移動のストレスを軽減できる
- 業者に依頼することで手続きの手間が省け、手続き漏れの心配がなくなる
海外移住は、自分だけでも大変です。でも、大変な海外移住だからこそ、大事な猫ちゃんと一緒に引っ越したいとも思いますよね。
私はペットを飼ってはいませんが、もし、自分の子供に数カ月でも会えなくなったらと考えると、とても寂しいし、悲しいです。
あなたにとっての猫ちゃんは、私にとっての子供と同じ存在だと思います。大切な猫ちゃんが、あなたと一緒に幸せに暮らせることを願っています♪
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