会社やお店と同じように、船でも、いろいろな職種の人が働いていますよね。
小型船舶操縦士や潜水士、救命艇手など、資格もさまざまです。
そのなかでも「海技士」は、20トン以上の大型漁船や客船、貨物船などの運航に必要な国家資格で、船舶の大きさや航行区域によって1~6級まで分かれています。
6級海技士免許の取り方は、「2年以上の乗船履歴を得る」か「6級海技士短期コースを修了する」のいずれかで、どちらも国家試験を受ける必要があります。
もっとも短期間での取り方は、「6級海技士短期養成コースを修了する」ことで、最短10.5カ月で受験資格が得られます。
転職のために資格取得をするなら、短期での取り方があると嬉しいですよね。
取得までにかけられる費用や期間を考えて、自分に合った6級海技士免許の取り方を選びましょう!
6級海技士免許の取り方は短期養成コースが一番早い
6級海技士免許を取得するには、「2年以上の乗船履歴を得る」か「6級海技士短期養成コースを修了する」ことで、受験資格を得る必要があります。
「2年以上の乗船履歴」は船員として働くか、船舶職員養成施設に通うことで得られます。
「6級海技士短期養成コース」は船舶職員養成施設で実施されている講習のひとつで、最も短い期間で取得できる6級海技士免許の取り方です。
転職のために海技士免許を取るなら、最短で取りたいと思いますよね。
それに、船舶職員養成施設での課程を修了すると、学科試験のうち、筆記試験が免除されるというメリットもあります。
通常は、総トン数5トン以上の船舶に2年以上の乗船履歴が必要ですが、「6級海技士短期養成コース」を修了すると、乗船経験2年未満でも6級海技士の受験資格が得られます。
6級海技士短期養成コースで受験資格を得るまでに必要な内容と日数は、以下の通りです。
- 座学 2.5カ月
- 乗船実習 2カ月
- 乗船経験 6カ月
6級海技士短期養成コースを修了すれば、最短10.5カ月で6級海技士国家試験を受けられます。
すでに社会人として働いており、転職のために6級海技士免許を取得したい人にとって、短期間で取得できる方法はありがたいですね!
6級海技士短期養成コースを実施している施設
「6級海技士短期養成コース」は最も短期間での6級海技士免許の取り方です。
このコースを実施している「一般財団法人尾道海技学院」と「株式会社日本海洋資格センター」をご紹介します。
施設名 | 一般財団法人 尾道海技学院 |
所在地 | 広島県尾道市栗原東二丁目18番43号(本部) |
講習場所 | 尾道海技学院 |
学費等 | 航海科:約60万円 機関科:約20万円 |
学費のほかに、作業服代や、乗船実習費などもかかります。
講習が行われる場所は、航海科と機関科のいずれも尾道海技学院ですが、機関科は「公益法人日本船員雇用促進センター(SECOJ)」主催で実施されています。
施設名 | 株式会社 日本海洋資格センター |
所在地 | 福岡県福岡市博多区博多駅前3-2-1日本生命博多駅前ビル3F |
講習場所 | JML九州海技学院(熊本県)、JML関西事務所(兵庫県) |
受講料 | 約26万円 |
こちらも、受講料のほかに諸経費がかかります。募集要項や費用などの詳細は、各施設に問い合わせてください。
自宅などから通えない場合は、講習受講中の宿泊滞在費も必要になりますね。
また、実施施設や実施場所が変わる可能性もありますので、国土交通省のホームページなどで確認しましょう。
私は「短期間で取得できるのはいいな」と思いましたが、学費以外にも費用がかかることを考えると、簡単には選べないとも感じました。
受験までにかけられる費用と期間など、自分に可能な取り方かどうかをよく考えて、受講するかを決めましょう。
6級海技士の取り方と試験について解説
6級海技士免許を取得するには、総トン数5トン以上の船舶に2年以上の乗船履歴を得るか、6級海技士短期養成コースを修了する必要があります。
いずれかの条件を満たすと「6級海技士国家試験」を受けることができます。
試験から免許取得までの流れは以下の通りです。
- 「6級海技士国家試験」受験、合格
- 「海技免許講習」受講、修了
- 免許申請
- 免状交付
ちなみに、受験に年齢制限はありませんが、免許を取得できるのは18歳以上です。
海技士国家試験の試験は年度ごとに4回、6・7・10・2月に、各地の運輸局で実施されます。
6級海技士国家試験の受験費用を以下にまとめました。
項目 | 費用 |
筆記試験代 | 2,400円 |
身体検査代 | 870円 |
口述試験代 | 3,000円 |
登録免許税 | 2,100円 |
6級海技士試験を受験するには、海技士試験申請書に必要書類を添えて、国土交通大臣に提出します。
6級海技士試験の必要書類を以下にまとめました。全員が必要なものと、該当者のみ必要なものがあります。
申請書以外に必要な書類がたくさんありますね!
私はおっちょこちょいなので、こんなにたくさんあると、どれかは忘れてしまいそうです(汗)
それに、受験資格の取り方や、免除・省略を受ける項目によって必要な書類が変わってきます。
実際に申請する際は、自分が受験する会場となる運輸局で確認してくださいね。
また、6級海技士には「航海」と「機関」の2種類があり、免許の取り方はどちらも同じですが、合格後に就ける職務の内容が異なります。
6級海技士(航海)試験に合格すると「航海士」として、6級海技士(機関)試験に合格すると「機関士」として働くことができます。
同じ級でも、航海士と機関士では仕事の内容が違いますよね!
私は「機関士」と聞くと、蒸気機関車が思い浮かびます(笑)
でも、蒸気機関車も船舶もエンジンがあるので、どちらにも機関士がいるんですね!
海技士の中でも、自分がどの仕事をしたいのかをよく考えてから、「航海」と「機関」のどちらを受験するかを決めましょう。
2年以上の乗船履歴には条件が4つある
6級海技士国家試験の受験資格である2年以上の乗船履歴は、船舶の大きさ以外に、以下の条件を満たしていなければなりません。
- 試験開始期日前15年以内の乗船履歴である
- 15歳以降の乗船履歴である
- 船舶の運航、機関の運転に従事しない職務の履歴ではない
- 試験開始期日から5年以内の乗船履歴が1日以上ある
船舶の大きさと期間のほかにも、いろいろな条件があるんですね!
試験開始期日の前日までに、2年の乗船履歴とこれらの条件を満たすことで、受験資格が得られます。
ただし、乗船履歴を満たしていないくても、筆記試験のみを受験することはできます。
6級海技士の試験は身体検査と学科試験がある
6級海技士免許の取り方である「海技士国家試験」は身体検査と学科試験があり、学科試験には口述試験と筆記試験があります。
6級海技士の身体検査項目と合格基準は、以下の通りです。
種別 | 項目 | 合格基準 |
航海 | 視力 | 視力(矯正視力を含む)が 両眼共に0.5以上 |
機関 | 視力 | 視力(矯正視力を含む)が 両眼で0.4以上 |
航海 および 機関 | 色覚 | 船舶職員としての職務に支障を きたす可能性のある色覚の異常 がない |
〃 | 聴力 | 5m以上の距離での話声語が 聞こえる |
〃 | 疾病および 身体機能の 障害の有無 | 視覚機能の障害、精神機能の 障害、言語機能の障害、運動 機能の障害、心臓疾患、その他の 疾病または身体機能の障害により 船舶職員としての職務に支障を きたさないと認められること |
同じ6級海技士でも「航海」か「機関」かによって、視力の合格基準が異なります。
自分が受ける資格試験の基準を満たせているか、事前に確認しておくと良いですね。
6級海技士の学科試験は筆記試験と口述試験があります。
筆記と口述のどちらも受ける場合、筆記試験に合格しないと口述試験を受けることができません。
受験資格の取り方が、船舶職員養成施設の課程修了である場合は、筆記試験が免除されます。
いざ試験となると、緊張してしまい、「覚えていたはずなのに答えが出てこない!」なんてこともありますよね。
ちなみに私は以前、とある資格の筆記試験で1点足りずに不合格になったことがあり、今でも、「あの答えさえ書けていれば」と思います。
事前に課程や講習を修了して、筆記試験が免除されると、試験のプレッシャーがひとつ減りますね♪
6級海技士が操作できる船舶の種類を解説
海技士は、級によって運航できる船舶の種類が異なり、6級海技士が運航できる船舶は、以下の2種類です。
- 平水・沿海を航行区域とする、総トン数200トン未満の船舶と漁船
- 沿海を航行区域とする総トン数200トン以上500トン未満の船舶と漁船
5級以上の海技士は、近海・遠洋を航行区域とする船舶・漁船を運航することができます。
また、3級以上の海技士になると、近海・遠洋を航行区域とする、総トン数5000トン以上の船舶・漁船を運航することができます。
6級海技士免許の取り方には受験講習の受講もあり
受験資格である乗船履歴を満たしている方を対象に、6級海技士免許講習を実施している船舶職員養成施設があります。
例として、「一般財団法人関門海技協会」が実施している、6級海技士免許講習の概要をご紹介します。
種類 | 6級海技士(航海・機関) 受験コース | 6級海技士(航海) 養成コース(筆記試験免除コース) |
期間 | 9日間 | 6日間 |
対象 | 総トン数5トン以上の船舶に2年以上の 乗船履歴を証明できる方 | 5年以上の甲板部乗船履歴を証明できる方 |
費用 | およそ20~25万円 | およそ10~15万円 |
詳しい募集要項は公式ホームページなどで確認してください。以下に、その他の実施機関もご紹介します。
働きながら2年の乗船履歴を得た方で、独学だけでの受験が不安な方は、試験前に講習を受けると良いですね。
まとめ
- 6級海技士受験資格の取り方は「2年以上の乗船経験を積む」と「6級海技士短期養成コースを修了する」の2種類がある
- 6級海技士短期養成コースは、6級海技士免許の取り方の中で最も短い期間で受験資格が得られる
- 6級海技士短期養成コースは「尾道海技学院」と「株式会社日本海洋資格センター」で実施されている
- 6級海技士の受験資格を得るためには、通常は総トン数5トン以上の船舶に2年以上の乗船履歴が必要である
- 6級海技士には航海と機関の2種類があり、職務の内容が大きく異なる
- 乗船履歴は、船舶の大きさと期間以外に4つの条件がある
- 6級海技士試験の受験申請では、受験資格の取り方や、免除・省略を受ける科目によって必要な書類が異なる
- 船舶職員養成施設の課程を修了すると、試験科目のうち筆記試験が免除される
- 6級海技士の試験内容は身体検査と学科試験がある
- 受験資格のある人を対象に、6級海技士受験講習を実施している船舶職員養成施設がある
6級海技士免許の取り方、調べてみるといろいろありましたね!
社会人の私としては、もし6級海技士の取得を目指すなら、学んでいる間の生活費などを考えて、船員として働きながら2年間の乗船経験を積む、という取り方を選ぶかなと思いました。
でも、短期間で取得できる「6級海技士短期養成コース」も魅力的ですよね。
あなたの目指す道や、資格取得までにかけられる時間・費用などを考えて、自分に合った6級海技士の取り方を選んでください。
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