ウェブ会議や動画配信などに必須のマイク付きヘッドホンは、種類がいろいろあって、どれを買ったらいいか迷いますよね。
価格や機能で選ぶ前に、まず気を付けるべきなのがプラグの規格です。
マイク付きヘッドホンのプラグは主に4極と3極の2種類があります。
4極は、1本のプラグで音声出力と音声入力ができますが、3極は1本のプラグで両方の機能を持てないという点が、2種類の違いです。
正しいプラグのマイク付きヘッドホンを選ばないと、せっかくの機能が使えなかったり、故障の原因となったりすることがあります。
そのような事態をさけるため、この記事ではプラグの4極と3極の違いや、選び方を解説します。
プラグの4極と3極の違いを理解すれば、正しいプラグが選べて「音声が聞こえない!」などと慌てることなく、通話や配信をスムーズに行えますね!
マイク付きヘッドホンの4極と3極の違いを解説!
マイク付きヘッドホンのプラグは、主に3極か4極です。
プラグとは、スマホやパソコンなどに差し込む金属部分のことで、この金属部分にある輪(絶縁体リング)の本数が、4極は3本で3極は2本です。
それから、プラグの差し込み口の方を「ジャック」といいます。
マイク付きヘッドホンについているプラグの違いは、4極は1本のプラグで音声入力と音声出力の両方ができ、3極は音声入力用と音声出力用、2本のプラグが付いているという点です。
また、4極のマイク付きヘッドホンは、3極には音量調節機能も付いています。
4極と3極が主に使用される機器は、以下の通りです。
- 4極
スマートフォン、タブレットなど - 3極
音楽プレイヤー、パソコンなど
※パソコンは4極対応も増えている
4極ジャックのスマートフォンやタブレットに3極プラグのヘッドホンを差しても、問題なく音声が聞こえます。
3極ジャックの音楽プレイヤーやパソコンに4極プラグのマイク付きヘッドホンを差すと、音声は聞こえますが、マイク機能と音量操作機能は使えません。
また、機種によっては音声が小さい、聞こえないといった不具合が起こることもあります。
せっかくマイク付きのヘッドホンを買ったのに、マイク機能が使えなかったら意味がないですよね。
それに、音声すら聞こえなかったら全く使えなくなってしまいます。
マイク付きヘッドホンを買うときはまず、パソコンやタブレットなど、自分が使う機器のジャックを確認することが大切ですね。
私の職場でも、ウェブ研修の導入に合わせて、マイク付きヘッドホンを購入したことがあります。
その時は、研修の責任者になった方が機械に詳しくなくて、製品ごとの違いがわからず、事務員さんにいろいろと教えてもらっていました。
でも、テレワークなどで自宅にいると、誰かにすぐ教えてもらうのが難しいこともありますよね。
そんな時は、パソコンジャックの規格をきちんと確認してから、マイク付きヘッドホンを選びましょう。
4極はCITAとOMTPの違いにも気を付けよう
マイク付きヘッドホンの4極プラグは、さらに以下の規格に分かれます。
- CITA
最近の主流 - OMTP
海外モデルや2011年頃までの古いモデル
この2種類には互換性がないので、種類を間違えると、音が出ない、マイクが使えないといった不具合が起きるので注意が必要です。
なんだかややこしいですね。世界で統一基準を決めてくれないかなぁ、なんて思ってしまいます(笑)
でも、最近のものはだいたいがCITAのようです。海外モデルや古いモデルのスマートフォンなどに接続する際は気を付けましょう。
それから、この2つの規格は、説明書や製品自体に書かれていないことがあります。
心配な場合は、購入前にメーカーへ問い合わせてくださいね。
プラグには2極と5極もある!それぞれ解説
マイク付きヘッドホンのプラグは3極か4極が主ですが、その他のイヤホンプラグには、2極と5極も存在します。
2・3・4・5極、それぞれの違いについて解説します。
プラグ | 機能 |
2極 | モノラル音声 |
3極 | ステレオ音声 |
4極 | ステレオ音声+マイク・音量調節 |
5極 | 4極機能+ノイズキャセリング機能 |
2極は音声の出力がモノラル形式で、それ以外はステレオ形式です。
モノラルは、1つのスピーカーがあれば聞ける、または左右のスピーカーやイヤホンから同じ音声が流れます。
ステレオは、2つのスピーカーやイヤホンで聞き、それぞれ違う音が流れるため、より立体的な音声が聞こえます。
現在はパソコンやスマートフォンに限らず、テレビやラジオも、ほとんどがステレオ放送です。
4極はステレオ音声にマイクと音量調節機能を追加したもので、5極は4極にノイズキャンセリング機能を追加したものです。
音声を聞くだけなら2極か3極、自分も話すなら4極か5極で、さらに騒音を低減させるなら5極、といった感じですね。
また、これらのプラグのほかに、ワイヤレスで使用できるBluetooth接続や、USBコネクタでの接続があります。
このように、イヤホンにはさまざまな種類の接続機器があるため、イヤホンを使う目的と、使用する機器に合ったプラグを選びましょう。
マイク付きヘッドホンの4極を3極に変換する方法
しまった!パソコンは3極なのに、4極のマイク付きヘッドホンを買ってしまった。どうしよう・・・。
マイク付きヘッドホンを買ってからパソコンの規格と違うことに気づいた、なんてこともありますよね。
間違えて買ってしまった時は、「変換ケーブル」で解決しましょう!
変換ケーブルには、3極のプラグを4極に変換するタイプと、4極のプラグを3極に変換するタイプがあり、さまざまなメーカーが製造しています。
ここでは国内メーカーの変換ケーブルをご紹介します。
メーカー名 | 品番・型番 (3極→4極) | 品番・型番 (4極→3極) | ケーブル 長さ | 参考価格 |
サンワ サプライ | KM-A25- 005 | KM-A24- 005 | 約5㎝ | 1,323円 |
エレコム | AV- 35AD02BK | AV- 35AD01BK | 約5㎝ | 1,100円 |
エスエスエー サービス | ST35- SM35F | ST35- SM35M | 約10㎝ | 500円 |
ミヨシ | PAA-3P4P | PAA-4P3P | 約15㎝ | 800円 |
昔はパソコンもマイク付きヘッドホンも3極が主流でしたが、最近はスマートフォンやタブレットの普及により、4極タイプが増えています。
私が昨年買ったノートパソコンも、確認してみたら4極ジャックでした。
3極ジャックのパソコンでは、使えるマイク付きヘッドホンの選択肢が限られてしまいます。
自分が気に入って買った4極のマイク付きヘッドホンを、3極のパソコンでも使いたい、という場合に使えるのが、変換ケーブルです。
また、パソコンに合わせて買った3極のマイク付きヘッドホンも、変換ケーブルを使うことでスマートフォンやタブレットで使えるようになります。
変換ケーブルがあれば、マイク付きヘッドホンを自宅ではパソコンにつないで使い、外出先では手軽なタブレットで使うなど、機器を使い分けられて便利ですね。
せっかく買ったマイク付きヘッドホンが、パソコンで使えないのは困りますよね。
4極プラグのマイク付きヘッドホンを3極のパソコンで使用するためには、変換ケーブルを使いましょう。
エレコムのオーディオ変換ケーブルは、マイク用プラグとヘッドホン用プラグで色を変えているので、どちらに差し込むかがわかりやすいですよ。
マイク付きヘッドホンの4極を機器が認識しない原因
プラグの規格が違う場合以外にも、4極のマイク付きヘッドホンをパソコンが認識しないことがあります。
規格以外に考えられる原因として、接続不良や、パソコンの設定、システムファイルの不具合などが考えられます。
まずは、マイク付きヘッドホンの4極プラグと、パソコンのジャックが「接続不良」になっていないかを確認しましょう。
「規格違い」以外の接続不良として考えられる原因と対処法は、以下の2点です。
- プラグがジャックにきちんと差し込まれていない
→プラグをジャックに差し込み直す - プラグが汚れている
→プラグを柔らかい布などで拭いてから差し込み直す
新しいマイク付きヘッドホンを使う時は、どこまで差し込んでいいかがわからず、奥まで差し込まれていなかったり、接続がゆるんでいることがあります。
プラグを一度引き抜いて、再度しっかりと差し込み直しましょう。
反対に、古いマイク付きヘッドホンを久しぶりに使う時は、ヘッドセットのプラグ部分が汚れているせいで、接触不良になっているかもしれません。
プラグの部分を、柔らかい布などで優しく拭き取ってから、差し込み直してみましょう。
新品のパソコンを買った時も、電源が入らないと思ったら、電源プラグがコンセントにしっかりと差し込まれていなかった、なんてことがありますよね。
それと同じように、まずは単純なところから原因を探ってみましょう。
ちなみに、パソコンの電源プラグをしっかり差し込んでいなかったのは私です。
その時はカスタマーに電話して1分で解決しました(笑)。
接続不良以外の原因はレコーダー機能で確認しよう
接続不良以外で、パソコンが4極のマイク付きヘッドホンを認識しない原因を見つけるためには、Windowsのレコーダー機能で、マイクが認識されているかを確認しましょう。
マイクが認識されているかどうかは、ボイスレコーダー(またはサウンドレコーダー)を使って以下の手順で確認します。
これで音声が録音されていれば、パソコンはヘッドホンのマイクを認識しています。
音声を認識しないのは、ヘッドホンを使おうとした「特定のアプリ」ということになります。
その場合は、以下の手順でアプリの設定を確認してみましょう。
私は、スマートフォンの通話アプリでイヤホンを使った時に、音声が聞こえなくて焦ったことがあります。
その時は、アプリの設定でマイクを許可していなかったことが原因でした。
パソコンでも、同じ可能性が考えられるのですね。
アプリのアクセス許可でマイクをオンにしても音声が聞こえない場合は、アプリを再インストールしてみましょう。
録音を再生しても聞こえない原因と対処法
録音を再生しても何も聞こえなければ、パソコンに問題が発生している可能性があり、以下の原因が考えられます。
- マイクのデバイス設定
- マイクへのアクセス設定
- パソコンのシステムトラブル
- オーディオドライバーの問題
これらの原因ごとに、対処法をご紹介していきます。
<マイクのデバイス設定>
マイクのデバイス設定が無効になっていると、パソコンがヘッドホンを認識しません。
この場合は、マイクのデバイス設定を有効化します。
こちらは、Windows10で設定を有効にする場合の手順です。
以上が、マイクのデバイス設定を有効にする手順です。
<マイクへのアクセス設定>
パソコンからマイクへのアクセスがオフになっていると、ヘッドホンを認識しません。
この場合、パソコンの設定からマイクをオンにします。
レコーダーで録音した音声が聞こえた場合は、アプリごとのマイク設定をオンにしますが、音声が聞こえない場合は、パソコン自体のマイク設定がオフになっている可能性があります。
その場合は、この手順で設定をオンにできます。
<パソコンのシステムトラブル>
パソコンのシステムトラブルでヘッドホンの音が認識されない場合は、マイクのトラブルシューティングを実行しましょう。
Windows11では、スピーカーのアイコンを右クリックした時点で「サウンド問題のトラブルシューティング」が表示されるので、自動診断を実行しましょう。
<オーディオドライバーの問題>
最後に、パソコンのオーディオドライバーに問題が起きている場合の対処方法をご紹介します。
オーディオドライバーとは、パソコンと、パソコンにつなぐ機器(今回の場合はヘッドホン)の間で情報伝達の仲立ちをするシステムです。
この場合の対処方法は、以下の2つがあります。
- オーディオドライバーを更新する
- オーディオドライバーの再インストールを実行する
オーディオドライバーのバージョンが古いためにマイクが正しく機能していない場合は、オーディオドライバーを更新します。
ヘッドホンのオーディオドライバーを更新する方法を紹介します。
以上の手順で、オーディオドライバーの更新をしても問題が解決しない場合は、オーディオドライバーを再インストールします。
ただし、この方法はオーディオドライバーをいったん削除することになります。
削除後に再インストールされない可能性もありますので、慎重に行ってください。
以上が、パソコンに問題が発生している場合の対処方法です。
せっかく買ったマイク付きヘッドホンがなかなか使えないとイライラしてしまうかもしれません。
ですが、使えない原因も対処方法もいろいろありますので、一つずつ試して原因を探っていきましょう。
最後の手段はマイク付きヘッドホンの交換
パソコンがマイク付きヘッドホンを認識しない原因を探り、対処法を試しても改善がみられない場合は、ヘッドホンの交換を考えましょう。
もしかしたら、ヘッドホンの配線が切れているかもしれませんし、マイク機能が故障しているかもしれません。
ヘッドホンが古い物であれば仕方ないですし、新しく買ったヘッドホンなら保証がききます。
ヘッドホンを買い替える時は、パソコンの規格をよく確認してから購入しましょう。
新しく買ったばかりのヘッドホンなら、販売店やメーカーに連絡して、交換してもらいましょう。
まとめ
- マイク付きヘッドホンのプラグは主に4極と3極の2種類がある
- 3極プラグと4極プラグはどちらもステレオ音声である
- 4極プラグは1本に音声入力出力、両方の機能があるが、3極プラグは1本で両方の機能を持つことができないという違いがある
- 4極プラグのマイク付きヘッドホンには、音量調節機能も付いている
- 2極プラグは音声がモノラルで、5極プラグはノイズキャセリング機能がある
- 4極プラグにはCITAとOMTPの2種類があり、現在の主流はCITA
- マイク付きヘッドホンを購入する時は、使う機器のジャックが何極かを確認する
- パソコンと規格違いのマイク付きヘッドホンでも、変換ケーブルでつなげば使えるようになる
- 4極プラグを機器が認識しない原因には、接続不良やパソコン側の問題、ヘッドホンの問題などがある
ヘッドホンのプラグにもいろいろな規格があるとは、驚きでした!
気に入って購入したマイク付きヘッドホンなのに「プラグの規格違いが原因で使えない」とならないよう、購入前に規格を確認することが大切ですね。
それでも、もし間違って買ってしまった場合は変換ケーブルで対応できるので安心です。
マイク付きヘッドホンと機器がつながれば、通話や配信もスムーズに行えて、快適なウェブ環境が作れますね♪
マイク付きヘッドホンとパソコンの規格が違った時は、変換ケーブルの出番です!
エレコムの変換ケーブルは、4極プラグを3極に変換するタイプと、3極プラグを4極に変換するタイプ、どちらも選べます。
お気に入りのヘッドホンを、パソコンでもタブレットでも快適に使いましょう♪
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