「今日は魚が食べたい!」と思って買っても、鱗の取り方が不十分だと臭みも残るし、口当たりも悪くなって、せっかくの魚料理が台無しになってしまいますよね?
私は、夏によく釣りに行って楽しい時間を過ごすのですが、魚を捌くのが苦手で、いつも友達に任せっぱなしでしたがそんな私でも、今ではサクサク鱗を取ってます!
やればできるものなんですよ!コツさえつかめば苦手意識もなく、あなたもさっさと鱗の取り方ができます♪
鱗の取り方は、包丁全体を使い、鱗の流れに逆らう取り方と、包丁以外でペットボトルのキャップやスプーン、熱湯を使った利用可能な裏技もありますよ。
そこで今回は、魚の切り身や1匹まるままの魚に鱗が付いているけど、どう取るか分からないあなたに魚料理の基本である鱗の取り方をご紹介します。
鱗の取り方は包丁で「ばら引き」か「すき引き」をする!
包丁を使った鱗との取り方には、「ばら引き」「すき引き」の2つの方法があります。
鱗の取り方は魚料理の基本ですが、「ばら引き」「すき引き」とも、コツは包丁の刃先、刃元、そして全体を使って、鱗の流れと逆方向に表面をなでるようにしてはがしましょう!
この時あまり力を入れすぎないでくださいね。魚の身が傷ついてしまいます!
また、包丁を動かす動作を細かくすると鱗が飛びにくくなりますよ。
まずは「ばら引き」の手順をご紹介しますので、鱗を取りたい魚をご用意してください!
- まな板の上に魚の頭を左、腹を下にして、魚の頭をしっかり押さえる
- 包丁を尾から頭に向かって動かし、全体の大まかな鱗をはがす
- 魚を裏返して同じようにして鱗をはがす
- 包丁の刃先を使って尾から頭に向かって細かく包丁を動かしながら残りの鱗を取る
- 魚を裏返して同じように残った鱗を取る
- ささっと水洗いして、水気をふき取る
魚を水で濡らしておくと鱗が取りやすくなるよ!
頭の周りやヒレの下には鱗が残りやすいので、忘れずにしっかり取り除いてくださいね。
また、背びれ側は刃先で、真ん中の胴体部分は刃の中央、腹びれ側は刃元を使って包丁全体で鱗を取っていきます。
包丁全体を使うことで、魚のカーブ部分もきれいに取れますが、ヒレやとげには十分注意してくださいね。
私は、魚がヌルヌルしてよく滑るので、軍手をはめて鱗を取っていました。しっかりと魚を固定させられるし、けがも防げるのでおすすめですよ。
次は鱗が硬くて、身が分厚かったりする魚に向いている「すき引き」の手順をご紹介しますね。
- まな板の上に魚の頭を右、腹を下にして、魚の頭をしっかり押さえる
- 片手で魚の胴体を押さえながら、尾の中央部分に浅く、薄く包丁を入れる
- 魚の中央部分の硬い鱗と薄皮を尾から頭に向かって包丁を上下させる
- 魚を裏返して同じように硬い鱗と薄皮をそぐ
- 背側や腹側の硬い鱗もそぎ取る
- ささっと水洗いして、水気をふき取る
「すき引き」は、鱗が付いている身ごと薄く帯状にそぎ取る方法ですが、手順5の後は、「ばら引き」方法で残った鱗を取ってくださいね。
必ず、魚を押さえる手の方向に包丁が向かって来ないよう、包丁を上下させてくださいね。
コツとして、背側は鱗の取り方を、まな板の手前まで魚を持ってきて、角度を調整しながら行ってください。
腹側は、魚を押さえている手で軽く腹の部分を浮かせるような感じにすると、鱗を取りやすくなります。
鱗の取り方さえ覚えていれば調理しやすくなりますし、料理の幅も広がりますね。
スーパーで切り身の魚を買うのもいいですが、1匹丸ごと買うと、アラ、骨、頭なども余すことなく料理ができて、実は経済的なんですよ。
包丁を使うのが不安なあなたには鱗取り器がおすすめ
鱗の取り方が初めてで、包丁を使う方法にちょっと不安があるあなたには、包丁と同じように鱗がザクザク簡単に取れる「鱗取り器」をおすすめします。
一般家庭ではなかなかなじみが薄いものですが、プロの料理人や釣り好きの方は愛用している、鱗の取り方専用器具です。
今では色々な種類の鱗取り器が出回っていて、中には鱗が飛び散らないように工夫されたものもあります。
また魚を傷つけずに済むので鱗の取り方用に1本用意しておくと重宝しますよ。
私も1本持っていますが、真鍮製のスタンダードな鱗取り器です。魚釣りに行くときには常に持参しています。
それでは、それぞれ材質が違う鱗取り器を3種類ご紹介していきます。
1 真鍮製鱗取り器
- ヘッドが金色で昔ながらの鱗取り器
- 腐食に強く長持ち
- グリップは木製で握りやすく、滑りにくい
- 鯛やスズキなどの大型魚におすすめ
- 180㎜と195㎜タイプがある
昔ながらのスタンダードな鱗取り器ですが、未だ根強い人気の商品です。
レビューでは、「思ったより鱗が飛び散らない」「力を入れなくても鱗がザクザク取れる」と高評価です。
使用後は、水気をよくふき取って乾かしてください。塩分や水などが残っていると緑色のさび(緑青:りょくしょう)の原因になりますので、お手入れはしっかりとしましょう。
2 ステンレス製の鱗取り器
- ステンレス製で錆びにくい
- ヘッドとグリップが一体型のオールステンレス
- 価格も¥600台からありリーズナブル
- ヘッドに安全カバーが付き
- コンパクトで軽量
- 鱗飛び散り防止付きの商品もある
一般家庭に普及しているタイプで、洗いやすく、衛生面でも安心の鱗取り器です。
ただ、グリップがステンレス製で滑りやすいため、使用時のけがには要注意です。
3 プラスチック製の鱗取り器
- 初心者や鱗取りの機会が少ない人向け
- 軽量で手が疲れない
- 価格も¥500台からありリーズナブル
- 2刃タイプもあるので大・小魚どちらもOK
- 鱗飛び散り防止付きの商品もある
プラスチック製は金属を使っていないため、けがの心配がありませんね。
鱗の取り方に慣れていない方は、包丁より安全で、特にプラスチック製がおすすめです。
使用頻度や料理をする魚に合わせて1本キッチンにあると便利ですので参考にしてくださいね。
鱗の取り方は簡単にペットボトルのキャップでできる!
魚の鱗の取り方で包丁を使わず簡単にできる方法は、家にある使用済みのペットボトルのキャップでできるんですよ。
鱗の取り方は簡単で、ペットボトルのキャップの裏側に魚にあてて、尾から頭に向かってごしごし左右に動かすだけです。
もしやりにくければ、鱗の取り方を始める前に、背びれや胸ヒレなどの刺さってけがをしやすい部位はキッチンバサミで切り取ってしまいましょう!
ヒレはキッチンバサミで簡単に切り取れるよ!
ペットボトルの裏側はギザギザしているため、そこに鱗が引っ掛かりザクザク取れていきます。
鱗がキャップの裏側に溜まっていくので、その都度鱗を捨ててまた作業を始めてください。この方法は、特に小・中型の魚がやりやすいです。
包丁を使うよりは簡単で、飛び散りにくいので、鱗の取り方に慣れていないあなたにはぴったりの方法ですね。
包丁も鱗も硬いので、硬いもの同士反発しあい、鱗が包丁の刃に引っかかりやすくなって、結果、鱗が飛び散る原因になってしまうんです。
ですがペットボトルのキャップは弾力性があるため、引っかかりにくく、鱗が飛び散るのを抑えてくれますので、後の掃除も楽できちゃいますよ。
それに、ペットボトルのキャップはわざわざ買わなくても家にありますし、使い捨て出来るので、ストックしておくと便利ですね。
また、ペットボトルのキャップは小さく、鱗との距離も近いので、指を擦ってしまいやすいです。
十分怪我には気を付けて、軍手やゴム手袋などでしっかり手をカバーしてくださいね。
鱗の取り方はスプーンでも代用可能
ちょっと大きい魚の鱗の取り方には、ペットボトルのキャップがなくてもスプーンが簡単で代用可能なんですよ。
スプーンは必ずキッチンにあるものですし、包丁を使うのが面倒くさかったり、慣れていない方にはぴったりの鱗の取り方ですね。
スプーンは金属製で、縁が薄く、できるだけくぼみが深い、計量スプーンや、カレー用がおすすめです。
ペットボトルのキャップと同じように、スプーンのくぼみに魚の鱗がたまって飛び散りにくくしてくれます。
スプーンを使った鱗の取り方は、ペットボトルのキャップを使った方法と同じで、スプーンを魚にあてて、尾から頭に向かってすくうように左右に動かすだけです。
スプーンのくぼみに魚の鱗がたまっていきますので、その都度捨てて、作業を続けてくださいね。
ヒレや頭の周りは鱗の取り方がやりにくいので、ナイフなどを使って擦っていくときれいに取れますよ。
ビニール袋を使うと鱗の飛び散り防止になる
鱗の取り方をペットボトルのキャップやスプーンを使うと、包丁よりはあまり飛び散りません。
でも多少はあっちこっちに鱗が飛んでしまい、臭いもついてしまうので片付けが大変ですよね。
そういう時は、ビニール袋の中で鱗の取り方作業をすると、鱗が飛んでもビニール袋の中に納まるので安心ですよ。
方法は簡単で、大き目のビニール袋やごみ袋を用意して、魚を中に入れます。透明なビニール袋があれば透けて中身が見やすいですね。
ペットボトルのキャップやスプーン、鱗取り器であれば、袋の中での鱗の取り方は作業しやすいですね。
包丁の場合はビニール袋が小さいと、包丁に引っかかってしまったりして動かしにくく、危ないですので、ビニール袋の大きさに注意してくださいね。
その後は、ビニール袋の口を閉じポイッと捨てるだけで、後片付けが楽になりますよ。
ペットボトルのキャップは使い捨て出来ますが、鱗と一緒に捨てないように気を付けてくださいね。
鱗の取り方は熱湯を使ってゴシゴシこする
魚の煮付けやアラ煮などせっかくおいしく調理できても、鱗の取り方が雑だと触感が悪くなり、おいしさが半減してしまいますので、しっかり取り除きましょう。
熱湯を使った鱗の取り方は簡単で、魚に熱湯(90〜95℃)をかけてから、氷水に取ります。
すると、皮が縮んで鱗が浮き上がるので、後は手でゴシゴシこすりながら、血合いなどの汚れも一緒に落とします。
一匹丸ごと魚を使う場合は、おなかの中の汚れも見逃さずしっかり洗いましょう。
魚を加熱調理するときは、熱湯を使う方法が、鱗の取り方に効果的です。湯霜(ゆしも)、霜降り(しもふり)、湯引き、湯通しなどと同じ要領です。
どの方法も魚に熱湯をかけたり、浸したりする時間が違いますので、料理によって時間調節してくださいね。
刺身などは魚に火が通ってしまわないように手早く冷ますのがコツです。
熱湯を使った鱗取りは「煮る」調理法におすすめ
魚を加熱調理する場合、「焼く」「煮る」「揚げる」「蒸す」という方法がありますが、熱湯を使った鱗の取り方は、特に「煮る」調理法におすすめです。
なぜなら「煮る」料理は、魚を水や出汁の中で火を入れるため、臭みが水に溶けだして、生臭さがそのまま煮汁に残ってしまうからです。
そこで、下処理の段階に、鱗の取り方と同時に臭みの元となる、脂、血合い、ぬめりなどに熱湯をかけて落とすと、おいしい「煮る」料理に仕上がるんですよ!
魚を加熱調理する場合、熱湯を使って鱗の取り方をしても、生のまま食するわけではないですよね。
多少魚に火が通ったとしても、後々加熱調理してしまうので、細かいことを気にせず、気楽に熱湯をじゃぶじゃぶかけて鱗の取り方をすることができますね。
他の調理工程はどうだろう?
他の「焼く」「揚げる」調理方法は、生臭い脂や血合い(骨の周りの黒い汚れ)が高温で熱せられるので、比較的臭みを感じなくなります。
「蒸す」場合も、温度によっては生臭さが残ってしまいますので、下処理の段階でしっかり臭みの素を取り除いてしまいましょうね。
今晩、夕食の献立に魚の煮物を一品加えるならば、熱湯を使った鱗の取り方で美味しい料理になること間違いなしです!
熱湯処理した魚料理の代表レシピはブリのアラ煮!
今回はアラ煮の代表でもあるブリを使ったレシピをご紹介します。他の魚のアラを調理する場合も同様に行ってくださいね。
まずブリのアラを調理する前に、上記でご説明したように、熱湯を使った鱗の取り方で下処理していきましょう。
- ボールにアラ(250g)を入れて熱湯をかける
- 菜箸を使ってブリの表面が白っぽくなるまで全体を軽く混ぜる
- ブリを氷水にとる
- 皮が縮んできたら流水でブリの汚れや鱗を手で丁寧に取り除く
- ブリの水気を切る
この時の下処理によって料理の味が格段に違いますのでブリの鱗の取り方や血合い、ぬめりなどの汚れしっかりを落としてくださいね。
熱湯は90~95℃が目安です。沸騰直後のお湯をかけると、皮が破れたり、身がボロボロになってしまいますので注意してください。
それでは味付けをしていきますが、今回は私の地元九州で良く作られるレシピをご紹介しますね。
関東と比べると少し甘いかもしれませんが、お試しください。それでは、下記の材料をご用意くださいね。
- 上記のきれいに下処理されたブリ・・・250g
- だし汁・・・1カップ
- しょうゆ・・・大さじ3
- 酒・・・大さじ3
- みりん・・・大さじ3
- さとう・・・大さじ3 ※お好みに応じて量を調節してください
- しょうが・・・1片
私の覚書の材料がしょうゆ:酒:みりん:砂糖=1:1:1:1でとっても覚えやすいです!
作り方は簡単で、鍋に上記の材料を全て入れ、落し蓋をしてから強火で、沸騰したら中火で15分ほど煮込みます。
冷ましている間に味が浸み込みますのでそのまま放置して、食べる前に温めてください。
魚を加熱調理する時は熱湯を用いた鱗の取り方が楽ですね。
鯛やクエ、カンパチなどのアラにも応用できますし、材料にゴボウや大根、タケノコなどを加えても美味しいですよ。
まとめ
- 鱗の取り方は、包丁全体を使って鱗の流れに逆らう
- 尾から頭に向かって包丁に鱗をひっかけて取る
- 包丁を使った鱗の取り方には、すき引き ばら引きがある
- 包丁を使った鱗の取り方が不安な人には鱗取り器がおすすめ
- 素材別鱗取り器のご紹介
- 鱗の取り方はペットボトルで簡単にできる
- 鱗の取り方はスプーンでも代用可能
- 鱗飛び散り防止にはビニール袋が便利
- 鱗の取り方には熱湯を使った方法もある
- 熱湯を使った鱗の取り方は煮物料理におすすめ
- 熱湯を使って鱗取りをしたブリのアラ煮レシピ
今回は包丁を使った鱗の取り方をはじめ、ペットボトルのキャップやスプーン、さらに熱湯を使った簡単な方法をご紹介しました。
魚の下準備は手がかかって大変なので、せめて鱗取りぐらい簡単にできたほうが良いですし、魚の大きさや鱗の硬さによって鱗取りの方法を変えると効率が良くなりますね。
くれぐれも怪我のないように、軍手やゴム手袋をはめて作業を行ってください。
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