喉に骨が刺さってしまった時、取り方がわからず痛みもあるし困ってしまいますよね。
私は小さいころ、魚の料理が出てきたときには母に「よく噛んでたべてね、もし骨がささったらごはんを丸のみして」と言われた覚えがあります。
しかし、よく聞くこの「喉に骨が刺さった時の取り方」は間違っていました。
実は、喉に骨が刺さってしまった時は病院(耳鼻咽喉科)へ行って取ってもらうのが正解でした!
病院へ行かずに、間違えた骨の取り方をしてしまうと痛いだけでなく、喉に深く刺さってしまい粘膜を傷つけてしまいます。
また、病院へ行かずに骨を放置したらどうなるかや、子供の喉に骨が刺さった場合の取り方もまとめましたので併せてご説明いたしますね。
正しい知識を身に着けると、みんな笑顔で美味しく魚を食べられますよ!
喉に刺さった骨の取り方は病院に任せる!
喉に骨が深く刺さってしまった場合は、病院の耳鼻咽喉科へ行きましょう。
魚の骨は舌の奥にある扁桃(へんとう)や舌の根元に刺さりやすいため、専用の道具が必要になります。
もしあなたが過去に、扁桃腺(へんとうせん)が腫れたことがあるなら、すぐにどこの場所かピンとくるかと思います。
もし、顎の下辺りが痛んでいる場合は扁桃に、喉仏(のどぼとけ)のあたりが痛む場合は舌の根元に刺さっている可能性があります。
扁桃は舌の奥にあるため、骨が扁桃部分に引っかかっていた場合、自分で取ろうとすると、舌が邪魔をして見えにくく、取ることが難しいです。
また、無理やり取ろうとすると「オエッ」となりやすく、激しくおえつしてしまいます。
そのため上手く喉に刺さった骨が取れずに、かえって傷口を大きく広げてしまうことや、もし取れたとしても誤って気管支へ入ってしまいます。
喉に刺さった骨を取るには、舌をよけたり、抑えたりする専用の道具が必要です。
また、口の中は暗いのでライトも必要になります。
刺さってしまった場所がもっと奥だった場合の取り方は、口からは見えないため、鼻から内視鏡カメラを入れて行います。
内科や外科の診療科にはこちらの道具がないため、耳鼻咽喉科がある病院へ行きましょう。
魚の骨が喉に深く刺さってしまった場合は、自分で無理に取ろうとせずに病院へ行き、正しい取り方をしてもらいましょうね。
喉の痛みや違和感が増している時は病院へすぐに行こう
「魚の骨くらいで、病院へ行くのはなんだか恥ずかしい」と思いますよね。
しかし、正しい取り方をせずにいると最悪、命にかかわるケースもあります。
そのため、病院へすぐ行くべき症状について、以下にまとめました。
- 喉の痛みや違和感が増している時
- 発熱してきて、喉が腫れてきた時
- 出血している感覚があり、唾を飲み込めない時
まず、喉の痛みや違和感がどんどん増してきている症状がある時は、喉の粘膜が炎症を起こしている可能性があります。
悪化した場合、喉の後ろに膿(うみ)が貯まり、切開などの手術が必要になります。
そのため、喉の痛みや違和感が増してきた時は、すぐに病院の耳鼻咽喉科へ行きましょう。
つぎに、食後発熱してきて、喉が腫れてきた症状がある時は、喉の粘膜を傷つけ、膿を作っている可能性があります。
魚の骨が刺さっている場所が深い場合、緊急で手術を行う必要があります。
そのため、発熱・喉が腫れてきた時は、すぐに病院へ行きましょう。
さいごに、出血している感覚があり、唾を飲み込めない症状がある時は、喉の粘膜や食道に刺さっている可能性があります。
鯛(タイ)などの太くて硬い魚の骨が、喉や食道に刺さってしまうと、そのまま食道を貫通して太い血管や心臓を傷つけてしまいます。
そのため、夜間や休日でも一晩を待たずに救急外来へ行きましょう。
小さい骨の場合は自然に取れることがある
しかし、すべての魚の骨が刺さったら行くべきかというと、そうではありません。
アジやサンマ、ウナギといった細く、小さい骨の場合は、そこまで急いで病院へ行く必要はありません。
これらの小骨の場合は、自然に取れることがあるので、一般的な診療時間に合わせて行くことを検討してください。
骨が取れているかわからない時や、チクチクした痛みが治まっても、心配な場合は病院へ行きましょうね。
病院が閉まっていた時に自分でできる対処法はうがい
病院が閉まってた…自分でできる対処法はないの?
もし骨が刺さってしまった時に、病院が閉まっていた場合の、自宅でできる対処法はうがいです。
自宅でできる魚の骨の取り方は、まず自宅でうがいを試してみましょう。
小さな骨や、刺さっている場所が扁桃の辺りであった場合、水でうがいをすると取れることもあります。
魚の骨が刺さったところを意識しながら、何度かうがいをしてみましょう。
ただし、太くて硬い骨の場合だと、無理にうがいをすると出血してしまうので魚の骨のタイプによっては逆効果になってしまいます。
うがいをしたら、水をごっくんと飲みこまずに、そのまま吐き出してくださいね。
小骨の場合であれば、うがいなら自宅で簡単にできるので試しやすいですね!
喉に刺さった骨を放置しておくとどうなるの?
人間には、体の中に入った異物を外に出そうとする自浄作用があります。
この自浄作用によって、刺さってしまった骨は、粘膜から押し出されて自然に取れます。
人間の唾液中には、食べたもの分解し、消化してくれる消化酵素が含まれていますが、魚の骨が溶けるほどの強い作用はありません。
なので、放置していても魚の骨が溶けてなくなることはありません。
そのため、鯛(たい)やブリなどの太く、硬い骨が刺さってしまった場合は、病院へ行かずにそのまま長期間放置すると刺さった傷口から炎症を起こし、腫れるなどの症状がでます。
最悪の場合、症状が悪化して腫瘍(しゅよう)を形成する可能性があります。
しかし、アジやウナギなどの細く、小さい骨が刺さった場合は、この自浄作用によって、一晩~数日で自然に取れることが多いです。
そのため、喉に刺さった骨は溶けてなくなったのではなく、自浄作用によって自然に取れます。
喉に刺さった骨の間違った対処法3選
魚の骨が喉に刺さった時の取り方で、よく聞く間違った対処法3つをまとめました。
- ご飯をたくさん丸のみする
- ピンセットで骨を取る
- ツボを押す
まず、ご飯をたくさん丸のみする対処法についてです。
私の母も、「魚の骨が喉に刺さった時は、ご飯を丸のみすると取れるよ」とよく言っていましたが、この対処法は間違いです。
ご飯をたくさん丸のみしてしまうと、窒息してしまうリスクがあるため、やめましょう。
また、魚の骨がさらに深く刺さってしまい、粘膜を傷つけ感染し、刺さった部分が腫れ、医師の発見が難しくなります。
つぎに、ピンセットで魚の骨を取る対処法についてです。
口を開けた時に、もし魚の骨が刺さっているのが見えたとしても、自分でピンセットを使って取ろうとするのはやめましょう。
ピンセットで取ろうとして、失敗してしまうと、骨を粘膜の奥へ押し込んでしまい、粘膜を傷つけてしまいます。
また、魚の骨の一部のみが取れて、残りが刺さったままになってしまうこともあります。
そうなると耳鼻咽喉科医でも、発見がすぐにできず処置がむずかしくなります。
最後に、ツボを押して魚の骨を取る対処法についてです。
「腕やくるぶしにあるツボを押すと、喉に刺さった魚の骨が取れる」と言われますが、この対処法は間違いです。
ツボを押して取れるのではなく、小骨の場合であれば、先ほどお伝えした自浄作用で取れます。
しかし、太ケイという、くるぶしの内側後方部にあるツボは、喉の痛みなどを和らげる効果があります。
取れた後にもし、喉に痛みや違和感が残っている場合は、ツボを押すと緩和されますよ!
喉に刺さってしまった骨を、間違った取り方で対処したり、放置をすると、かえって症状が悪化してしまうのでやめましょうね。
喉に刺さった骨は子供の場合どう取るの?
サンマやアジなどはおいしく、子供に食べさせやすいけど小骨が多く、食べた時に刺さってしまうことがありますよね。
子供の喉に魚の骨が刺さってしまった場合の、確認するポイント4つをまとめました。
- 魚の骨がどこに刺さっているのか、お口の中をチェックする
- 小骨ですぐ取れそうな場合は、うがいをしてもらう
- 刺さっている場所が見えて、取れそうなら取ってあげる
- 喉の奥に刺さっている場合は、病院へ行く
まず、子どもの場合には、骨が喉に刺さるとパニックになり、泣いたり、喉をおさえたりすることが多いので、優しく声がけし、気持ちを落ち着かせてあげましょう。
落ち着いたら、骨がどこに刺さっているのか、奥に刺さっていないかチェックしてあげてください。
つぎに、刺さっている骨が小骨ですぐに取れそうな場合は、うがいを数回してもらいましょう。
小骨の場合、これだけでポロっととれることがあります。
口を大きく開けてもらって、もし刺さっている場所が見えて、指でつまんで取れそうなら、そっと取ってあげましょう。
喉の奥は、指を入れると「オエッ」となりやすいので、骨以外は触れないように慎重に取りましょう。
周辺の粘膜を爪で傷つけてしまうこともあるので、2,3回チャレンジしてみて取れない場合は、無理に取ろうとせずに、やめましょう。
ピンセットを使って取るのは、粘膜を傷つける可能性があるので、おすすめしません。
最後に、喉の奥に魚の骨が刺さってしまった場合です。
子供の口を見ても魚の骨が見つけられない場合は、喉の奥に刺さっている可能性があります。
この場合は無理に取ろうとすると、危険ですので、すぐに耳鼻咽喉科へ行きましょう。
まだ上手く伝えられない子供の場合に見るポイントとは
喉が痛いけど、なんて言っていいかわからないよ。
まだ2,3歳ごろの小さな子どもは、喉に魚の骨が刺さっても症状をうまく伝えられないこともありますよね。
以下のようにいつもと様子が違い、おかしい場合は、すぐに耳鼻咽喉科へ行きましょう。
- 魚を食べている途中、急に元気がなくなりご飯を食べなくなった
- 上手く飲み込めず、食べたあとにダラダラとよだれをたらしている
- 魚を食べた後に痛がり、発熱してきた
魚の骨が喉に刺さって病院を受診した患者の90%以上が、10歳以下だったという研究データもあります。
そのため、子どもに魚を食べさせるときは、食べている時の様子を見ながら、よく噛ませるようにしましょう。
先ほどの間違った取り方にあった、ご飯を丸のみさせる・ピンセットで取るなどはお子様にもしないようにしましょう。
よく様子をみてあげると、楽しく食事ができるので子供に「おかわり!」とおいしく魚を食べてもらえますよ!
まとめ
- 喉に魚の骨が深く刺さった時は、無理に自分で取らずに、耳鼻咽喉科がある病院へ行く
- 喉の痛み、違和感が増してきた時や発熱、出血などの症状がある時は、病院へすぐに行く
- 喉に太く、硬い骨が刺さったまま放置しておくと、傷口が炎症を起こし、最悪の場合、腫瘍ができてしまう
- 内科や外科には、骨の正しい取り方ができる専用の道具がないため、行く病院は耳鼻咽喉科がいい
- 自分でできる正しい取り方は、うがいだけ
- 小骨であれば自浄作用と、うがいで取れることがある
- 「ご飯を丸のみする」や「ピンセットで取る」など間違った骨の取り方をすると、症状が悪化してしまう
- 子供の喉に骨が刺さってしまった時は、小骨ならば、お口の中をチェックする
- チェックしてすぐ取れそうならうがいをしてもらうか、指でそっと取る
- 子供の喉に太くて硬い骨が刺さってしまった時は、すぐに耳鼻咽喉科へ連れて行く
魚は、栄養価も高く、美味しいので食卓によくでてきますよね。
どんなに気を付けていても、魚の骨が刺さってしまう場合があります。そんな時は慌てずに適切な対処をしましょうね。
間違った取り方をしてしまうと、かえって症状が悪化してしまうので、「魚の骨を取るのに病院なんて…」と思わずに、すぐに行きましょうね。
また、魚をゆっくりよく噛んで食事をすると、骨が喉に刺さってしまうリスクがグッと下がりますよ!
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