バイクを運転中に、ウインカーの点滅が急に早くなることがあります。
こういう時に限ってツーリング中でバイク屋へ寄る暇がないと、つい「まあいいや」と後回しにしてしまいますよね。
そのまま放置していると、整備不良として交通違反となり、減点や罰金になってしまいます。
ウインカーの点滅が異常に早いことを「ハイフラッシャー現象(以下ハイフラ)」といいます。
点滅が早くなったら、だいたい電球切れのサインです。また、消費電力が少ないLED電球に交換して、バイクが「球切れ」と勘違いする場合にも起こります。
今回は、球切れの対処法、またはLED電球の対処法について解説します。
バイクウインカーの点滅が早いときは球切れのサイン!
ウィンカーの点滅が異常に早いことを、「ハイフラッシャー現象(以下ハイフラ)」といいます。
電装を全くいじっていないバイクなら、主に電球(バルブ・麦球)の球切れが原因です。
ウィンカーは前後左右についていますよね。このどれか1つでも球切れになると、ウィンカーの点滅が早くなるのです。
自分で確認するなら、一旦停止してハザードを出してみて確認するといいですよ。
交換は、電球を外して点検して、戻すだけ!
バイクの電球交換自体は簡単です。あなたも自分で交換することができますよ。
まず、ウインカーレンズを固定しているネジを取り、レンズを引き抜いて、電球を外します。
ツメがある場合は、ツメを中心として半円を描くように傾けると取り外せますよ。
そのあとは、ウインカーレンズの裏にあるソケットを反時計回りに回しながら引き抜きます。
このとき、電球を押し込みながら回すと、うまくいくよ。
次に、電気テスターを使って電球の点検をします。
電気テスターのスイッチを「OFF」から「Ω(オーム)」に切り替えてください。「Ω」は、電気抵抗を表す単位です。
その後に、ウインカー電球の側部にマイナス端子を、下の真ん中にプラス端子を当てます。接触させた際に抵抗値が表示されます。
このとき抵抗値が0だったら、ウインカー電球が球切れか、故障で使えないんだ。
抵抗値があれば電球はまだ使えるから、電球以外の故障ってことだね!
最後に、電球を取り付けていきます。電球をソケットの溝に合わせて押し込み、時計回りに回して取り付け、ウインカーレンズの溝に入れて戻していきます。
ウインカーレンズをウインカーベースに取り付け、レンズの固定ネジを付けたら完成です。
一番最後に固定ネジを戻しますが、ウィンカーレンズが壊れないように締めましょう。
自分でウインカーの電球交換ができるようになると、家族や友達が困ったときに助けることができますよ♪
バイクのウィンカーに起きるハイフラってなに?
ウィンカーの点滅は、通常「毎分60回以上、120回以下」のペースです。1秒間に3回以上の早いペースになると、ウィンカー電球不良が起きた証拠です。
「ハイフラ(ハイフラッシャー現象)」は、ウィンカーの点滅が早くなることで、車やバイクのウィンカー電球に異常が発生しているときに起こります。
ウィンカーの消費電力がだんだん小さくなると、「ウィンカーリレー」という部品が「そろそろ球切れしそうだよ」と、ウィンカーの点滅を早めます。
バイクのウインカー電球が球切れになると、ウィンカーの点滅を引き起こして、ハイフラとしてあなたに教えてくれているのです。
通常運転していると、自分の車のウィンカーは見えないですよね。そのため、気が付かずに運転を続けていると警察から「整備不良」と判断され、罰則が与えられるのです。
そうならないために、運転手やライダーへメッセージを送ってくれているのですね!
バイクのウィンカーをLEDに交換するとき
近年では、「消費電力が低くて長持ちする」と評判のLED電球が急速に普及しています。バイクのハロゲン電球も、消費電力が格段に小さいLED電球へカスタム変更する人が増えています。
LEDの電球と純正電球の消費電力が違うと、電球交換後にハイフラが発生します。
純正電球よりも、LED電球のほうが消費電力が低いですよね。例えば純正電球が「20W」くらいだとしたら、LED電球は「5W」くらいです。
通常20Wくらいで慣れているのにいきなり5Wの電球を差し込むと、消費電力を見極めているウインカーリレーが「球切れだ」と勘違いしてしまい、ハイフラが起こるのです。
LED対応のウィンカーリレーが使える!
ウインカーをLED電球に交換するなら、消費電力の差でハイフラが起こるのを防止するためにウインカーリレーもLED対応へ交換しましょう。
LED電球に交換する目的が「消費電力を抑えるため」なら、最善の方法です。
昔のウインカーリレーだと、電球の抵抗も回路の一部として設計されているので、断線したり、球切れしたりすると回路の抵抗値が狂いハイフラになります。
昔のウインカーリレーの場合は、どこが切れているのかテスターで調べて修復することで直りますよ。
また、バッテリーの負担も軽減されるので、昔のバイクに乗っているあなたにとって実用的なカスタムですね。
抵抗内蔵LED電球もおすすめ!
「抵抗内蔵LED電球」は、これまで外に付けられていた抵抗器がLED電球内に内蔵されているタイプのものです。
差し込むだけで使え、取り付けもとても簡単で早いので、ウインカーをLED電球に短時間でできますよ。
原因以外の対処法やおすすめ商品についても知ることができましたね。
ハイフラ防止抵抗器はLEDの意味がなくなる!?
「ハイフラ防止抵抗器(キャンセラー)」は、LED電球と純正電球の消費電力差を埋めるために消費電力を高める部品です。
ハイフラ防止抵抗器を付けることで、LED電球が純正電球の消費電力と同じ、または同等になり、ウインカーが正常に作動するようになりますよ。
しかし、もともとLED電球へ変えたのは消費電力を少なくするためですよね。それなのにまた消費電力を大きくすることは、LED電球へ変えた意味がないと思います。
わざと電気を消費させているので消費する電力は大きくなり、その分電球の持ちも悪くなります。
また、点火コイルやレギュレーターなどの熱に弱い部分に接触すると、その部分が熱により故障しやすくなります。
もしどうしてもハイフラ防止抵抗器を付けるなら、電球の場所それぞれに抵抗器が必要です。何個か用意しておき、電球1個につき、抵抗器を1個使用しましょう。
LED電球の交換から日数が経った後の原因と対策
LED電球に交換したときは正常に作動していたが、少し経ったらハイフラになってしまった場合は、電球の故障か配線不良の可能性が高いです。
その他の原因となるものを以下にまとめました。
- 電球そのものの故障
- 配線不良
- 接触不良
- 断線
- ギボシ端子抜け
- アース不良
電気関係の配線などは、基本的にテープやタイバンドで固定されますが、固定を忘れると劣化と振動が積み重なり、断線することもあります。
球切れや、LED電球が原因ではない場合は、バイクの他の所の故障なので、ディーラーや車用品店に持っていきましょう。
私も何回かスマホの充電器やイヤホンを断線させたことがあります。
充電しているのを忘れてスマホを勢いよく持ってしまったり、イヤホンのコードを思いっきり引っ張ってしまうときに多いです。
しかも、私はつい乱暴に扱ってしまうので、使い始めて1~2年で買い替えなどがザラでした。
今は気を付けているので充電器やイヤホンは長く持っていますが、気を抜くと前の自分に戻ってしまいます。
ましてや、バイクは運転中ずっと揺れているので、日々の積み重ねで断線しやすくなっていますよ。
バイクのウインカーにも車検時の基準値がある!
バイクのウインカーの車検基準は、保安基準第41条「方向指示器」によって定められています。
この保安基準を一つでも満たされていないものがあると車検に通りません。
バイクの車検自体は排気量が251㏄以上のものからが対象です。
ウインカー関連の項目を以下にまとめましたので確認しましょう。
- 点滅速度は一定の周期の毎分60回~120回であること
- 運転者がウインカーの作動状態をすぐ確認できること
- 昼間にウインカーの点灯が100mの距離から確認できること
- ウインカーの光が他の交通を妨げないこと
保安基準は項目が他にもたくさんあります。項目ごとに必要な個所は説明も加えていきたいと思います。
点滅速度は一定の周期で!作動状態の確認も
まずは、今回の記事のタイトルにもある「ハイフラッシャー現象」に関連するものです。
ウインカーの点滅速度は、「点滅速度は一定の周期の毎分60回~120回であること」と定められていましたね。
この基準を超えるような点滅の場合は、車検も通らないどころか保安基準違反となり、整備不良と判断され交通違反になります。
罰則として、1点の減点と自動二輪だと6000円、原付バイクだと5000円の罰金を払わなければいけません。
ハイフラだけれどもウインカーは点灯している場合は、即検挙となることは少ないです。
また、運転者がウインカーの作動状態をすぐ確認できることについては、ハイフラの時がわかりやすい例ですね。
自分の乗っているバイクのウインカーの状態を確認できないと、ウインカーが壊れた時に気づくのが遅れて事故になる可能性があります。
対向車や、後続車にも正しいサインを出すことができなくなり、困惑させてしまうため危険です。
ウインカーの点灯確認は昼間行おう!
次に、昼間にウインカーの点灯が100mの距離から確認できることについて、必要な明るさを備えているか確認しています。
昼間でも100mも離れている距離から目視できる光は相当明るいですよね。
夜間は暗くバイクは無防備ですので、より安全に走行できるようにしないといけません。
だからしっかりした基準があるんだね!
ウインカーの光で相手の視界をさえぎらない!
最後に、ウインカーの光が他の交通を妨げないことです。
広範囲に光が漏れていると対向車は眩しくて車線がよく見えなくなりますよね。
思わぬ事故を防止するためにも、大切な決まりです。
当時自動車でしたが、私も相手のウインカーの光で自分の車線が見えなくて危なかったことがあります。
私の祖母の家は同県内にありますが、祖母の家は田舎なので、行くときは山道を通ります。
昼間は大丈夫なのですが、夜帰るときに山道を走っていたら、対向車がハイビームにしていたことがありました。
ちょうどカーブに差し掛かっていたときで、車線が見えなくなり、危うく衝突するところでした。
普段はハイビームを使うことがないので切り忘れることありますが、それ以来は、対向車が来たらハイビームをいったん切ることを徹底しています。
意外と大切なことなんだね。
他に車検の項目はどんなものがある?
上記の他に、車検の際に気を付けるべきことがいくつかあります。
以下に大体の内容をまとめましたので、参考にしてください。
- フロントウインカーは左右のウインカーの内側が240mm以上離れていること
- リアウインカーは左右のウインカーの発光面の中心が150mm以上離れていること
- ウインカーを取り付けるときは、中心が地上から2.3m以下であること
- ウインカーの発光色は橙色であること
- 照明部の面積が7平方㎝以上
- 光源のW数が10W以上、60W以下
「フロントウインカーは左右のウインカーの内側が240㎜以上離れていること」については、保安基準では「最内縁」と表現されています。
また、「リアウインカーは左右のウインカーの発光面の中心が150mm以上離れていること」については上記のものと測る位置が違いますよ。
次に、ウインカーを取り付けるときは中心が地上から2.3m以下となっています。
そんなに高い位置にウインカーを付ける人もいないので、大丈夫ですね。
次に、ウインカーの発光色は橙色であることとされています。電球が発した光がウインカーを通したらどのような色になるか確認しましょう。
最後に、照明部の面積が7平方cm以上、光源のW数が10W以上60W以下であることを確認してください。
この他に、「ウインカーが車体の中心に対して対象の位置にあること」や「レンズの損傷や目立った汚れなどがないこと」も基準としてあります。
そのため、レンズの損傷などがあった場合、早く修理してもらいましょう。
保安基準を知ることで、車検に出す前の簡易的な検査をすることができますね!
まとめ
- ハイフラは、主に電球の球切れが原因となって起こる
- 電球交換はほとんどの人はバイク屋かディーラーに頼むが、自分でもできる
- 電球交換の際は他の電球も切れる可能があるので、4つ全て交換する
- バイクのウインカーの点滅が早いことを「ハイフラ(ハイフラッシャー現象)」という
- ハイフラは、運転中に気が付きにくいウィンカーの球切れを運転手やライダーに知らせる機能である
- LED電球に交換したことでハイフラが起こる場合は、LED対応のウインカーリレー、抵抗内蔵LED電球で対処する
- ハイフラ防止抵抗器は消費電力を高めるものなので、使うとLED電球に変えた意味がなくなる
- バイクのウインカーの車検基準は、保安基準第41条「方向指示器」によって定められている
- バイクのウインカーの点滅速度は、1分間で60~120回の一定の周期である
バイクのウインカーの車検基準は保安基準第41条「方向指示器」によって、「1分間で60~120回の一定の周期」となっています。
ハイフラなどでこの点滅の回数を上回ると、交通違反で罰金を払わなければいけません。
ディーラーや車用品店でも電球交換ができ、工賃も安く、作業も早いですよ。
あなたの愛車を自分でメンテナンスして、ライダーとして一歩ランクアップしましょう♪
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