折れてしまったり、おさがりで古くなったり、使わなくなったクレヨンは「マーブルクレヨン」に再利用できます。
シリコン型などの小さな耐熱容器に刻んだクレヨンを入れて、電子レンジで数分加熱して溶かし、粗熱を取って固めます。
溶けたらそのまま固めてもいいし、つまようじでちょっと混ぜたらマーブル模様にもなります。
しかし、電子レンジの急激な温度変化は、なんともいえない匂いを放ちます。これは失敗しただけでなく、加熱しすぎによるものです。
このほかにも、型から外すときに割れてしまったり、マーブルクレヨンの中に汚れが残ってしまったり、失敗パターンがあるのです。
そんな失敗を繰り返さないためにも、マーブルクレヨンの製作コツを解説します。
マーブルクレヨンの失敗例…電子レンジから強烈な匂い


「電子レンジで温める」って書いてあったから時間通りに温めたんだけど、匂いが強烈!
沸騰してるし、これ大丈夫なの?
クレヨンを電子レンジで温める時間が長すぎると、過熱(熱くなりすぎる)状態となり、強烈な匂いを放ちます。
過熱状態では、クレヨンに含まれるワックスや油分などが劣化しやすくなります。しかし、固まればクレヨンとして使えます。
クレヨンが液体に溶ける温度(融点)は50~65℃くらいに対して、電子レンジは500Wでだいたい180℃まで上昇します。
電子レンジでの工作はとても便利ですが、温度が高すぎます。
それを知らずに電子レンジでの加熱時間を長めにしていると、強烈な匂いに耐えきれなくなるのです。
そうならないためにも、マーブルクレヨンの作り方を紹介しているところのほとんどは、時間のめやすを5~10分程度としています。
過熱状態によりワックスや油分の劣化をなるべく減らすためにも、短い時間で温めるように促しているのですね。
1~2分ごとに電子レンジの中を覗き込むと、クレヨンの溶け具合や異変に早く気づけますよ。
ちなみにクレヨンは、周囲の酸素を取り込んだり、気温や湿度にさらされたりして、未使用の状態でも劣化が進んでいます。
劣化が進むと、そのままの状態でも匂いを発することもあるのです。
また、クレヨンの色も関係していそうです。
というのも、クレヨンに含まれる顔料によっては、加熱すると煙が出る性質もあるのです。特に、黒や茶色系は要注意です。
クレヨンが大きいと溶けにくくなる
マーブルクレヨンを作る時は、溶かしやすくするためにもクレヨンをハサミやカッターなどで小さく刻みます。
だいたい5mm~1cm角くらいに刻むと、電子レンジだと早くて数分、遅くても10分程度で溶けます。
このときクレヨンが1cm以上大きいと、溶かす時間も長くなっていきます。これもグツグツ煮立たせてしまう原因のひとつです。
型の周りは溶けているのに内側が溶けていなかったら、完全に溶かしきるためにも角度を変えてさらに温めますよね。
このとき、すでに溶けている部分もどんどん高温になっていきます。
そのため、内側までしっかり溶かしきれても、外側は過熱状態になってしまい、強烈な匂いを発するのです。
実際に、時間のめやすが5~10分なのに対して、「溶かしきるまでに20分以上かかった」という声もありました。
クレヨンを刻むときは、細かければ細かいほど溶かす時間も短くなります。
子供が刃物を持つ場合、ケガをしないようにそばで見守ってあげましょう。
湯煎で温めれば匂いが出にくくなる
クレヨンが液体になる温度(融点)は50~65℃でしたね。
沸騰したお湯は100℃近くになるため、クレヨンは湯煎でも充分に溶けるのです。
調理器具はホットプレートやフライパン、型はシリコンの平たいタイプとの組み合わせが相性いいです。
電子レンジほど急速な加熱はできませんが、時間をかけてゆっくり加熱すればグツグツ煮立てることもなく、匂いも少ないです。
また、電子レンジの扉を何回も開け閉めしなくても溶け具合を確認できるため、手間が省けます。
ただし、お風呂のお湯よりも熱い温度で温めるため、電子レンジの時と同様にヤケドの危険性はあります。
お湯や温めたクレヨンが身体にかからないよう、気を付けて作業しましょう。
マーブルクレヨンの失敗例…取り出すときに割れた


子供が好きなキャラクターの型で作ったんだけど、最後の最後で割れちゃった…。
マーブルクレヨンは、自分で溶かして好きな形で固められるのが魅力です。ただし、どんな型でも成功するわけではありません。
細かい細工がされている型は、取り出すときに折れてしまいます。
実際に作ってみた人の作品を拝見すると、胴体とのつなぎ目部分や、端っこの小さな部分が折れてしまった作品が見受けられました。
せっかくお気に入りのキャラクターでクレヨンを作ろうとしたのに、最後に割れてしまったら悲しくなります…。
逆に、ハート型や丸、宝石型のようなシンプルな形だと、「割れてしまった」という声は少なかったです。
私の友人もハンドメイドで手作り石鹸を作っています。
作り始めの頃は面白さを追求したくてキャラクターものの石鹸を作っていましたが、取り出すときによく割れたそうです。
それ以降、シンプルな型に落ち着いてからは、割れなどの失敗作はほとんど出なくなったとのことです。
割れにくくしたいならクレヨンをたっぷり詰め込む
型選びのとき、ちょっと難しそうな形でも子供が一目ぼれしてしまったら、なかなか「NO」とは言えません。
マーブルクレヨンを割れにくくするには、型の中に細かいクレヨンを隙間なく、型からあふれるくらいにまで重ねましょう。
クレヨンが溶けたら、型の中に残っていた空間が埋まります。
実際に完成したときにはカサがだいぶ減っていて、思ったよりも薄くなるのです。
そのため、細かく刻んだクレヨンは隙間なくたっぷり詰め込んでいいのです♪
たっぷり入れて分厚く仕上がれば、つなぎ目部分でも強度が増して割れにくくなりますよ。
マーブルクレヨンの失敗例…汚れが混ざった


入れてないはずなのに、ちょっと黒っぽくなっちゃった。
クレヨンの汚れかな。
古いクレヨンは、他のクレヨンの色が表面に混ざったり、ホコリが付いていたり、どうしても汚くなりますよね。
完成度を高くするなら、マーブルクレヨンの中に混入する汚れを徹底的に取り除きます。
一番気になるのは、使う前のクレヨンです。表面についた汚れは、ウエットシートやベビーオイルなどで取れます。
クレヨンを削るときにも、次の色を削る前にカッターやハサミを拭き取ったり、削りカスをまとめたり、こまめにキレイさを保ちます。
この小さなひと手間で、使わないはずの色が混入するのを防げますよ。
マーブルクレヨンの失敗例…色のバランスが悪い


出来上がったけど、ちょっと奇抜な色が多すぎるわ。
子供も、自分で作ったのに気に入ってないみたい…。
子供と一緒にマーブルクレヨンを作るなら、クレヨンの組み合わせは自由にやらせてあげたいですよね。
クレヨンの配色を考えて、バランスよく入れるとキレイに仕上がります。いくつかポイントをまとめました。
- クレヨンの色は3色までにする
- 同系色を組み合わせる
- 混ざっても変にならない色を組み合わせる
まず、クレヨンの色はたくさん入れるよりも選んだほうがいいです。
そして、奇抜な組み合わせよりも「暖色系」「寒色系」のような同系色の組み合わせだと、見栄えが良くなります。
「ピンク、黄色、水色」の組み合わせは同系色ではないですが、パステルカラーでまとまりがあります。
私が小さいころにも、お絵かきをするとき「お洋服の色は3~4色に絞ったほうがゴチャゴチャしないよ」と教えてもらいました。
出来上がったときの色を想像しながら組み合わせると、子どもの想像力も身に付きます。
また、色の組み合わせには「色相環」という考え方があります。12色を近い色から円に並べて、色の関係性をみるのです。
このとき真反対にある色は「補色関係」と呼ばれますが、混ぜるとお互いの色味を打ち消し合ってグレーっぽくなるです。
一例では、「赤と緑」「黄色と紫」「水色とオレンジ」があります。
特に赤と緑はクリスマスカラーでよく使われますし、私なら絶対組み合わせたい色です(笑)
どうしても組み合わせたいなら、つまようじなどで混ぜすぎず、色の間に白などを入れましょう。
まとめ

- クレヨンを電子レンジで10分以上温めると過熱状態となり、強烈な匂いを放つ
- 過熱状態となったクレヨンは、成分の劣化は進むものの、固まればマーブルクレヨンとして使える
- クレヨンを刻んだとき、1cm以上の大きさだと電子レンジの目安時間だけでは溶かせなくなり、つい過熱してしまう
- マーブルクレヨンは電子レンジでも作れるが、湯煎にかければ煮立ちにくくなるため匂いも出にくい
- マーブルクレヨンは、凝った型で作ると端やつなぎ目部分が割れやすい
- 細かく刻んだクレヨンをあふれるまで詰め込めば、溶けたときに型いっぱいに分厚く仕上がり、割れにくくなる
- クレヨンを刻む前、刻むときには、汚れを徹底的に排除すると、キレイに仕上がる
- 完成したときのマーブルクレヨンを想像しながらクレヨンの色を選ぶと、完成度もアップする
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