最近、私の友人が「親から譲り受けたブランド物のジーンズが短くて、着られない。」とぼやいていました。
かと思えば、別のところでは私のママ友が「最近子供の背が急に伸びちゃって、ウエストは変わっていないのにジーンズの丈が5cmも合わなくなっちゃったの。」と嘆いていました。
デニムジーンズが長いなら、ちゃちゃっと裾上げはできます。しかし短くなったデニムジーンズを長くするなら、裾にデニム生地を継ぎ足すしかないですよね。
デニムは、裾上げの時に出る共布(ともぬの)を使えば継ぎ足しできます。また、共布がない場合は「ロールアップ風」として別のデニム生地を裏返して、2つ折りで縫い合わせても可愛いですよ。
今回は、自分で継ぎ足しする縫い方を解説します。数cmだけ裾を伸ばす方法も、必見です♪
デニム裾を継ぎ足しするなら共布を使う
布と布を継ぎ足すと、元の生地布と継ぎ足し布の縫い目部分が気になりますよね。
購入時にお店で裾(すそ)上げしてもらうと、布の切れ端(共布)をもらえます。それが残っていれば「継ぎ足した」違和感は最小限に抑えられます。
もし「裾上げしてもらったけど、やっぱり元の長さに戻してほしい!」と思ったら、裾上げする前の状態に復元は難しいですが共布をくっつけることはできます。
別のデニムを切ったときの共布ならあった!これ使えないかな?
別のデニムだったら、筒周り、前身や後ろ身の長さが違うかもしれないため、残念ながら継ぎ足しに使えるとは限りません。
生地を縫い合わせる時には、インシーム(内側の縫い目)とアウトシーム(外側の縫い目)を1ミリもずらさず合わせなくてはなりません。
前身や後ろ身の幅は、メーカーや種類によって微妙に異なります。そのため、同じ色だとしても、前身や後ろ身の幅がどちらかでもピッタリ合わなければ、継ぎ足しには使えないのです。
もしデニムを切ったときの共布がない場合、前身・後ろ身のどちらも幅がそろっている生地はリペア業者さんでもなかなか見つけられません。「あればラッキー!」って感じですね。
私は背が低いので丈詰めすることが多いのですが、共布は「ジーンズに穴が開いたら使えるかな?」というくらいに思っていました(笑)
捨てずに取っておけば、将来自分の娘が大きくなった時に、共布を継ぎ足しして譲れるんですね。物は大事にしたい派なので、このまま大事に保管しておきます。
ミシンを使って自分で継ぎ足してみよう!
もし自宅に共布を保管してあれば、自分で継ぎ足しもできますよ。
デニムは生地が厚めなのでミシンを使いましょう。共布の裾はほどかずにそのまま使うとして、まずはつなぎ合わせる準備から説明します。
- 裾の縫い目をほどく
- 裾を開き、アイロンをかけて折り目をなくす
(あて布必須) - 色落ちが目立つところ(アタリ部分)は、1cmだけ残して切る
- ジーンズ側、共布側のつなげる部分はほつれ防止のために細かいかがり縫い(ロック処理)をする
裾の折り目がなくならない場合は、霧吹きで濡らして半乾きの状態でアイロンをかけましょう。
ただ、折り目が色落ちしている、またはウォッシュ加工で風合いが付いているところはもう色を復活させられないので、切るしかありません。
表面に見えない縫い代1cm部分を残して、他は切ってしまいましょう。
ここまでが終わったら、いよいよつなぎ合わせていきます。
- 共布を裏返し、ジーンズの裾部分が重なるようにかぶせる
- アウトシーム、インシーム部分をそれぞれ揃えて、1ミリもズレないようにクリップで留める
- さらにズレないよう、インシームとアウトシームの中間もクリップで留める
- アウトシームがズレていないかもう一度確認し、裾の端から1cm空けて返し縫をせずに縫い始める
- 1周縫い、最後にも返し縫いをする
- 裏返して、縫い目部分を開くようにアイロンをかける
(特にインシームは硬いので、丁寧にかける)
この時一番重要なのは、インシームとアウトシームの縫い目をピッタリそろえることです。
もし幅がそろっていないと、つなぎ合わせた時にどちらかがズレて「つぎはぎ感」が出たり、どちらかの幅が短くて生地がヨレてしまいます。
そしてミシン糸の太さは30番を選びます。仕上がり重視のテトロン糸、伸び重視のスパン糸、どちらを使ってもかまいません。
ただし、縫い目の強度を高めるためにもミシンのピッチ目盛りを2くらいにして、細かく縫いましょう。
また縫い始めるときは返し縫いしなくてもいいのですが、縫い終わる時は返し縫いをして糸を切ります。
共布に残っている裾をそのまま使えば、裾部分は特に直さずそのまま完成です♪
私は子供が幼稚園にあがる時に園グッズを作ろうと思い、ミシンを買いました。その時は楽しくて「いろんなものを作るのに挑戦しようかな!」なんて思ったのですが、お蔵入りです(笑)
調子に乗って一気にガーっと進めず、ゆっくり縫っていくと、途中で曲がってもすぐ気づきやすいですね。
共布がないなら別のデニム生地を裏返して継ぎ足す!
お子さんの成長期で背が一気に伸びると、ジーンズがいつのまにかつんつるてんになりますよね。
そもそも裾を切ったことがないなら共布そのものが存在しません。もしどうしても共布が見つからない場合はもちろんですが、この場合でもジーンズに似た色のデニム生地を探さなくてはなりません。
共布以外のデニム生地を組み合わせるなら、いっそのこと継ぎ足し布を裏返してロールアップ風にすると、逆にかっこよく仕上がりますよ。
ロールアップすると裾をめくることになるため、表側には裏布が見えますよね。そのため、表側の色が違っていても気にならないんです。
それに、お子さんのジーンズだったら裾の縫い合わせがちょっとくらいズレても気にならないため、筒周りが大きい布や、通常のデニム生地でも可能ですよ。
デニムの記事ってかたくて縫いづらそう…上手にできるか不安だな。
ここからは、お子さんのジーンズをロールアップ風に継ぎ足す方法を解説します。ミシン縫いの方が丈夫そうですが、お子さんのジーンズは小さめなので手縫いの方がやりやすいですよ。
今回は共布ではないため、まずは継ぎ足し布をジーンズと同じサイズの筒周りにしていきます。手順はこちらです。
- 継ぎ足すデニム生地の丈部分を切る
長さは、【継ぎ足したい長さの2倍+3~4cm】 - ジーンズと継ぎ足し布のアウトシームを合わせる
(デニム生地のまま使う場合は、生地を2つ折りにして、その折れ線とジーンズのアウトシームを合わせる) - インシーム部分より1.5cmの縫い代を残して、切る
- 継ぎ足し布の、インシームになる部分を波縫いする(両端は返し縫い)
完成したときには、継ぎ足した生地が二重に折り返した状態になっています。そのため丈部分は、継ぎ足したい長さの2倍と、縫い代部分の3~4cmが必要なのです。
縫う時は、始まり部分は返し縫いにし、その後波縫いで進み、最後は一目返し縫いしましょう。
継ぎ足し布のインシームができたら、縫い代の部分をひろげておさえます。しっかりひろげて形と作りたい場合はアイロンを押し当てましょう。
次に、デニムと継ぎ足しの布を縫いつけ、折り返し、さらに縫って固定します。
- ジーンズと継ぎ足し布の両サイドを合わせてマチ針でとめる
- 縫い代のところから1周縫い合わせる
- 継ぎ足した部分を折り返し、分厚いところが重ならないように合わせてマチ針でとめる
- 固く縫いずらいところから、1周縫う
デニムと継ぎ足しの布を合わせる時には、継ぎ足しの布をデニムのステッチ部分に1cmくらい重なるようにしましょう。
カットした部分がズレないようにマチ針でとめ、しるしの線の上を縫っていきます。
縫う時には固い部分は返し縫をして、縫いやすい部分は波縫いしていきます。
糸がつっぱらないように軽く引っ張り、目立たないところで玉結びをしたらロールアップ風の裾のばしの完成です!
お直しに数千円はけっこう痛い出費ですよね。すぐに成長してしまうお子さんのデニムはそのたびにプロのリメイクに出してもいられません。
自分で裾を継ぎ足しすれば費用もそれほどかかりませんね。この方法なら手縫いでできますし、やってみると意外と簡単ですよ。
これなら成長期のお子さんにしょっちゅう服を買い替えずに済み経済的ですし、服も長く着ることができますね。
デニムの裾直しはリペア業者に依頼できる
デニムの裾(すそ)がほつれたり、穴が開いたりしてしまったら、デニムのリペア専門店にお願いしましょう。
リペア専門店にお願いすれば、遠くから見たらつなぎ目がほぼわかりません。さすがプロの技ですね!
少し雰囲気を変えたければステッチを入れてリメイク風に仕上げることもできますよ。
また、ビリビリにやぶれてしまった裾もデニムのリペア専門店に頼めば魔法のようにきれいに仕上がります。ダメージ部分を一部だけ残して活かしたり、きれいに消したりと、自由自在にできます。
ダメージの周りに少しあとが残るもの、ダメージを残して補強するもの、完全に穴やダメージを跡が残らないように消すものまで、希望にそったリペアをしてもらえますよ。
料金はお店によって「約3000円~見積もり次第」のところが多いので、気になるお店があったら無料見積もりに出してみましょう。写真を撮ってメールでも見積してもらえますよ。
「壊れたら買う」という選択肢だけでなく、直して履き続けるという選択ができるデニムって魅力的だな~と思いました。
デニムの裾伸ばしならバイアステープを使う
かっこいいジーンズを見つけてもウエストに合わせると裾(すそ)がちょっとだけ短い…。デニム継ぎ足しで長く出来たりするのかな?
買い物に行ったときに気に入ったデニムを見つけても、「ちょっと自分には裾が短いかな?」「このくらいなら、まあしょうがないか」と諦めてしまいますよね。
数cmだけ長くしたいのでしたら、わざわざ布を継ぎ足ししなくても裾部分をいじって2cmくらい長くできますよ。
デニム生地はだいたい三つ折りになっているため、【ほどいて広げた長さ(折り目の長さ×3)-0.5cm】くらいなら長くできます。
これはジーンズの種類にもよりますので、ほどく前に折り目の長さを測って、どのくらい長くできそうか計算してみましょう。
裾の三つ折り部分をほどいて、ジーンズと同じ色の「バイアステープ」を仕込んでいきます。
バイアステープは、両端折りと四つ折りの2種類があります。両端折りを使うなら18mm幅、四つ折りなら1cm幅のものを使いましょう。
- 裾の糸をほどいて、裏返す
- バイアステープの折り目を広げて、先端部分を1cm折り曲げる
- ジーンズの裾端とバイアステープの端を合わせる(マチ針で留めてもOK)
- 裾端に近い折り目のところを返し縫いして、そのまま1周縫う
どこから縫い始めてもOK
ただし、縫う時はバイアステープを引っ張らない - 1周縫ったら、バイアステープは先端部分に合わせて切る
(先端部分の折り目テープと、1周回ってきたテープが重なるように) - 先端部分と1周回ってきたテープをそのまま重ねて、端まで縫う
- 最後に返し縫をして、糸を切る
- バイアステープが見えないように折り込む
- 裾を縫って、完成(ミシンでも手縫いでもOK)
私は長めのスカートは引きずってしまうし、ワンピースは着せられてる感がでてしまうので、「身長が高いとなんでも着こなせてうらやましいな~。」と思っていました。
しかし、私の夫は腕が少し長めで、気に入ったシャツを買おうすると袖の長さが足りません。せっかく気に入ったのに買えないとわかった時はとっても残念そうでした。
背が高い・腕が長いゆえの苦労もあるんですよね。
今まであきらめて短いまま履いていたデニムが継ぎ足しでジャストサイズに生まれ変わるなら、ファッションがますます楽しくなりますね♪
まとめ
- デニムジーンズの裾(すそ)を継ぎ足しするには裾上げの時に出る共布(ともぬの)を使う
- ジーンズは、メーカーや種類によって色味や筒周り、前身や後ろ身の長さが異なる
- そのため、色味が似ていたとしても、前身や後ろ身の長さが違うとリメイク感が出てしまう
- 子供のジーンズなど、最初に裾上げをしていない場合には共布がないため、別のデニム生地を裏返して使い、ロールアップ風にする
- ロールアップ風にするなら、「継ぎ足したい長さの2倍+3~4cm」で切る
- 子供のジーンズは筒周りが大人よりも小さいため、手縫いの方が細かいところまで手先が届き、縫いやすい
- デニムのリペア専門店でも継ぎ足しをしてもらえる
- 2~3cmくらい裾を伸ばしたいなら、バイアステープを使えば簡単にできる
しっかり選んで買ったはずのものが「やっぱりしっくりこないな」と思う事って結構ありますよね。
でも、そこから自分に合ったものにカスタマイズしていくと、だんだん愛着がわいてくるものです。
物を大事にしつつ自分だけの1点ものができあがっていくなんて、とっても素敵なことですよね。
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